「てなことがあってですね」
「知らない人についてっちゃダメだよ?」
「落ちてたんで拾っただけっす」
「落ちてるもの食べないでね」
月島教授は俺のことを幼児だと思っているらしい。
アイアンクラッドを拾った話を聞いた感想がこれとは恐れ入る。
のんびりした顔で試験管を振っているのは、
月島壮一。
俺の大学の名物教授だ。たまにテレビに出たりとかしてる。
医師免許を持ち、週に何度かは病院で診察もしている多忙な人物だ。
それでいて月島教授の研究室は、国から補助金を受けている名門である。俺もそこにいる。
教授の専門は分子遺伝医学や遺伝子修復、細胞再プログラミング。
特定の遺伝子変異を修復し、正常な細胞機能を取り戻す技術
――がんの治療とか、そういうのだと思ってもらえばいい。
俺が最も世話になっている教授で、俺の異能力を知っている唯一の一般人である。
「一応薬は予想通りの作用を示しましたが、ミュータントに使った場合と一般人に使った場合の違いを知りたいんですよね。教授打ちません?」
「あはは。嫌~」
へらへら笑いながら断られた。かわいいおじいちゃん先生だ。
そりゃまあ人体実験だ、断られて当然だろう。でもほら、治験。これ治験だから。
実験の手を休め、月島教授は自分の腰をポンと拳で叩いた。
「ぎっくり腰になったら考えようかな~」
「月島教授、家庭菜園とか始めません? ガーデニングとか。自分が食べる分の畑耕すの楽しそうですよ」
「なんとか腰を痛めさせようとしないでね」
「教授の眼鏡って分厚いですよね。相当目悪いんじゃないですか?」
「うーん。今の祈くんが作った薬では、視力矯正までは望めないんじゃないかな」
「クソッ、この人俺より俺の薬に詳しいまであるもんな。騙せねえ」
「汚い言葉使わないの」
月島教授は遺伝子治療、俺は再生医療と、分野が似ている。
俺の卒論は自己幹細胞と再生誘導物質の応用。
俺の再生能力を「偶然発見された自己治癒遺伝子の作用」と偽り、「治癒促進物質の開発」という形で研究に落とし込んだ。
「いつかは若返りとかそっち方面までやりたいですけどね。とりあえずは足生やさなきゃ」
「あはは。おたまじゃくしの悩みみたい」
「動物実験、両生類まで対象にした方がいいんかな
……ミュータントの多様性考えると哺乳類からかけ離れてるのも多そうなんだよな。アイアンクラッドなんて金属部分多すぎて半分無機物みたいなもんだし。家の床抜けないか心配」
「女の子なんだからあんまり危ないことしちゃだめだよ」
月島教授は60近いのでジェンダー意識は昔ながらだが、悪い人ではない。
ともかく常に穏やかでにこやかなのがいいんだこれが。
診療には患者を安心させる必要があるから、そのあたりで磨かれたテクなのかもしれない。
「最近もほら、近くに不審者
……ヴィランだっけ。出たって聞いたよ」
「そんなんしょっちゅうじゃないですか」
「なんだっけな、ネズミ男みたいなのが出たって」
「コスプレじゃなくて?」
「街中でコスプレしてたらちゃんと不審者だよね」
「それもそうですけど、TPOをわきまえないコスプレイヤーとヴィランは同列ではないでしょう。危険度的に」
「どっちにしろ危ないことには変わりないでしょ~」
月島教授には俺がかよわい女の子に見えているらしい。
やってること割とマッドサイエンティストだと思うんだけどな。
ヴィランをモルモットにして、自分の細胞から作った薬の研究を進めたのは、かなり倫理的な問題がある。
俺だって自分がモルモットになるのは嫌だと思って、特殊能力を隠しながら生きているのだ。
自分が嫌なことを他人にやってはいけないという道徳の授業は受けたが、自分が嫌なことが他人にとっても嫌かどうかはわからない。
合意の上だったもんな。仁には選択肢なかっただろうけど。
