つきのせ さぶろく
2025-05-22 02:04:09
1956文字
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黛に密やかに

ホテルアンデルセンへようこそ現行未通過❌ 同卓もまだ❌かも。

 私の大切にしていたものはどうしてもこの手から抜け落ちてしまうらしい。それがたとえ自分の体だとしても、失われるその時はあまりにも唐突だ。
 風に散る灰の香りはいまだに頭の中から消えていかない。風に巻き上げられたカラスの羽も瞼の裏から消えない。偽物の影でも、最後の表情は焼きついてしまった。
 本当は、美しい思い出だけを心に残しておきたかったのに。