バラ肉
2025-01-17 05:41:28
5645文字
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ハンドクリーム事変(掌ブロ)

掌ブロ(クラッシュマン×ブロッケンJr.)
タグ乱時空です。
ハンドクリームを塗ってたブロを、嫁三人衆が可愛がる展開からの、完掌さんがブロにちょっかいかける話です。
※画像投稿の続きは2ページ目から


今回のブロはサポート超人で人間verです。(超人ブロ≠サポート枠のブロ)
人間なので、ブロの超人としての魅力を愛してるアタ兄は今回はお休みです。

特にタグ乱ネタはありません。別時空の話だと思ってください。

お題の見本として書いたけど特殊設定なのでもはや別物です。



***

「はー……やっと終わった」

その後。
試合が始まる、他の面々と一緒に駆り出されていった三人を見送ったブロッケンJrは、ようやく開放された安堵感に大きなため息を吐いていた。そしてそのまま、女性が多いという理由で準備された大型ソファにドカッと凭れる。
ちなみにまだまだ新鋭気鋭の部隊のため、今回部屋に残ったのは彼のみだ。
チラッと胸元を見落ろせば、左右のポケットに先ほどビビンバたちにオススメされたハンドクリームの類がこれみよがしに詰め込まれていた。
『私達は換えがあるから気にせず試してみてね!』
キラキラした目で見上げる女性等を無碍なんて出来るわけがない。
ましてや彼女らのバックにいるのは各々の旦那だ。キン肉マンはまだしも、自分からロビンとテリーを敵に回すほど彼も無鉄砲ではない。

「しっかし、こんなに貰ってもなあ」
試しに一本、目の前に掲げて見る。いかにも女性が好みそうなパステルカラーの柔らかで華やかなデザインに、妙にくすぐったい気分になった。
自分が適当に買った簡素なハンドクリームとは大違いのそれは、見た目同様、成分や香料も含め至る所にこだわりを感じる。きっと彼女達自身が自らの肌に合うものを探した結果なのが伺える。
にも関わらず、こうも容易く渡してくるとは。

(ほんと、優しいパートナーを貰いやがって)

なんだかんだ言っても、最高の仲間(とも)が選んだ伴侶である。やはり皆揃って最高に心優しいな……としみじみ彼等の慧眼ぶりを感じる。
物だけでなく気持ちまでお裾分けされた気持ちだ。最後は若干遊ばれた気もするが、それはそれ。
……良い嫁さん達じゃねえか」
ぶっきらぼうな口振りとは違って、薄い唇はさも羨ましそうに緩んでいた。

——きっと「自分のところとは大違い」とでも思ったのかもしれない。

天真爛漫な彼女らと比べ、彼の相手はいつだって不遜で口が悪く。図体に見合った大きな態度に、何度憤ったかしれない。
だからか、思い出しただけなのに、何故か聞き慣れた嘲笑が聞こえた気がして、知らずに口がへの字に歪む。
(ほんとう、あの野郎とは大違いだ)
ハンドクリームの件も、もし見つけたのがビビンバではなくあのイケすかない完璧超人であったら。
『指先一つに何を大ごとにしているのか』と鼻で笑われる光景が簡単に想像ができる。
きっと、

「なんだ、下等な人間はそんなものに頼らないと体を守れないのか?」

とでも言いかねない。

そう思ったところで、ブロッケンJr.は——突如自分の目の前にニュッと現れた顔に、先の言葉が妄想でないことに気付いた。

「へ……ッ〜〜〜なっ!!!」

驚きのあまり、背もたれに乗せていた頭を慌てて起こそうとした、その瞬間。

ゴッッッ!!

「っぅぐ!」

鈍い打撃音と共に低い呻き声が漏れる。
どうやら思いのほか近くにあった男の額と軍帽の鍔がぶつかったようだ。よろよろと後退する姿を見ながら、ブロッケンの胸にほんの少し罪悪感が湧いた。
けれど、本来はいない筈の相手が……しかもちょうど考えていた相手が居たのだ。
動揺するのも仕方ない。

……おい、小僧。良い度胸だな?」
「な! そ、そんなところにいるテメェが悪いんだろ!」
痛む箇所を押さえながら睨む男に、反射的に減らず口が飛ぶ。一緒にフンッと顔を逸らす態度は成人しているとは到底思えないほど幼稚だ。
「クソガキが……っ」
対して、男ことクラッシュマンはその態度に苛立つやら呆れるやら。グッと怒鳴りたいのを耐えると、平静を装うべくいつもながらの悪態をつく。
「ったく、これだから下等超人以下の“人間”って奴は程度が知れる。それに、部屋に侵入した気配すら感じ取れないで何がサポート超人だか」
「うぐっ」
せめてもの意趣返しにと得意の挑発を放てば、図星を突かれて歪む顔に一気に溜飲が下がる。
もちろん、選手枠である自分が勝手にサポート超人用の部屋に入ってきた、と云う問題点には触れるつもりはないらしい。
一方、ぐぬぬっと奥歯を噛み締めるブロッケンは心底悔しげである。無意識に上がった右手は、未来の自分がそうしたように、今にも特攻する気満々だ。髑髏の徽章が無いことなど忘れて、王位争奪戦時同様のギラギラした荒削りさが全面に出る。
そんな無鉄砲な様を、クラッシュマンは心底楽しげに見つめた。