「焦るのはわかるけどね~。お父さん若めだもんね? がんはなあ、若い方が進行はやいからなあ」
言われた通り、俺は焦りを感じていた。
薬の開発ってのは、そんなにすぐできるもんじゃない。
月島教授から多大な協力を得て、実験設備や資金の優遇をしてもらっても、まだまだ道は遠い。
大学に入ってからずっと取り組んできた。
もう3年だ。まだ3年なんだろう。
ひとりではなんともできない部分も多かったので、信頼できると思った月島教授を頼り、随分形になったが、それでも足りない。
俺の父は事故で片足を失っている。
俺はそれを取り戻したい。そしてそれには時間がない。
父はがんだと宣告された。俺はそれも治したい。
ライデンに母が交通事故で死んだ話の次、父ががんになった話をしようかと思っていたのだが、ライデンの気分がどん底になりそうだったのでやめた。
月島教授に興味を持ったのは、父がきっかけだ。彼は最先端がん治療の権威なのだ。
大学に入学した当初はのんびりしていたが、父のがん告知を受け、タイムリミットができてしまったのだ。
父に足を生やすだけなら、今の薬でも可能
……だと思う。
だが、がんは
……たぶん、無理だ。
今の薬をいくら発展させようが、がんを治すところまでいけるビジョンが見えない。
アプローチを変えて新しい薬を開発するべきか。だがそれには3年以上かかるだろう。
父のリミットが何年かわからない。
余命を宣告されたのかさえ知らないのだ。父はそこまでは教えてくれなかった。
俺も無理には聞かなかった。怖かったからだ。
具体的な数字になってしまうと、父の死が現実味を帯びてしまうような気がした。
とにかく、俺は急いでいる。
焦っている。今はこの薬に懸けるしかないと思っている。
それには俺の力では不足だ。このままでは、奇跡でも起きなければ薬は完成しない。
しかし、奇跡は待つものではなく起こすものだ。
超常の力にまつわる薬なのだから、もっと超常の力を使って発展させていくしかない。
俺は、本当に焦っている。
そりゃもう、道に落ちてるヴィランの手も借りたいほどである。
2
仁は体格通り、めちゃくちゃよく食うので食費が痛い。
鳥とか自分で捕まえて来てくれねえかな。バイトしてくんねえかもはや。
あんまり顔バレしてないしいけると思うんだがどうだろう。
やっぱ顔の傷が駄目か。俺もあれでアイアンクラッドだってわかったしな。
そもそもヤクザ顔すぎるから接客業は無理だろう。
金属操れるし建築方向なら大活躍なのにな。
社会貢献できる能力者なんて山ほどいるはずなのに、異端者を抑圧する社会がそれを許さない。
ともかく食費だ食費。
スマホで節約レシピを探さなければ、と脳内にToDoリストを作っていると、声をかけられた。
俺がいるのは大学内の校舎を繋ぐ道だ。道幅は狭く、すれ違うのがやっとだ。
そんな道をふさぐように、小柄な男が立っている。
「耳寄り情報があるでやんすが、買いません?」
俺にそう提案したのはネズミの耳としっぽを持つヴィラン、確か名前は
ネズミ男爵だ。
月島教授が言っていたネズミ男みたいな不審者って、明らかにこいつだ。
おい、大学内までヴィラン入って来とる。治安が。俺の安全地帯が。
今や俺は自宅にまでヴィランに入り込まれてんだぞ。入れたのは俺だけど。
雪狐と出会ったときにも見かけたが、ラットロードは戦闘向きの能力ではない。
大きな耳による超聴力と、ネズミらしいすばしっこさにより、情報屋のような立ち回りをしている。
それにしても。
「やんすってお前」
「キャラづけって大事なんでやんすよ、生き残るためには覚えてもらわなきゃならねえでやんすから
……」
俺には理解できない苦労があるようだ。
そういう人気戦略ってヴィランにもあんの?
