sousakuyamamusume
2025-03-03 23:48:30
2072文字
Public 一次創作
 

赤と白(花吐き病)

BLではある
色気はない

ロッソの場合

 朝から体調が悪かったため公務を病欠としていたが、流石に想定外のことが起きた。気分が悪く手桶に戻してしまったのだが、食物が全くない。それどころか、全部花だ。白い薔薇だ。なんだこれは。
 困惑しつつ従者の一人に「医師を呼べ。」と命じた。そしてやってきたのは、流行病が専門の医師。
「これはなんなのだ?」
「花吐き病、ですな。」
「伝染病か?」
「いえ、ただ……
……なんだ?」
……所謂……恋の病でして……。」
 恋の、病。
 私が誰かに恋をしていると?いや、その『誰か』がいるとしたらヴァイス以外にはいないだろうが……そうか……これが、恋というやつか。
「片思いが解消しないと治らん類のものです、はい……。」
「猶予はどれぐらいだ。」
「この分ですとそうですな……三ヶ月後には眠り病のようになり、そのまま……。」
「わかった、実質猶予は二ヶ月しかないと思えばいいな?」
 私の言葉に幾分か医師が慌てた。ああ、この言い方では誤解を招くか。
「い、いえ、その、まだ死ぬと決まったわけでは!」
「埋められる外堀を埋めたいというだけだ、死ぬ気など毛頭ない。」
 あと二ヶ月であの男を手中に入れる。できなければ私は死ぬ。想像しただけで嗤いがこみ上げてきた。ついでに白い薔薇もこみ上げてきた。ああ、実に。
「面白い状況だと思わんかね?」
「この病にかかった者の中でそんなことを仰るのは貴方だけでございます。」