ボツネタの小話

シナリオネタバレなし

書きたいとこだけ
自陣聖.杯.戦.争 狂と騎による決戦……?




「は?」


 間の抜けた声を漏らしたのは、オレの前で不敵に笑っていたバーサーカーだった。ソウゲツの右手に刻まれていた赤が、一際強く輝いて消える。同時、ライダーの持つ拳銃がライダーの頭を向いた。見開いたその目から、驚愕と絶望が伝わってくる。


 バーサーカーが手を伸ばす。
 ライダーが口を開く。
 オレは動けず、ソウゲツは動かない。


 地下空間に鳴り響く銃声。地面に吸い込まれる鮮血と、その上に倒れ伏すライダー。その骸をバーサーカーが抱えるより先、それは輝きの粒子となって失せていく。バーサーカーの絶叫が耳を貫く間も、オレはソウゲツの顔を凝視していた。彼は何もなくなった右手の甲を一瞥して、オレに向かって微笑む。

 ライダーは敗退した。戦いで死ぬこともなく、言葉を欠片も遺せないまま。それは英雄という戦士にとって、一体どれだけの屈辱になるのだろうか。凡人である自分にはとても想像できない。


「これでオマエの勝ちだ、カンジ」


 喉に詰まった音が、空気となって口から吐かれる。ピクリとバーサーカーの肩が揺れた瞬間、息が止まるほどの殺意が場を満たした。それは本能、咄嗟の行動。バーサーカーにとっては最大にして最悪の命令。


止まれ・・・バーサーカー!」


 伸ばしたオレの右手の上で、令呪が赤に輝く。しまったと思った頃には、既にバーサーカーはソウゲツに銃口を向けて荒い呼吸を繰り返していた。ソウゲツは至って冷静に、令呪で拘束されたバーサーカーには目もくれずオレを見ている。行き場所を失った右手は、さながらソウゲツに向けられているようだろう。