情報を売るポジションだからなんかな。
リピーターをつくるためにいろいろ頑張っているのか。
ネズミ耳生えた中年男性ってだけでキャラ立ってると思うけどな。ケモナーにウケるんじゃねえの、知らんけど。
「情報屋ネズミ男爵、ラットロードの名で通っとりやす」
「情報を聞くまでその価値はわからず、情報を聞いた後では金を払う意味がない。お前どうやって情報売ってんの?」
「いいこと聞くでやんすねお嬢!」
「誰がお嬢だ」
「今後もご贔屓にしていただくために、初回無料サービスをやってるでやんすよ。これであっしの情報の価値を理解していただければ次からはご購入いただいて、無価値だと思えば次回からあっしのこたぁ無視していただいてかまわねェでやんすから」
「あっしってお前」
「やんすっつったらあっしでしょうよ」
そうなんか。
俺はラットロードをヴィランとして聞いていたが、話が成立するあたりそれほど脅威を感じない。
暴力的な要素も未だなく、しかし裏社会の臭いはぷんぷんする男だった。なんか薄汚れてるし。
「初回無料っつってもなあ。解約しないと一か月後には勝手に金引き落とされてたりする?」
「そんなサブスクできるならおいらもっと儲かってるでやんす」
「おいらになってるぞ」
「しまった」
やんすっつったらあっしじゃなかったんか。
しばらく口を閉ざしたのち、ラットロードは付け足した。
「
……でやんす」
「お前結構面白いから話聞いてやるよ。ヴィランとはいえ、俺はお前に傷つけられたこともねえしな」
「おお! そりゃ嬉しい! でやんす!」
耳をぴくぴく動かしてラットロードは喜んだ。
ラットロードによる、やんす口調の自己プロデュースは成功だ。
だってなんかおもしれえんだもん。もうちょい話聞きたくなるわ。
「ヴィランたちのボス、デルタの目的についてお話しできるでやんすよ」
「えー? それはあんまそそられねえな」
「えーっ! テレビはデルタの目的を推測するので持ち切りでやんすけどねえ!?」
「何が目的だろうがやってることが悪党なのは変わんねえし、理念に共感できようができまいがアイツのやってることは止めなきゃいけねえ。だから聞く意味もねえよ」
「ははあ
……」
ラットロードは妙に感心したような声を出した。
「それがいいでやんすね。聞いたらお嬢でもデルタについて行きたくなっちまうかもしれねえ」
「デルタって洗脳の能力でも持ってんの?」
「どうなんでしょうねえ。あっしはありゃ、ただの
カリスマってやつだと思うでやんすが」
カリスマ。
数々のヴィランたちをそそのかし、まとめあげているのだから、口はうまいのだろう。
ま、そのほうが助かるか。
ヴィラン全員を洗脳して支配してる異能力者だったら、ちょっと強すぎて勝てるか不安になってくる。
「これは情報ではなくただの雑談として聞いてくだせえ」
そう前置きして、ラットロードは語り始めた。
「デルタが次々に異能力者を抱え込めるのは、はぐれ者たちにこう吹き込むからでやんす。『我々は特別な力を持った新人類だ。旧人類を滅ぼして、世界の段階を進めよう』ってなもんで」
「選民思考、世界征服、めちゃくちゃテンプレ悪の組織じゃん。大した謎でもねえ」
「本人から聞くとすげえんでやんすがねえ~っ! あっしの力ではこんなもんで!」
ラットロードは悔しそうだ。
もうちょっとリアクションしてやればよかったかもしれない。
「で、お前はデルタの考えに共鳴するやつらを集めるためにこうして声かけてんの?」
「いやいや、そんなタダ働きしやせんよ。世界がミュータントだけになろうが、そいつらが金くれねえなら意味ねえでやんすから」
素晴らしい思考だ。金という唯一の指針からブレない、潔い守銭奴。
デルタの選民思想より、断然こちらのほうが共感できる。俺は資本主義で育った。
「あっしもアンタを気に入ったんで、次回に売ろうと思ってた情報を教えるでやんす
