呪里
2025-02-20 22:40:10
2863文字
Public Code_Abyss 本編
 

episode:2 第一幕 〈四つの柱〉



 「まぁ、今日は私とあの子達の事を覚えてもらうだけでいいから。」

 帰り際、呪里に付き添われて兎々は帰路きろについていた。

 あの後、自己紹介を終えた幹部四人はさっさと部屋を出ていき、ゼロから簡単ではあるが建物の中を案内されていた。

 全てを周り終える頃には、もう歩けなくなると感じるほどの疲労感があった。

 「明日から柩に色々と教えてもらってね」

 「はいわかりました」

 兎々は〈仮所属〉という形になり、明日から舎弟頭の柩に基礎から指導してもらうそうだ。

 「じゃあ、送迎はここまでね。次からはあげた入館用シールを手に貼って来て」

 「っはい。今日はありがとうございました!」

 駅前に到着し、兎々が改札を通った事を確認すると、呪里はすぅっと煙のように人混みの中に消えていった。








 これから先、Abyssに所属した事で自分の何かが変わるのか、それはまだ兎々にも呪里にも誰にも分からない。

 けれど、この出会いは自分に取って必要不可欠なものだったと、自信を持って言える事だけは確かだ。

 兎々は一息ついた後、これから先に一抹いちまつの不安と大きな期待を胸に、駅のホームに向かって駆け出した。