(だからこそ、私はお前に惹かれる)

完璧超人として、一度負けた相手と再戦するつもりはない。それはそれでもう完結した物語なのだ。今更反故にするのは逆にプライドが許さない。だからこそ、他の同胞と同じく自害の道を選んだ。

とはいえ、だからといって興味を抱かなかった訳では無かった。むしろ逆。クラッシュマンはブロッケンJr.という男に、超人云々を超えて“一人の存在”として惹かれていた。闘いぶりは勿論、その若き胸に秘められた気高き魂に。半機械超人の己には無い炎に似た熱さは酷く眩しく、焦がれずにはいられず。

(もっとしっかり、触れてみたい)

そう思いながら死んだ筈なのに、なんの因果かこんな不思議な時空に迷い込んだ挙句。人間に戻ったブロッケンJr.と再会するなんて。
神という奴は本当におかしな存在である。
だがそれが、彼にとっては僥倖だった。
おまけに自分の命綱である徽章を捨てた、何よりも尊い決断をした瞬間の男と『サポート』と『選手』という間柄で再度出会えたのだ。
手を出さずにいられるわけがない。
戦うのではなく、愛でるために。

だから、完璧超人の矜持を捨ててでも、廊下にまで聞こえる大声で騒ぐ彼等に耳を澄ませたのだ。



「ハンドクリーム、な。こんなにあって使い切れるのか?」
胸ポケットに詰められたチューブタイプのそれを一つ摘んだクラッシュマンは、揶揄うようにそれを高く掲げた。
「あ! ちょっ、返せよ!」
そして慌てて手を伸ばしてくる相手を避けるべく、ヒョイっと後ろへ下がる。すると追いかけようとソファを飛び越えるのを合図に、少しずつ背中のグローブを広げる。
「手を守るだけのクリームも、こんなには要らないだろう。完璧超人である私はがもっと賢い使い方を考えてやる」
「なにをっ!」
「ギガギガ……なあに、楽しもうってことさ」
「はあ!? テメェ、訳のわからねえことを言ってんじゃねえぞ!」
クリームを奪い返そうと躍起になって手を伸ばす姿は必死の一言。また、気持ちのままに激昂する態度はかつて対戦した時の冷静さはない。よく言えば血気盛ん。悪く言えば激情型の無鉄砲。これでよく、今まで無事にやってこれたものだ。

だが、それは見方を変えればまだまだ何者にも染まりきっていない未熟な状態な訳で。
(硬い蕾を開花させるのも、男の一興)
キン肉ソルジャーの影響がまだ心身に侵食していない今の状況は、クラッシュマンにとって最高のコンディション。

――って、おい! 聞いてるのか!」
「ああ。もちろん」
不機嫌さを隠そうともしない声を軽くいなし、クラッシュマンは目の前でぴょんぴょんと跳ねる腰にグッと両腕を回した。
「うわっ!? てめっ、一体何を」
「ナニを、か?」
そして、強張る体を良いことに手を臀部に伸ばすと、そのまま服の上から尻たぶの間に人差し指を押し込む。
「っぅあ゛!!」
グリッと指が押した場所は、昨夜の情事のせいで未だ敏感なようだ。剛直を抜き終わった時のまま、蕾の縁がぷっくりと腫れているのだろう。
無意識に飛び出た甘い声に真っ赤になる相手を尻目に、男は背中のアイアングローブをゆっくりと閉じていく。

「おい! クラッシュマン!! 良い加減にっ」

悲痛な叫びごと覆い隠すように、まるで秘め事を始めるように。

「どうせ、今日の出番はないんだ。……皆が帰ってくる前に終わらせたいだろ?」
そう囁く声に、逃げ場を失った美しい鳥は喉を引き攣らせた。
ブチュッ。
目の前で奪われたチューブが無惨に握り潰され、指の隙間から白いクリームが飛び散る。
その白濁が、これからどこを潤すのか。
想像するだけで顔が熱くなる。ギラギラ光る赤い目は赤信号と同じ色なのに、何一つ止める気がなく。

「さあ、私の手の中で鳴いてみせろ」
笑う男の掌が、ズボンのベルトに掛かる。
「ぁ……ッ」
小さく漏れた声は、絶望か、はたまた期待か。
半日前まで嬲られていた後孔が切なくひくついたのは、きっと本人だけの秘密だろう。

暗くなる視界の中、ダメにされたクリームが自分の物だったことだけに安堵しながら、ブロッケンは淫らな白に掻き乱される未来を見た気がした。



閉じた世界で、不遜な声が体の芯を揺らす。

「愛してるやるよ。その弱さも全部、ぜんぶっ!」

囁き声と共に後ろを穿つ肉杭が更に乱暴になる。
それを非力な人間が止められる訳も無く。



***



後日。
恥ずかしいイメージを植え付けられたが為に今までのハンドクリームを使えなくなったブロッケンが、嫁's三人と共にデパートへ繰り出した……というのは、また別の話で。