――お嬢、デルタに狙われてるでやんすね」
「あ?」
「次に暴れる予定のヴィラン、フラックス。こいつは液体と同化できるでやんすが、デルタからの指示でお嬢
――片桐祈を狙うことになっている、と言っとりやした。殺してもいいので適当に痛めつけておけ、という指示があったと」
「はあ~?」
なるほど。
ラットロードがなぜ俺に声をかけてきたのか不思議だったのだ。
俺に特殊な能力があるという前提ではなさそうだった。
俺はラットロードの目の前で雪狐によって氷漬けにされているため、そう思っていても不思議ではなかったが、再生能力について彼はついぞ口にしなかった。
デルタの標的。
そうなりゃ俺に話しかける理由は充分だ。
俺からも情報を取れる。デルタが狙う謎の女はどんな人物なのかと。
「何が目的だろうがやってることは悪党なので考えても仕方がねえ、でやんしたね?」
ラットロードは、俺がデルタについて言ったことを復唱した。
情報屋をやっているだけあり、記憶力はいいようだ。
「その考えが気に入りやした。情報売ってるとみんななぜなにうるせえんでやんすよ。あっしが知ってるのは事実だけ。そっから推測すんのは情報を買ったやつらの仕事だ。お嬢、アンタならあっしの情報をうまく使ってくれそうでやんす」
やはり、やんす口調のプロデュースはうまくいっている。
抜けたところのあるカワイイヤツ、という認識だったが、ちゃんと小賢しい。
ラットロードは、なぜデルタが俺を狙うのか、俺に質問させなかった。
情報を売るが、そこまで考えるのはあっしの仕事じゃねえでやんすよ、というわけだ。
一方で、事実を教えるだけ、という商売方法には共感する。
情報を売るのなら、推測を挟まない方が精度が高い。
情報をねじまげて伝え、人々を思うように動かす、などという野望は持っていないということだ。
こいつを信頼したいという気持ちになってきたな。
どこまでが商売上手のやり口なのか、今後見極めていくとするか。
ラットロードは揉手した。
「ついでに駄賃も弾んでくれると嬉しいんでやんすがねえ~」
「俺は奨学金借りてる苦学生だ。あんま無茶言うなよ。ドーナツ無料券ならあるぞ」
「やりい!」
それでいいんか。俺は財布から取り出したクーポンを渡した。
ヴィランらしく財布を奪って逃げてくかと思えば、別にそんなこともない。
ラットロードは心底大事そうにドーナツ無料券を懐にしまった。
「いやあ、無料って自分がやるにははらわたを引き裂くような思いでやんすが、人から無料って言われると小躍りしたくなるんでやんすよ」
「ちょっとわかる」
「ま、おいら目立つんで、たぶんこの券は使えねえんでやんすがね」
ラットロードは軽く言ったが、これは重い発言だ。
見た目が変質するタイプの能力者は、相当に生きづらいだろう。
俺や幸也のように見た目が普通の人間ならば、黙っていれば一般人として生活できる。
雛のように頑張れば擬態できるタイプも、なんとか馴染める可能性はある。
しかしラットロードのように常に耳やしっぽが生えていれば、異常であることは一目瞭然だ。
彼がこれまでにどうやって生きてきたのかはわからない。
人間らしい生活を送って来れたのか。路地裏でネズミのように生きてきたのか。
同情する余地は充分にある。こいつの人生は俺のものだったのかもしれないのだから。
異能者、転生者として、そう思わざるを得ない。
「交換してきてやろうか?」
「ええっ!? いいんでやんすかぁ!?」
俺の提案に、ラットロードは顔を輝かせた。
こうして見るとかわいく見えてくるな。薄汚れた中年男性への感想とは思えねえが。
でもネズミだと思えば、うん。
動物が汚いのは当たり前だ、必死で生きているのだから。
「チョコかかってるやつがいいでやんす!」
「いいよお」
うん、かわいい。
世界的キャラクターもネズミだしな。げっ歯類っていいな、癒し成分がある。
