【基本英雄大鷹形態】マントリング【マウモア】

モア海2の世界観で大鷹半神半人の英雄と無垢な勇者の求愛詰め合わせセット話。突貫。映画ネタバレ独自解釈捏造要素有。

贈り物




 無知は罪とよく言ったもんだ。

 大空を自由に舞う雄々しき大鷹の姿で空を舞わず地上に佇む俺を好奇心に満ちた瞳でモアナが見つめる。興味津々に瞳を輝かせる様は三年前に出会った当時から何ら変わらない。
 猜疑心の色が薄れ警戒心を忘れ純粋に楽しむ──、俺が裏で何を企んでいるかも知らずに。
 釣り針の模様が見えるように右翼を広げ人間で謂う所の脇付近に頭を突っ込み飛翔に支障をきたさないとびっきりいい羽根を引っこ抜いた。
 色艶、整った形や大きさどれを取っても申し分ない最上級物。祭事で使用するに打って付けなほど立派な羽根を嘴に咥えモアナに差し出す。

 「くれるの?」

 問いに答えず目線を一旦空に投げ掛け戻せば、何も疑わずにモアナが両手を伸ばし俺の羽根を受け取った。
 彼女の指先から肘くらいまである大きな羽根を太陽に翳しては感嘆の息を漏らす光景が眩しくて目を眇めた。
 じわりじわり鮮やかになる世界を鷹の目に映し、大事そうに羽根を胸に抱くモアナの口が俺が望んでいた言の葉を紡ぐ。

 「ありがとう」

 純粋に喜び屈託のない笑みを浮かべるモアナに俺の体が歓喜で打ち震えそうになるのを宥め賺し。

 「喜んでくれてなにより」

 人間時とは勝手が違う嘴の端をつり上げ噓偽りのない想いを伝え、大空を舞う剛翼を大きく広げ鋭い鉤爪で彼女の体を掴み蒼穹の空へ羽ばたいた。