Privatter+
Font
Serif
Sans Serif
Color
Light
Dark
auto
Font size
Large
Medium
Small
Language
Japanese
English
Sign in with Google
Sign in with ID and password
Account ID
Password
Sign in
Forgot password?
Create account
河童の皿箱
2025-04-02 09:50:34
29652文字
Public
遊戯王:長め
Clear cache
Export ePub
デュエルってなんなんだ?
仮想デュエル。と、それをするまでの話。
オリキャラが主役。特殊設定多数。
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
校長の長話に舟をこぐ学生が続出したり、特段の感情もなく素晴らしい校歌を歌い上げたり。そんなこんなで昼時になり、千寿はおにぎりひとつをほおばった後、教師陣の下へと赴いた。進級試験のデュエルで使用するデュエルディスクを、手出される受験票を見ながら、これから受験する子たちに渡して、貸し出し状況を記録し、受験が終わった子たちから回収して、記録し、また渡して
……
。デュエルディスクは高価なものなので、とにかく、間違いがないように慎重に、けれど素早く繰り返していく。
デュエル試験は、グラウンドやデュエルホールで行われる。1デュエルの制限時間は30分で、教師陣は試験官として駆り出されるため、その間に生徒会が受験の準備をしなくてはならなかった。「生徒会って大変なんだな」とか、「試験に生徒が手伝いってマジ?」とか、「あの先生何考えてんだよ」、なんて声が時折聞こえてくる。「生徒会の一存で成績が決まるかもしれない」、と不安を覚えては広げる人もいる。だからこそ、千寿は与えられた仕事だけを黙々とこなし続けた。
そうして、ようやく最後のひとりに渡す時が来た。時計の針は17時を指しており、ほんのわずかな気の緩みが生じた。目の前に、受験票を持った最後の学生が立った。その姿に、千寿はつい、「あ」、と。
紐で結んだ黒髪が。不安げな顔をした学生が。『グロウル・スピリッツ』のキーボードが。
……
ずっと話していない幼馴染が、目の前にいる。海霧朋克、彼もまた、目の前に立つ千寿に気づいて、気まずそうに目をそらした。
「っ
…
。受験番号、151番。
……
よし。はい、試験用デュエルディスクです。試験会場は、デュエルホールのAコートです」。「
…
はい」。会話とも呼べないやり取りを経て、彼の、背中を見送る。
“こんなタイミングで、会うなんて。”
朋克は何も言えず、足早に去った。受付の彼女は、確かに、千寿だった。覚えていたよりも綺麗になっていて。でも今は、試験に集中するべき時だ、と言い聞かせる。
デュエルディスクを慣れないながらも腕につけ、腰のデッキケースをかしゃっと開いては、調整と確認を重ねたデッキをセットする。メンバーたちは皆、先に試験を終えている。多分、見に来るだろう。彼女は、千寿は、来るのだろうか。忙しそうだったから、どうだろう。
デュエルホールの重い扉をぐいと押して開き、指定のコートへと到着する。対する教師は
……
デュエル科目の講師だった。それよりも、目の前に広がる景色は、朋克にとって予想外だった。観衆が、あまりにも多すぎる。見渡す限りの人、人、人。なんでこんなに、と怯むもつかの間。「海霧のデッキ、何デッキなんだろう?」、「今までデュエルしてるところ、誰も見たことないんだって」、「『グロウル』のデュエルなら、見に行くしかないっしょ」、「醜態見せたら晒してやろうぜ」、と。否応なしに聞こえてくる声は、この状況の原因を雄弁に教えてくれた。期待、好奇心、嫉妬、嫌味。あらゆる方向から聞こえてくるそれが、朋克の身に突き刺さっては、その胸の内の渦を大きく、大きくうねらせた。
「おやおや、随分とご観衆が多いようで」。講師はニタニタ笑う。「ですが、試験は試験。手加減は致しませんよ? ところで
…
デッキはお忘れではありませんね?」。講師の質問に、朋克は左腕のディスクを掲げた。「あります」、と。それを見て、「結構。それでは、試験を開始いたしましょう。試験時間は30分。
…
ふむ。せっかくワタクシがお相手しますからぁ? 勝敗のみならず、デュエルマナーが問題ないかも採点対象とさせていただきますよ。なにせこれは、あなたのキャリアにかかわる、大切な、大切な試験ですからねぇ?」。
……
そんな追加ルール、聞いていない。朋克は反射的に吐きそうになった悪態を急いで飲み込んだ。講師がディスクを展開するのに合わせ、朋克もまた、ディスクを起動する。
[起動シークエンス、開始]
[ディスクコネクト
――
エンクロージャー『カンタイル』に接続
…
完了]
[アカウント認証
――
受験番号151番、海霧朋克。試験官、ソジラ・エティクェッテ]
[サモンルート探索中
…
]
無機質な声は、デュエル開始までのカウントダウンのよう。観衆のざわめきが、より強まっていく。朋克の内側の言いようのない気持ち悪さも、また強く。
Aコートの中空に小さな小さな空間のねじれが発生し、泡のように消える。それと共に、コートを覆う半透明の幕が現れた。
[エフェクトバリア、展開
――
完了]
[サモンルート、探索完了]
[起動シークエンス、完了。デュエルスタンバイ]
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
Reaction
If you make a mistake, you can cancel it by pressing the reaction.
Custom color
Reset color
広告非表示プランのご案内