ミリメートル
2025-01-05 22:14:58
1817文字
Public スケ荼
 

スケ荼SS⚙️

アナーキーめな話です。


 到着した目当ての工場には人一人も残っておらず、スケプティックが簡単な鍵開けをしてしまえば、立ち入り歓迎持ち出し放題のがらくた屋さんになってしまった。
「なんだか、間抜けだな」
 荼毘の嘲笑に、スケプティックは相槌を打たなかった。ノリの悪いやつ。この一人言には、「こんな光景は直に見飽きる」と呆れた声が返ってきた。
……そうだな。ここで見かけたがらくたは、いずれ闇市なんかで再会出来るだろう。それを貴様は、いちいちドラマチックなことだと思うか?」
「思わない」
「そうだろう。それくらい、ありふれていることだ。間抜けでも素敵でもない。私たちには世の中がずっとそう見えていた」
「それは、さぞかし退屈だったろう。よく狂わずにいられたな」
「ハッ、私たちが狂ってないとでも思っているのか。お前らと同じだよ。とっくに正気じゃないんだ」
 荼毘にはさっきまで、少なからず「付き合わせている」という悪気があった。しかし、まったく遠慮する必要がないらしい。
 それなら『会社に損切りされたこと』を茶化しても構わないか、と、意気揚々とイジれば滅茶苦茶怒られて、帰り道は面白くない小言を延々聞かされる羽目になった。

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