かなざわ
2025-05-06 23:24:19
18052文字
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君は愛されているよ よだつか版

芽衣子生存、司の下宿先が鴗鳥家になるIf
タイトル通り、よだつかを成立させるならを考えてみました。あらすじとプロットと会話文とメモのちゃんぽんです。
ノーマル版を読んでいる方は2ページ目からどぞ。3ページ目は番外編的なもののメモです。


【その後】
夜鷹、司との関係が落ち着いてから「現役時代に司が僕の前に現れていたら、今とは違ってたかもしれないね。でも、君の恋人になれない自分は絶対に受け入れられないから、これが一番の最適解だったのかな」とか言ったりすると思います。

【その後・加護家と】
司と加護家は変わらず交流を続けています。
司のスポンサーとして大々的にサポートをしていた耕一の会社は業績が大きく伸び、規模も大きくなりました。
芽衣子の容態も落ち着き(たまに検診に行くが経過は良好)、羊と一緒に司を応援しています。
オリンピックは家族全員で観戦しに来ており、金メダルが決まった時には耕一・芽衣子が号泣し羊が「二人とも涙拭かないと司くんが見えないでしょ!」と慰めたエピソードがあります。

【その後・司】
司のその後は、22歳でオリンピック金メダルを獲得した後に現役を引退。
メディカルスポーツトレーナーになるために専門学校に通い始めます。原作でいう美蜂先生ポジションですね。
これは現役時代に愛西ライドFSCの五里誠二コーチ(時期的にこの頃はアシスタントコーチかもしれない)の言葉の影響を受けてのものです。
怪我をさせない、成長期の体形変化を越えて選手としての競技人生を終えた後も健やかに過ごせる手伝いをしていく、そこに深く共感を覚えた結果としてその道を目指しました。
金メダリストである自分がそういう話をしていくことで、世間がもっと成長期のエネルギー摂取や体作りに関心をもってくれたら、と考えての選択です。
ただし現役時代の競技をとても評価されあちこちからアイスショー出演の依頼が来るので、厳選して出てもいいかなと思えるショーに時折出演してはいます。

【その後・夜鷹】
夜鷹は、光のコーチを影ながら続けています。本人の希望もあり表舞台への露出はしないままです。
光への指導に対しては、司が勉強中のメディカルスポーツトレーナーの知識を使ってのサポートをすることもあり怪我や故障もなく順調に進みます。
司と滑ったことによりアイスショーの依頼は増えますが、それを受けることはありません。
ただ、司とエキシビションプログラムを製作した時の充足感があり、ごくたまに振付を提供するようになります。ここでは名前を隠していないので、今度は振付の依頼が殺到するようになります。しかし夜鷹は自分がプログラムを提供してもいいと思った相手にしか振付を作りません。

夜鷹の作るプログラムは、実際に滑ってみせるのは司(目の前でも映像でもどちらでもいい)なのでスケーターたち垂涎ものになりそうです。
夜鷹としては自分の作った振付を踊る司が見られるし、司は色々なプログラムを演じられるのが楽しいしでWin-Win。

夜鷹振付プログラム、スケーターたちの憧れではあるけど、実際に滑ると選手の限界ギリギリ常にフルスロットルでの技術解放を求められるので実際に滑る時は「鬼だ!」っていわれます。
ただ無理を強いるのではなく、その選手の実力を見極めて出来ないことはやらせない絶妙なプログラムを作るので、それを滑れるようになる頃には選手の実力が底上げされるという。

【その後・理凰】
理凰も14か15くらいで夜鷹振付のプログラムをもらいますが、最初に通しで滑り終えた時は息を切らしてリンクに大の字で寝転がるレベルの鬼プログラムでした。執念の男・慎一郎の息子であり司の甥っ子(ではない)を自負する理凰は周囲も驚く早さでそのプログラムを自分のものとし、その後メキメキと頭角を現し男子シングルスケーターの代表格となっていきます。

純にプログラムを送られた理凰、猛練習中に司にも付き合ってもらっていて。
司が「汗拭かないとダメだよ」って家族特有の近い距離でタオルで汗を拭ってきた時にふっと(司くんがあのまま家にいてくれたら、好きになってたかもしれないな)って思ったりするかもしれません。
この時の理凰は司が純をどれだけ大切に思っているか知っているし、純に対しても懐くまではいかないけどスケーターとしての実力は認めている状態。
司への感情は恋にはならなかったけど、大事な家族である事実は変わらないし、家族であるからこそ許された距離感もある。
「司くん、アイツと喧嘩したらうちに帰ってきなよ。俺、父さんと違ってアイツを出禁にするくらいは出来るから」
「理凰さん、カッコ良くなっちゃって。じゃあ、そんな日が来たら頼りにしてるね」
なんて会話をしたりするんじゃないかな。

