Privatter+
Font
Serif
Sans Serif
Color
Light
Dark
auto
Font size
Large
Medium
Small
Language
Japanese
English
Sign in with Google
Sign in with ID and password
Account ID
Password
Sign in
Forgot password?
Create account
runa
2025-02-12 23:24:07
2433文字
Public
Clear cache
【⚡️+🐍】『焦がれて』『嫉妬心』
・⚡️に焦がれる🐍の話
・嫉妬心とそれを上回る兄弟愛の話
⚠︎この物語は個人が非公式に作成した二次創作です。実在の人物、作品、制作会社、原作者とは一切関係ありません。関係者の方および一般の方の目に触れる可能性のある行為 (無断転載、転売、複写など)を禁じます。
Any act (including but not limited to unauthorized reprinting, resale, or reproduction) that exposes this work to the general public or persons related to the author is prohibited.
Do not use my art for Al training (AI 学習に使用しないでください)
1
2
嫉妬心
その日の私は、荒れていた。勢いに任せてあれこれと不満をぶつけて、口が滑ったと思ったときにはもう引っ込みがつかなくなって、ずいぶん酷いことも口にしたと思う。ソーは黙ったままそれを聞いているだけで、それが余計に私の不安を煽った。こんなのは子供じみた試し行為だ。そうわかっていてもやめられない自分が嫌で、頭の中でぐるぐると色んな考えが回っては、軽いパニックを起こしていた。
「アンタが私のことを理解できるわけがないんだ。どうせ他人に嫉妬したこともないんだろう? 無敵のソー・オーディンソン!」
声を荒らげて上下する肩に大きな手がそっと置かれる。その手は熱く、冷たい私の皮膚を焼くようだった。
「嫉妬くらい、俺にだって覚えがある。子供の頃、お前に母上をとられたと思った。思えばあれが初めて感じた嫉妬心というものだったのかもしれない」
ずっと押し黙っていたソーが口を開いたと思えば、出てきたのは千年も前の話で、私は呆気にとられて瞬きをした。ソーが私に嫉妬していたなんて、考えたこともなかった。
「母上はお前のそばを離れなかったし、父上も俺よりお前のことを気にかけていた。お前が泣けば母上はすぐに駆け寄り、俺のことは後回し。それが面白くなかった。けれど、母上に促されて初めてお前を抱き上げたとき
……
お前は不思議そうに俺の目を見つめて、それから、ケラケラと笑ったんだ」
そう言ってこちらを見つめるソーの目がいつになく真剣で、私は思わず息を呑んだ。金糸のような睫毛が光を反射して、青の瞳が光に透けて見える。その様が妙に懐かしく思えて、私は目を逸らせなかった。
「母上が『兄上に抱いてもらえて嬉しいのね』と言った瞬間、それまで感じていた憤りはさっぱり消えてしまった。どんなにお前に苛立っても、そのときの笑顔が脳裏をよぎるんだ。
……
タチが悪い」
ソーは短く息を吐くと、いつかのように私の首筋に手を添えて、目を細めた。
「お前はずるい。そんな顔をされたら、ずっと側にいてほしいと願ってしまうじゃないか」
私を見つめるソーの瞳はどこまでも優しく、やわらかな笑みがその口元に浮かんでいる。
愚か者の愛だと思った。何度も騙され、裏切られ、それなのに赤ん坊の私が笑いかけた記憶ひとつで絆されてしまうなんて。赤ん坊だった私は、そのことをちっとも覚えていない。笑いかけたのだって、刺激に対する反応でしかない。
……
兄上は愚かだ。そしてこんなに愛されていたのに、その愛を今の今まで疑って、受け取れなかった私は兄上以上に愚かだ。
ずっと自分の居場所が欲しかった、私を認めてくれる人が欲しかった。けれど私は私が好きではなかった。だからこそ、私を愛しているなどという甘言をまやかしだと断じた。しかし、愛はいつでも側にあったのだ。そんな単純なことに気がつくまでに、随分遠回りをしてしまった。
「私はずっと、側にいるよ」
「
……
お前の言うことは信用できない」
ソーは痛いくらい私を強く抱きしめて、肩に顔を埋めた。やけに声が鼻がかっていて、掠れている。もしかして泣いているんじゃないのか? そう思うと、不思議なことに視界が白くぼやけて、あついものが目のふちからこぼれ落ちた。
なんだ、似ているじゃないか。
ずっとソーが羨ましかった。アスガルドの空と同じ青の瞳、陽の光と同じ金の髪。私のものとは程遠いそれらが、ひどく輝いて見えた。父上のように勇ましく、母上のように慈悲深い、私の兄上。ソーは私にないものを全て持っている。兄弟なのにどうしてここまで違うのだろうとずっとそう思ってきた。自分がちっともソーに似ていないことが、心に針のように刺さって、抜けなかった。
あぁ、でも、私たちはこんなに似ていたんだな。共に育ち、共に戦い、共に学んだ兄弟なのだから、ソーはこの世で最も私に近しい存在だったのだ。それに今更気がついて、己の半身に愛おしさが込み上げてくる。私が感傷的なのは、きっとソーに似たのだ。
「うそじゃないよ、兄上。本当はずっと貴方の隣に立ちたかったんだ」
1
2
Reaction
If you make a mistake, you can cancel it by pressing the reaction.
Custom color
Reset color
広告非表示プランのご案内