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桜霞
2024-06-18 21:19:14
5395文字
Public
【クロスオーバー】ツイステッド特異点
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どうやら相性も良さそうですよ
今回喚ぶサーヴァントと、この世界は。(ここまでがタイトル)
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オンボロ寮の監督生の使い魔がまた増えた、という話は瞬く間に学園中に広まった。
マブダチだから、という理由でオンボロ寮に招かれ、巌窟王を紹介されたエースとデュースは、「またおっかねえのが来たな」とどこか険しい顔で立香の紹介を聞いていた。
「というわけで、宜しくね。たまに影からにょきっと生えてくるかもしれないけど」
「最近ようやくシンシンさんが突然現れるのにも慣れてきたのに
……
」
気配遮断スキルCを獲得している無頼漢はにしし、と悪戯っ子のように笑った。一方の巌窟王はじろりと立香を睨めつけた。
「お前はこの俺がお前以外の影を踏むとでも思っているのか?」
「あ、嫌だ?」
───えっなにこいつ面倒臭い彼氏?
エースの表情から彼がそう思ったことを悟った燕青が、「旦那はいつもこんなんだから」とそっと耳打ちする。立香はなんとも思っていないのか、「あんまり霊体化はしてほしくないんだけどなぁ」と腕を組み、むつかしい顔で唸っていた。
それを受けて、巌窟王がずずずと身に纏う炎を操った。ぶわりと広がる外套が消え、ぱちぱちと黒い光電を纏わせていた帽子も消える。
やがてそこに現れたのは、品のいいシャツにきっちりとタイを詰め、すらりとしたスラックスに、磨かれた革靴でばっちりと決めた美丈夫だった。
エースとデュースは目を剥いた。これはクルーウェルに勝るとも劣らぬ洒落た男である。
「これでいいんだろう」
「さっすがエドモン! かっこいいよ!」
「フン」
巌窟王は立香を鼻で笑ったが、本人は何の気にも止めなかった。目立って欲しくないという立香の意図を汲んで衣装を変えてくれて有難いとさえ思っていた。
「まぁでも、心強そうな助っ人? が喚べて良かったじゃないか」
デュースが微笑む。まぁね、と立香は誇らしげに笑ったが、すぐにすとんと表情を切りかえた。
「もう今すぐスカディさん喚びたくて喚びたくて仕方ないよね
……
」
「おぉ、確かにあの姐さんは俺達と相性がいいけどさ」
「クハハ、北欧の女王を無用の長物とするか! それもまた一興だな、この恩讐の炎と共にどこまでも走り抜けてやろう」
「おいコラ、まずは帰還方法だろ。倒すべき敵さんもいないのに、これ以上は無駄だぜ。何よりマスターの体に障る。あの氷の姐さんが使う『るうん』でどうにかなるなら話は別だがよ」
「これはまた、無頼漢がらしからぬことを」
「アァン?」
「ハイストーーーップ」
立香がチョップして二人の間に割入った。その手の甲に刻まれている令呪は、未だ二画残っている。
巌窟王がこの世界に訪れる際、夢を介したからだと察せられた。
「ふたりが喧嘩したらこの寮ぶっ壊れるから! あとスカディはただでさえ喚ぶの難しいんだよ、分かってる?」
「いや、お前がそのスカディさん喚びたいって言ったんじゃん」
「スキルマクリバフで殴るの楽しすぎる
……
」
「なにて?」
エースは器用に片眉を跳ね上げた。最近、立香がよく訳の分からんことを言い出すようになったので、エースとデュースは困惑することが増えていた。
「とにかく、スカディさん喚んでこの世界を探検するとかは無いし、蹂躙とか以ての外だから」
「えっそんな話してた?」
巌窟王は「フン」とそっぽを向いた。あ、してたんだな、とエースは察したし、デュースは監督生を介さずして巌窟王と話すのは難しそうだと気付いた。
「それで、あとふたりはどんな奴を喚ぶんだゾ?」
それまで巌窟王の炎でごろごろと遊んでいたグリムがむくりと起き上がった。
「二騎もいけるか? マスター」
「うん、令呪残ってるし」
「えぇー、やめとけよ、体もたねえぜ」
「
…………
」
燕青の言葉に同意を示すかのように、巌窟王がじっとこちらを見つめてくる。見定められるような視線に、立香はたじろいだ。
「いや
……
まぁ次でキメたいけどさ、こればっかりは運要素も大きいから
……
」
「そりゃあそうだけどさ
……
」
うーん、と唸る燕青に、エースとデュースは顔を見合せた。グリムがふなぁと鳴く。
「ま、無理はすんなよ」
「あぁ、体調が悪くなったらすぐに言え」
「はーい」
立香は素直に返事をした。よろしい、とエースが偉そうに頷く。
それから少しだけ他愛ない話をして、エースとデュースは、立香と久々の再会だろう巌窟王に気を遣うことにし、早々にオンボロ寮を辞した。
「
……
あんなおっかねえのをいっぱい従えてたんなら、そりゃあ根性キマってるか
……
」
「あぁ
……
寮長たちのオーバーブロットにも果敢に挑みに行くはずだ」
そしてふたりは同時にこう思った。
───あの二人のいない間に危ない橋を結構渡ってたと知れたら、我が身どころか学園が危ねぇな
黙っとこう、とマブダチは揃って視線を合わせ、頷いた。
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