Privatter+
Font
Serif
Sans Serif
Color
Light
Dark
auto
Font size
Large
Medium
Small
Language
Japanese
English
Sign in with Google
Sign in with ID and password
Account ID
Password
Sign in
Forgot password?
Create account
gib_fox
Public
rkrn雑と高
Clear cache
雑高短文まとめ
500字程度の短文をまとめてあります
1
2
現パロ
世話を焼くのが、楽しくて仕方がないという顔をしている。私は苦渋の表情をすることしかできない。咳をする体が熱かった。熱がわずかに上がったようだ。
枕に頬をつけると、冷えた感触がある。嬉しくて目を閉じると「氷枕買ってこようか?」ともっと嬉しいことを言われる。
「そんなことを頼むわけには」
「あんなに長時間、腕が痛むまでうちわであおいでくれたの覚えてるよ」
でも今は、そんなことしなくていい体なんだ、すごいものだよね。そう言って、彼は外に出る用意をした。マフラーを巻いて、コートを着て、また寒さを持って帰ってこようとしている。
数百年まえ過ごした部屋は、温かい羽毛布団も、やわらかい電気カーペットもない。畳と薄い布団が一枚。今は錠剤の、たった五、六粒ほどで済む薬も、草を煎じたものを飲み、何度も軟膏を塗り、忍び服の端から香る火薬の匂いすら消えるほど薬漬けにして、それでも火傷の痕は彼の第一印象になるほど強かった。
今の私の病は、果たしてそのときよりどれだけ楽か。けれど彼は「一度看病してみたかったんだよね」と会社帰りの足で私の元へやってきた。
今の彼に火傷はない。しかし薬指には、指輪をしていた痕がある。
1
2
広告非表示プランのご案内