饂飩粉
2025-04-16 12:52:19
10322文字
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木漏れ日の下で

 ハートキャッチプリキュア!の、月影ゆりと来海ももかのGL二次創作です。
 以前pixivに投稿したものをこちらに再掲しています。
 アニメ本編終了後の後日談的な位置付けなので、ちょいちょい本編終盤の言及が入ってますがガッツリネタバレというわけではないはず……。





 友達をたくさん作りたい。

 高校生でモデルをやっているだけで、クラスメイトは距離を置いて接してくる。

 たまに話しかけてきても、写真とか、サインとか。どんどん作り笑いが上手になっていくだけ。
 妹のえりかには、たくさんの友だちがいるのに。
 そんな寂しさと妬ましさが一度、爆発したことがある。爆発は私の心を怪物に変えて、町を暴れ回った。

 最初は、悪い夢だと思っていた。

 でも、違った。夢じゃなかった。

 暴走した私の心を鎮めてくれたのは、プリキュアだった。
 そして今、私の肩に頭を乗せてるゆりは、多分――いや、絶対にプリキュアだ。
 私を助けてくれたプリキュアとは別人だと思うけど。


 けれど、そんなことがどうでもよくなるくらい、ゆりが近くにいる。

 ゆりの髪の感触。普段使っているメイクブラシよりも柔らかい。私とは違うシャンプーの香りが、ゆりとの距離の近さを余計に感じさせる。

 友達が少ないことを悲しんでいた自分が馬鹿らしく思えるくらい、いつも傍にいてくれた。

 私の趣味に付き合ってくれて、一緒に遊びに行ってくれた。

 文化祭では二人でファッション部のモデルを務め、ママのお店の海外進出をきっかけにパリにも旅行に行った。

 今もこうして、隣にいてくれている。

 ゆり、私、友達をたくさん作りたいって思ってたんだ。

 でもこうしてゆりと一緒にいると――ゆりを近くに感じていると、友達なんていらないって思えてきちゃう。私にはゆりがいてくれれば、それでいいって。

 こんなこと、絶対に言えない。それは呪いだ。ゆりを縛り付けて閉じ込めようとする呪い。

 いっそのこと呪ってしまいたくなるほど、私はゆりのことが好き。それが友達として好きなのか、もっと別の意味で好きなのか、まだ答えは出せてない。

 とにかくあと一年も残っていない高校生活を、一秒でも多くゆりと一緒に過ごしたい。

 私は高校を卒業したら、パリに行く。ママのお店の海外オープンと同時に、私はモデルとして世界に挑戦する。まずはママのブランドのモデルとして、それから世界中のブランドの服を着て、世界中のファションショーのランウェイを歩く。

 そしていつか必ず、この希望ヶ花市に帰ってくる。
 ママと同じようにモデルからデザイナー――いや、モデル兼デザイナーとして新しいブランドのお店を立ち上げてみせる。

 そこできっと、ゆりに再会できる。私はそう信じてる。

 だから今は、ゆりの匂いと、暖かい木漏れ日を感じながら、魔法を解くチャイムが鳴るまで、目を閉じていたい——