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豆炭々炬燵
6447文字
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モアナと伝説の海シリーズ
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【マタモア】優しい子【マウモア】
モア海2の世界観で半神半人蝙蝠姐さんが無垢な勇者にいいところを見せる話~嫉妬半神半人英雄を添えて~
映画ネタバレ独自解釈捏造要素有。
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最後の帳を潜り薄靄からモアナを抱えたマウイが音もなく姿を現した。足の裏に伝わる細かな珊瑚の砂が寄せては引く波に合わせ足跡を消していく。潮騒を背に受け不自然に消えていた見回り用に立てられた篝火の前をマウイが通るたび火が灯り、夜の番でさえ深い眠りに就いていたモトゥヌイが半神半人たちの帰還に息を吹き返す。
そこかしこから感じる穏やかな寝息にマウイは腕に抱えたモアナを抱え直し、村長の計らいで急遽作られた新居のタパを捲って新品同様に近い敷布の上にモアナを横たわらせた。規則正しく上下する胸に安堵の息を吐き、体の横に置いていた半神の証であるタトゥーが刻まれたモアナの手を起こさぬよう細心の注意を払い両手で包み込み顔を顰めた。
「必要ないって思っていたが、次のレッスンを視野に入れないとな」
その無垢で他者に優しく寄り添う心を逆手にとって付け入る不届きものを近寄らせない方法を。まだまだ目が離せない成りたての半神を唆す性質の悪いものたちから己自身を隠す方法を。モアナが誰にも攫われない方法を。
「お前は筋がいい、すぐ覚えられるさ。俺が保証する」
ただし、何事も最初の補助は必要だ。それは泳げない者が浮き輪を付けるように──、マウイはタトゥーが刻まれたモアナの手の甲に恭しく唇を押し付け自身の神力を彼女のタトゥーに巡らせた。夜明けに交じり合う蒼穹を瞳に映し込んだマウイはうっそりと微笑み、モアナの手を静かに敷布に置いて何事もなかったかのように彼女の隣に横たわり目を閉じたのだった。
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