「一緒に行くか?」
「本末転倒でやんすよ」
「んじゃここで待ってろ」
ドーナツデートは断られたので、一人でドーナツ屋に向かう。
クーポンを使ってドーナツを1つ貰い、俺も自分用に1つ買った。
無料って言われてもどうせなにかは買っちゃうんだよな。それを狙ってのクーポンなんだろうが。
ラットロードの商法と同じだ。まずは無料でお試し、気に入ったらどんどん買ってねってこと。
ドーナツを食べながら大学に戻る。
逃げているかもと思ったが、ラットロードはその場にいた。
足が速いと聞いているし、なにかあればすぐに逃げられるのだろう。
雪狐からも逃げおおせてるわけだしな。俺は雪狐から逃げられなくて氷漬けにされた。
しかし足が速いってライデンの特技と被ってるな。
やはりスピードなのか。
こいつは攻撃能力を持っていないようなので、スピードだけでは駄目なんだろう。
俺はちまちまとドーナツをかじるラットロードを見て、いつかペット飼うならハツカネズミとかハムスターがいいかもな、と思った。
中年男は飼いたくない。
いや今自宅にいるんだけど、ギリ中年になってないくらいの男は。
流石にな〜、2人目はな〜。
仁も2号がくるなら出ていくと言っていた。
薬を打って以降体調に問題はなさそうなんだが、もう少し経過観察しておきたいんだよな。
「俺にもっと金があって、住んでる家も広かったら、ウチ来る? って言ってやれんだけどな」
ラットロードはぎょっとした。
喜ぶところだろ、ここは。俺は一応美少女で通ってんだぞ。
「随分お人好しなんでやんすねえ、お嬢」
「せめて風呂入ってくか? 接客業に清潔感は大事だぞ」
「水は苦手でやんす」
「苦学生だが流石にお湯は出る」
「温度に関係なく濡れるのが嫌いでやんす」
「最近多いよな、風呂嫌い。これもスマホの普及が原因なんかね。水場だと使いにくいもんな」
「そういう現代っ子みたいな問題でなく、動物的な特性でやんすねえ。猫や犬が洗われるの嫌なのと同じでやんすよ」
「犬や猫と自分を同列にするの、かなりおこがましいぞ」
「あっしはネズミでやんす」
「
……ギリおこがましい」
「ええ!?」
ラットロードはのけ反って驚愕した。
なんて言ったらいいかな。言葉を考える。
「会話が成立してるんだから、俺はお前を人間だと思っている。お前がネズミの言葉を話せるなら、ネズミたちにとってお前はネズミなんだろう。だが俺にはネズミ語を理解できず、お前がチューチュー言ったところでチューチュー言ってる中年男だ。俺はお前を人間として尊重したいと考えているが、不満か?」
ラットロードは食べかけのチョコドーナツを取り落した。
呆然としながら拾い上げ、再びドーナツをかじる。おい。衛生観念。
拾ったもん食うなよな。胃袋もネズミのように強いのだろうか。
だったらいいのか? どうなんだ?
ラットロードが、ネズミから人型に変化したタイプのミュータントであれば、人間扱いは不服だろう。
人間っぽいネズミか、ネズミっぽい人間か。これは大事な問題だ。
ネズミ最高! 人間はカス! と思っているのなら、俺の対応は屈辱的なはずだ。
まあ俺もネズミ最高! 人間はカス! という気持ちはちょっとわかる。
人間って体毛がないからキモいよな。いやでもハダカデバネズミはかわいいな。
やっぱ人間って人間なだけでカスだな。人間以外に転生したかったわ。
「
……また会いたいと思った人間は初めてでやんすねえ。長生きしてくだせえよ」
「お前もな。寿命は人間とネズミどっちに近いんだ? 人間に近いと良いな、俺もまた会いてえし」
そう言うと、ラットロードはチチチッと鳴いた。
だから俺にネズミ語はわからんて。なんて?
カクヨムで加筆修正したものを連載中です。
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