喜多流 能「西王母」
御代を寿ぐ皇帝(ワキ)の庭に、桃花を捧げ持つ女(前シテ)がやって来る。それは三千年に一度花咲き実成る桃で、女は西王母という仙女だった。やがて侍女(ツレ)に桃の実を持たせ、本体(後シテ)を現すと桃の実も皇帝に捧げ、天に帰って行く。
官人役のアイの言葉から始まる狂言口開の形式で、まずは幸雄さんが登場。しかし先程の三番叟で気持ちが半分持っていかれたままだったので、集中しなきゃと思いつつも、どこかふわふわしたまま観ていました(M斎さん、責任取ってくれ笑😂)。
幸雄さんはそのまま残り、前シテが中入りした際の語間も務めており、なかなかの大役でした(格好も可愛かった)。
桃花を持ってきた前シテの姿や、後シテの美しさ、侍女が持ってきた小道具の桃の木と一緒に添えられた桃の実も可愛らしくて、ほっこりしました。おめでたい演目なので、全体的に華やかでした。
和泉流 狂言「福の神」
何度か観ていますが、万作さんの「福の神」は鉄板です。ただ、今回は声が出にくそうで(面も着けてますしね)、ちょっと心配になりましたが、後半はちょっと調子が戻ってきてたかな、と。足腰は相変わらずお強かったので、そこはホッとしました。てか、毎回言ってるけど、万作さんレベルになると直面でもいけるのでは?と思ってしまう。
三番叟の後見が、中村さん内藤さんコンビだったのが珍しいなと思ったけど、フカタカコンビがこっちのアドに出てるからか🤔
地謡には萬斎さんも登場し、今回も一番声量が出ておりました。
先程の三番叟で「全て出しきった!」という表情をされてたので、こちらの地謡は大丈夫かな?と思ったけど要らぬ心配だった😂
しかもこの後は人手不足の為、息子の狂言会へお手伝いに行ってるし(隠し撮りまでして🤣)、相変わらず体力オバケ👻だなーと思いました😂
観世流 能「俊成忠度」
一ノ谷の合戦で平忠度を討った岡部六弥太(ワキ)が、「行き暮れて」の辞世の一首をしたためた短冊を忠度の和歌の師、藤原俊成(ツレ)に届ける。すると忠度の亡霊(シテ)が現れ、勅撰集への執着と修羅道の責めに苦しむ様を見せ、消え去る。
あれ、この話、前にも観たことあるような?と思ったら、それは能「忠度」の方でした😅。こちらは俊成との絆を描いた、味わい深い作品でした。
修羅能を観ると、どんなに名を馳せた武将でも、戦に関わったものは全て修羅道に堕ちてるところに、人間の犯した罪の深さに大義名分は関係ないのだと色々と考えさせられます。カッコ良さの裏に隠された罪深さを描いてるから、能というのは面白いのかもしれません。
にしても先程の能「西王母」は、とても華やかな演目だったので、演者の身体だけで表現する本来の形式に、いつも以上に、シンプル・イズ・ベストを感じました。
大蔵流 狂言「文山立」
和泉流では《文山賊》という題名になり、2度ほど観ていますが、大蔵流では初めて。細かい部分を覚えていないのですアレですが😅、大筋は一緒。二人の山賊が果たし合いをするのですが、家族宛に遺書を書いている内に恋しくなり、結局二人は仲直りして帰っていくという、ほっこり系の話です😂
二人の掛け合いに見所もウケており、もう、一生仲良くしてろ〜!と言いたくなるような二人組でした🤣
金春流 能「胡蝶」
旅の僧(ワキ)が梅の花を眺めていると、胡蝶の精(シテ)が現れ、春夏秋の花には戯れることができるが、梅の花には縁がないと嘆く。しかし、法華経の功力により梅の花にも戯れる事ができ喜びの胡蝶の舞を舞い消え失せていった。
能「西王母」に続いて、今の時期にピッタリな演目でした。ただ、梅の花の作り物が出てくるのですが、私の位置からは柱で半分隠れてしまったのが残念でしたが😅
右陣先生の胡蝶の精は、ふわりふわりと舞っており、とても素敵でしたが、食後だったこともあり、私の意識も一緒にふわりふわりしていました😅(食後の観能キケン😂)
和泉流 狂言「成上り」