【その後・夜鷹の振付、補足と光のアシスト】
夜鷹が振付を作ってもいいかな、と思ったのは理凰にいつか自分の振付を送ったら喜ぶかなと考えたのがきっかけです。
理凰から司へは「俺は司くんの甥っ子(のようなもの)」という感情がありますが、夜鷹に関しては彼の威圧的な雰囲気やルームシェア開始当初の「司くんを家からさらっていった相手」という意識があり未だにそんなに好きな相手というわけではありません。
ファンブックにあった「夜鷹は理凰に嫌われている自覚がない」というすれ違い設定が好きなので、この世界でも感情のズレがあります。

ただ、振付を考えたはいいもののそれをどう伝えればいいのかという問題がありました。
夜鷹は極力他人と関わりたくない、そもそも人に事細かな指導が出来るタイプではありません。
しかし指示書のようなものだけでは夜鷹のプログラムを完璧に相手に伝えるのは困難な為、このまま八方塞がりになるのかと思っていました。

顔には出さないけどコーチが悩んでいるのを感じ取った光が事情を聞き出し「そんなことで悩んでたんですか?司さんに滑ってもらえばいいだけの話なのに!」と発言し、夜鷹は司に自分の振付を滑って伝えてほしい旨を持ち掛けます。(幼い頃は理凰を真似て司くんと読んでいた光ですが、成長する過程で呼び名を変えています)
司は快諾し、いつか理凰に伝えるために、とプログラムを作ります。ちなみにこのとき問題解決して嬉しかったことと、慎一郎くんの息子だしこれくらいは大丈夫だよね、の勢いで作られた理凰用のプログラム、夜鷹が作った中でも最高難度の鬼プログラムになりました。

【番外編・いのり】
司18歳、実叶11歳、いのり3歳
名城クラウンFSCホームリンクにて

幼いいのりは姉の実叶のスケートをリンクサイドで見ているのが好きで、よくついてきていました(38話参照)。
ある日の練習中、実叶が顔面から転び鼻血を出してしまいます。母が医務室に付き添いで向かおうとすると、いのりが何故かリンクの手すりを握ったまま離さず、泣き出してしまいます。
慌てている実叶の母に「あの、俺でよければ見ていましょうか?」と声をかけたのが司。ホームリンクが調整で点検で休止されており、名城クラウンに練習しにきていました。
司はこの頃にはシングルスケーターとして顔と名前が周囲にだいぶ知られており、実叶母も知っていました。戸惑う実叶母に「リンクの端の方にいます、危ないことはしません。実叶さん、出血して驚いてると思うのでついててあげてください」と後押し。
司は、いのりの目がリンクをずっと見ていることに気づいていました。まだ自我もあやふやな小さな子が、きらきらとした目で白いリンクを見ていることに嬉しくなり、司はいのりを抱き上げるとリンクの端の方をゆっくり滑ります。いのりは高い景色にも滑ることにも物怖じせず、きらきらと目を輝かせたままでした。

実叶の血が止まり、帰宅する為にいのりを迎えにリンクサイドに戻った実叶母が見たのは、司に抱えられて楽しそうに笑っているいのりでした。
内向的で人見知りの激しいいのりが初対面の相手にだっこされて笑っていることに驚いていると、実叶母に気づいた司がリンクサイドにやってきます。
「実叶さん、大丈夫でしたか?」
「ええ、ただ今日はもう帰宅することになって……
「そうなんですね。ああ、妹さん、ずっといいこでしたよ」
司からいのりをだっこで渡され、実叶母は驚きながらも頭を下げます。
「ありがとうございます」
「妹さん、リンクが好きなんですね。俺が滑ってるとすごく嬉しそうにしてて。目がきらきらーってしてました」
そう告げる司自身もまた嬉しそうに笑っています。スケートを好きだと思ってくれる人がいるのが嬉しい、そんな思いが伝わってくるような笑顔です。
「あの、この子、いのりです」
「いのりさん。リンクに乗れる年になるのが楽しみだね。それまでスケートを好きでいてね」
いのりに話し掛けながら、司はいのりの頭を優しく撫でました。
いのり自身は幼すぎてこの出来事を忘れてしまいますが、実叶母は覚えています。
実叶が小6で骨折し、いのりが幼稚園の集団生活に馴染めずにいて大変だった時にふとこの出来事を思い出します。
骨折でスケートをやれない実叶がいるのにと悩みつついのりをリンクに連れていくと、今まで見たこともないほど真剣で楽しそうな顔を見せていました。
司の言っていた「目がきらきらしてました」という言葉を思いだし、いのりの心の安定に繋がるなら、と「いのり、スケート……やってみる?」と問いかけます。
いのりはもちろん笑顔で「やる!」と答えるのでした。