riririnf
2025-05-08 23:56:57
8486文字
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白雨のカノン

4/22~4/24にかけて連載したリレー小説です。
1ページ目:溶けかけ。様(@haiiro1714)執筆
2ページ目:ノア様(@1044974)執筆
3ページ目:り執筆
※お二方に掲載許可は頂いております。


……そろそろ行かなきゃ……
 暫く机に突っ伏していたフリーナだが、ヌヴィレットを待たせている事を思い出し、立ち上がる。
先ほどヌヴィレットにされた鎖骨へのキスのせいで未だに頬は熱いままであるが、これ以上ヌヴィレットを待たせる訳にもいかず、慌てて昇降機に乗り込んだ。
下に降りるとヌヴィレットがいた。
「お待たせヌヴィレット」
……
 ヌヴィレットは何も言わず、フリーナを見つめる。
「ヌヴィレット、僕の顔に何か付いてる?」
 ずっと見つめられていたたまれなくなり、フリーナはヌヴィレットに尋ねると、彼は首を横に振る。
「いや……なんでもない。嵐が来る前に行こう」
……そ、そうだね」
ヌヴィレットが前を向き歩きだしたのでフリーナもついて行く。
 パレ・メルモニアから外に出ると、冷たい冬の風がフリーナの頬を撫でた。
先程まで降っていた雨は今は上がっているが、空はどんよりと暗く、いつまた雨が降るのか分からない状態である。
二人は無言のまま、フォンテーヌ挺を歩き、フリーナの家に向かう。先程ヌヴィレットからされた鎖骨へのキスのせいもあり、フリーナはヌヴィレットと何を話したらいいのか分からなくなっていた。
 そうして無言のまま隣り合わせで歩き、ヴァザーリ回路に差し掛かった時である。
はらりと白いものがフリーナの目に止まった。
……雪だ」
「そうだな……
「雨季の時期のフォンテーヌに雪なんて珍しいね。綺麗……
 空から降り注ぐ雪は幻想的で美しく、フリーナは手を前に出す。すると空から落ちる雪がフリーナの手のひらに乗り、そして水に変わる。
それを見たフリーナは、手を握り胸の前に持ってくる。
「フリーナ?」
 ヌヴィレットがフリーナを呼ぶ。だが、フリーナは何も答えず、そして、ゆっくりと歌を紡ぎ始める。
「ラ〜ラ〜ラ〜♩♩」
 フリーナが歌う歌は最近フォンテーヌで流行っているラブソングであった。
一人の少女が恋した男性に告白するまでを書いた歌詞はフォンテーヌの女性の心を虜にしているとリオセスリから聞いていたが、確かにとても美しく素敵な歌だと思う。
ヌヴィレットはフリーナの美しい歌声に耳を傾けながら、空から降り注ぐ美しい雪を見つめ、胸の中に沸き起こる彼女に対する熱い想いをどうしたらいいのかと悩むのであった……