sousakuyamamusume
2025-03-04 13:36:26
1834文字
Public 一次創作
 

赤と白(心が読めるようになっちゃったやつ)

魔法の暴発事故で心が読めるようになっちゃったやつ

ロッソの場合

 実に不運な一日だった。
 戦時中ではなくなったにせよ、騎士団長であるからには各部隊の視察も仕事のうちだ。そして、魔法部隊を視察していた際に事故が起きた。
「ロッソ様!申し訳ございません!!」
 実に憔悴した様子で私に謝罪する彼だが、私には彼の内心が見える。『死にたくない』の一心で染まりきった、彼の内心が。そんなに怯えずとも殺さないのだが、実に心外だ。
 そしてその事故により魔法が意図せぬ効果を発揮したらしく、私はあらゆる人間の内心が読めるようになった。
「コンティ公におかれましては益々ご活躍のようで」『こいつさえいなければ俺の意見ももっと通るのに』
「朝からあんなことがあっても働かれるお姿は流石です」『男を抱き込んでるなんて妙な奴、法律で禁止されてないからって』
「貴方様のご意見により我が国も益々発展することは決まりですな」『若いくせに生意気な』
 わかってはいたが、私には味方が少ない。そんな状態で内心が読めたところで、疲れるばかりだ。
「ロッソ?昼飯?」
 聞き慣れた声に、弾かれるように顔を上げた。そして、そこで初めて私が俯いていたことに気がついた。
「ヴァイス?」
「どうかしたのか?」『顔色が悪いが風邪?いや、疲れてるだけか?ちょっと休んだら……って言っても聞かねぇよな……

……お前だけだ、私を心の底から案じてくれるのは。」
「待て待て待て待てどうしたんだロッソ。」
「午前中に魔法の暴発事故があってな……人の心が読めるようになった……つかれた……
「休めよその時点で。読まれて恥ずかしいこととか考えてないし僕。」