寝ている間に太刀を盗まれた太郎冠者が、主に成上りの話をして、太刀が青竹になったと誤魔化そうとする話(だいぶ無理がある🤣)。
太郎冠者・右近さん、主人役・右矩さん、すっぱ役・近成さんでした。おとぼけ感満載の太郎冠者で、右近さんお見事でした(見所も大ウケ🤣)
万作家との違いは、台詞では青竹と言っているが使ってたのは黄色の竹だったこと、太郎冠者がすっぱに蹴られても転がらなかったこと(逃げるだけ)くらいかな🤔
三宅家の狂言は、間の取り方が絶妙で、お客さんをグッと惹き込む力がある気がします。なので三宅家も好きです😊✨
宝生流 能「通小町」杖之型
八瀬の里で一夏を送る僧(ワキ)の許へ毎日通う女がある。不思議に思った僧が弔っていると、小野小町の霊(ツレ)が現れる。やがて生前小町に恋をした深草少将の霊(シテ)も現れ、百夜通いの様を物語り恨みを述べるが、僧の弔いにより成仏する。
能「恋重荷」もそうだけど、相手に無理難題を吹っかけて諦めさせようとしたら、鵜呑みにしちゃって
…という話は、今も昔も変わらない男女の関係を表してるような気がする。人間関係も難しいのだから、恋の駆け引きはもっと難しい。
死後もストーカーしてる深草少将の霊が現れて、小野小町に近付いた時はゾゾゾっとしたけど、僧が怨念の元となった百夜通いの様子を本人に語らせて、過ちに気付かせて成仏させる流れは、理想的で良いなと思いました。
大蔵流 狂言「呼声」
無断欠勤した太郎冠者を叱りに、主人と次郎冠者が太郎冠者の家へ向かうが、居留守を使われるので(バレてる🤣)、平家節や踊り節を使って呼び出そうとする話😂
太郎冠者・東次郎先生、主人・凜太郎さん、次郎冠者・則秀さん。山本家の「呼声」はYouTubeにもあるのですが、生では初めて。
あのワチャワチャ感に見所が大ウケでした!!🤣
東次郎先生の太郎冠者も良かったし(相変わらずお元気で!)、長袴履いて浮きに浮いてる凛太郎さん凄いなーと思ったし、則秀さんは美声で酔いしれたし、凄い楽しかったです😂
和泉流と違うのは、太郎冠者と主人たちの立ち位置が逆なこと。脇正面好きとしては、大蔵流の方がシテが見易いのよね(ゴニョゴニョ
…)
金剛流 能「鵺」白頭
旅の僧(ワキ)は芦屋の里で何者とも知れぬ陰鬱な相貌の舟人(前シテ)に出会う。僧との問答の末男はついに自分が鵺の亡霊(後シテ)であると明かし、帝を苦しめた罪により源頼政に退治されたときの有様を仕方話で物語る。詩情味豊かな鬼能。(鵺とは顔は猿、手足は虎、尾は蛇という化け物)
前々から観たいな、と思っていた演目でした。鵺という妖怪の存在を知ったのは某戦国ゲームでしたが。
鵺=敗者側を描いた能なだけに、鵺の捉え方(頼政自身とも言える)や考察次第では、どこまでも深く楽しめそうな作品です。が、長丁場ラストで、ここまで来ると流石に頭も回らなくなってますので(苦笑)、今回はざっくりと楽しませてもらいました。
前シテと後シテの面の表情のギャップに、人ならざるものを感じました。白頭の小書きだったので、全身白を基調とした鵺の姿は神秘性もあり、存在感はとてもダイナミックでした。凄かった。
*・*・*
今回は、能は全て初見の演目でしたが、どれも素敵だったので、次回また御縁があって拝見する時は、よりじっくり鑑賞したいな、と思いました。
ということで、朝10時から夜7時過ぎまでの長丁場でした。演者の皆様も、鑑賞された皆様もお疲れ様でした。
年に一回のビッグイベントなので、来年も行けたら行きたいな😊
第64回 式能の感想⬇️
https://privatter.me/page/65d2e10011951
第63回 式能の感想⬇️
https://chaosnokanoke.xxxx.jp/archives/26613
過去の観劇日記はコチラから⬇️
https://privatter.me/user/mijuppa
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