【#深淵覗きの断章】深淵覗きと荒れ地の勇者

リサイズドリンクで爆死した際に思い付いた、リトル・ガーベラと捨てられた地の大精霊のお話です。

⚠原作の諸要素に対する独自解釈・捏造・オリジナル設定あり⚠

Fanmade by チーバオ(QiBao)
#sky創作 #sky二次創作




 瞑想を終えた後、すぐにホームへ戻る気にもなれず。
 書庫へ続く長い回廊を歩きながら、ガーベラは大精霊の言葉を反芻していた。

 他者に害成し、恐怖を振り撒く、悪しき星の子。
 幸いにも、ガーベラはそのような存在に出会ったことはない。ネモフィラも、“交信”能力が暴走していた頃は他の星の子達に避けられた事があったが、直接危害を加えてくる奴には会わなかったと言っていた。
 手持ちの“旧き星の子達の文書群”でも悪しき星の子の事は言及されていない。寧ろ、何らかの知識を得て失踪した者を数える方が簡単だ。
 しかし、『王』について調べている友人達の一部は、伝承の断片から《ある時点から王が悪しき存在へと堕落し、王国の滅びを招いてしまった》という仮説を立てている。
「『王』と星の子に関する私の仮説と、『堕落した王』の仮説が本当だったら……私達も王のように堕落するかもしれないって事だよね……
 大精霊達は、星の子達の堕落を気に掛け、堕落した者は容赦せず罰するという。だが、そう語ってみせた捨てられた地の大精霊の願望は、如何なるものだろう。
 星の子が――例えば自分やネモが堕落し悪事を成したなら、何を思いながら罰を下すのか。
「本当、夕闇みたいに得体の知れない御方ね……
 あの荒れ地に散らばる無数の謎と同じ位、判然としない。
「あの目の輝きは……とても楽しそうに……試してるような感じがする」と呟いた時、ガーベラは書庫の玄関口に辿り着いていた。

 大鳴きを聞いて昇降機のある広間へ駆けつけると、念動力を使う仕掛け扉の協力者を求め、3人の影の子――ガーベラと火を灯し合っていない星の子が鳴き続けている。
「私も、ネモも……自分の為に誰かを傷付けたりはしない……しないように、しなきゃ」
 そう声に出して言い聞かせながら、ガーベラは蝶ケープを羽ばたかせる。
 困っている同胞を、助ける為に。

《了》