町外れにある洞窟から繋がる、広くて深い地下空間。最奥の台に鎮座したのは、美しい黄金の器。バーサーカーのマスターであるオレは、それが万能の願望器であることを理解できている。それは離れた場所で自分とバーサーカーに対峙する、ライダーとそのマスター……ソウゲツも同じだろう。
「分かってるなエル。
いや、エルディ・アイザック」
「分かってるよアル。
いいや、アルドア・シュトラウト」
バーサーカーが、ライダーの名を呼ぶ。
ライダーが、バーサーカーの名を呼ぶ。
二騎は向かい合い、互いに笑みを見せる。旗と拳銃を構え、赤と緑は決戦の地を定めた。今から行われるのは、最愛の恋人との戦い。それはオレたちマスターにとってもだし、サーヴァントたちにとってもそうだ。絶対に譲れない矜持、引き下がってはいけない結末。
「バーサーカー、任せてええんやな」
「当然。アイツはオレが必ず仕留める」
「マスター、魔力を回せ。これで終わりだ」
「ああ、そうだなライダー」
手を抜くことはできない、全力を超えてもらわなければ困る。ライダー越しにソウゲツを見た。彼の蒼い瞳が、オレのそれとぶつかり合って交差する。これから始まるのは、醜い死闘ではない。オレの、オレたちだけの聖杯戦争。
確固とした意思で、オレはソウゲツに向かって頷く。同じように頷いたソウゲツは、右手を前に差し出した。手の甲に宿った主人の証が、神秘と覚悟で赤く煌めく。
彼も覚悟を決めている。ならば自分もそれに応えるべきだ。いや、その覚悟に応えたい。湧き出る衝動に逆らわず、オレも令呪を掲げて告げる。
「「令呪を以って命じる」」
これが最後の戦い。オレは舞台を整えるべく、バーサーカーへ激昂の言葉を────
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