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桜霞
2024-06-18 21:19:14
5395文字
Public
【クロスオーバー】ツイステッド特異点
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どうやら相性も良さそうですよ
今回喚ぶサーヴァントと、この世界は。(ここまでがタイトル)
1
2
3
再び立香の血を集めるのには、一ヶ月の時間を要した。
召喚陣を描くのに、本当に立香の血が必要なのかどうか、燕青も巌窟王も魔術師ではないのではっきりとしたことは言えない。立香の持っている縁を触媒とするなら確かに有用であるかもしれない、としか言えないのだ。
立香が何かしらの召喚を行なって使い魔を増やすことはある程度周知されてきたので、立香は隠れてこそこそするのをやめた。
ある日の放課後、立香は自分の血液が入った木箱を抱えて鏡の間にお邪魔した。オンボロ寮から木箱を運び出すのは、エースとデュースが手伝ってくれた。
三人ががちゃがちゃやっていると、トレイがひょこりと顔を出した。
「リツカ、いらない模造紙あったぞ」
「トレイ先輩! ありがとうございます!」
「あれ、寮長。なにしてんスか?」
トレイの背後から現れたのはリドルだった。エースの言葉に、リドルは「リツカに呼ばれたんだよ」と端的に答えた。燕青が「えっ」と声を上げる。
「これ以上クイック宝具増やしてどうするんだよマスター!」
「大丈夫だよ、マーリンがサポートしてくれてるらしいから事故りはしないと思う」
トレイからもらった模造紙を広げ、魔法石で固定する。
以前は床に直接魔術式を刻んだが、後片付けがなんだかんだ大変だったので、模造紙に陣を描くことになったのだ。
本当は少しでも地脈などを利用するために地面などに描く方がいいのだろうが、今回は地脈を利用した聖杯は関わらない。それに模造紙の方が描きやすいので、立香は妥協した。
「
……
これが君の世界の?」
「はい、術式ですね。召喚陣」
「見てても構わないかい?」
「はい、どうぞ」
やはり興味があるのだろう、リドルは立香の背後から手元を覗き込んだ。鉄錆の匂いが鼻をつく。
エースやデュースから聞いていた話は本当だったんだな、とリドルは少しだけ眉を顰めた。
程なくして、立香は「よし、できた」と筆を置いた。
「じゃあ、トレイ先輩とデュースはちょっと席を外してもらえますか?」
「えっ」
「見てちゃだめなのか?」
「性癖メカクレのライダーが来るのも医神に来られて貧血を怒られるのもちょっと勘弁してほしいので
……
」
「?」
「
……
?」
ふたりは要領を得ないという顔をしたが、結局は立香に従った。
「リドル先輩はこの辺りで大丈夫です」
「分かった」
以前見学したフロイドが座っていたあたりに立ってもらい、立香は召喚陣の前に、闇の鏡を背負う形で立った。
「それじゃあ、行きます!!」
令呪の刻まれた右手を、目の前に掲げる。なけなしの魔力を巡らせて、立香は瞑目した。
───思い出せ、あの感覚を。
───彼と己の夢が繋がった、あの感覚を思い出せ。
「
……
素に、銀と鉄。礎に石と契約の大公」
ふわり、風が吹く。令呪が赤く輝き、応えるように召喚陣がほんのりと燐光を纏い始めた。
「降り立つ風には壁を。 四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ───
閉じよ
みたせ
、
閉じよ
みたせ
、
閉じよ
みたせ
、
閉じよ
みたせ
、
閉じよ
みたせ
、」
ひとつひとつ、詠唱を口の端に乗せるごとに、召喚陣の輝きが増していく。
「繰り返す、つどに五度。ただ、満たされる刻を破却する───告げる!」
調子がいい。己を巡る力が、滞りなく流れていくことを感じる。
まるで、カルデアで召喚をしているようだ。
「汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ!」
赤い光を放つ召喚陣と、令呪だけが鮮々しい。立香は、ただ一心に、彼の姿と、彼との縁を念じた。
「誓いを此処に! 我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者。汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ───!」
───凄まじい衝撃が、立香を貫いた。
……
だが、立香は倒れなかった。きっとマーリンのおかげなのだろうと思う。
「
……
サーヴァント
……
ジーク」
静かな心地よい声音が、そっと耳朶に触れる。立香は己の狙い通りにいったことに、ヨシ、と拳を握り締めた。
「ただのホムンクルスだが
……
それでも、オレが、登録された宝具が、役に立てるなら───これ以上、嬉しいことはない。存分に使ってくれ、マスター」
夢で遭い、共に夢を過ごし、そして、同じ夢を視た、───おそらく巌窟王と武蔵ちゃんを除いては───唯一のサーヴァント。
英霊ジークフリートの心臓を持ち、大聖杯を抱えて飛ぶ、邪竜。ただ、諦めずに、最後まで足掻いたホムンクルス。かつて、立香と同じ、マスターだった存在。
今の立香にとって、これ以上頼もしいことはない。
「頼りにしてるよ、ジーク!!」
「あぁ」
感情を表に出すことがちょっとだけ苦手な彼は、それでもほんのりと微笑んだ。
☆CV.
花江夏樹
特技:絶叫
───!!
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