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東映は無事百鬼帝国滅んだと思いますが、ちょっとサーガと無理矢理溶接.
東映竜馬≒サイジョウヒデキ→ヤングマン≠ヴィレッジピープルのYMCA
竜馬が西城秀樹ならこれは触れておくべきでしたw
「なんてこった」
昼下がり、店先のブラウン管テレビを前に隼人が唸る。
鬼達との戦いから数年、鉄の蟲との遭遇、その後のカタストロフの記憶の傷にも薄皮が張った頃、たったひとりになった彼が。
日本に入って来たばかりのタワーレコードでは、先日来日本のアイドル歌手が歌って大ヒット中の歌を流している、と、思ったのだ。「彼」に、今は遠く離れてしまった大切な友に似たところのある、青春美のような笑顔と伸びやかな声の青年の歌を。憂鬱など吹き飛ばして元気を出せと。
確かにその歌だった、ただし原曲の方だった。数名の男たちが歌っている、工事現場労働者、カウボーイ、髭とサングラスでレザーに身を包む者にネイティブアメリカンのウォーボンネット男だけの派手な羽根飾り、タフそうな装い、それらがみな大きく開けた胸元を晒して踊りつつ、高らかに。あまりに示唆以上のものがあった。
基督教青年教会へのいざない、かつて隼人が肌身離すことのなかった十字架に磔刑図は刻まれていなかったから、そのプロテスタントの施設を知らないわけでもなかった。『YMCAに泊まろうよ、シャワーも使えて清潔だしいい奴らと遊べる、YMCAは素敵なところさ』、男子学生や若い男たちの滞在に向いていて楽しいあれもこれも揃っていると、ああそれは嘘ではないが、この歌の匂わせているのは。
『地獄に行かないか』
別府への湯治に誘った友を思い出す。朝に真昼間に好き放題湯に浸かり一緒に炊事して、敷きっぱなしで糊が取れ、人肌に馴染み過ぎた布団の敷布の柔らかさは背徳的だったことまで思い出し隼人の頬は仄熱くなる。
アイドル歌手の日本語歌詞は「そういう」きわどすぎる部分を歌ってはいなかったが、代わりに「俺と行こう」と微笑み歌って手を差し出す、友を思い出させる涼しげでいてすぐ熱っぽくなる強いあかるい目で。
「時間差で酷い置き土産をしてくれるじゃないか、ええ?」
苦く笑う彼の優秀な脳味噌は、別府の「貸間」で過ごした数日を克明に再生する。
『もう少しだけ居たかったな、あと一週間いやひと月一年ぐらいいても飽きない』
ふたり、くたりと柔らかくひやりと馴染む万年床に寝そべって、宿の外流れて落ちる湯の香りと音を聞いていた。
『敵さんをやっつけたご褒美ってかい?』
『え、ああ、うん、そうだなそういうことでもいいけど』
すぐそばで竜馬の声
『一番欲しいものが手に入らなかったら、それぐらい我儘も言いそうになる』
多分あれが竜馬の口にできる男としてのぎりぎりだったのだと、
その朗らかな声の中の剣気のようなものに彼は
ひとり、ようやく、目を合わせた。
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