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花雲
2022-09-04 18:00:09
16172文字
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高銀
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ゆびさきアイロニー
高熱が出て寝込む銀時の話。完結後。ほんのり完結篇。まだ加筆予定です。
「高銀茶飯事」開催おめでとうございます!Webオンリー用の新作でした。
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一年に一度、アホみてーな高熱が出てブッ倒れる日がある。
まぁ正確な日数は数えちゃいないから不明なんだが、体感的にそんくらいの頻度ってことでご容赦願いたい。つまるところ、そいつは忘れた頃にやってくるのだ。
二日酔いで起きるのがダルい、なんて日はままある。
朝帰りしたあげく玄関で爆睡したとか、調子こいて何軒もハシゴしたからとか、
自分で説明がつく範疇ならまだカワイイ方だ。
傍から見たら迷惑な酔っ払いでしかないだろうが、その原因がわかっているか否かは大きな差であると俺は思う。失敗から学ぺることはたくさんあるだろ?
言い訳ができるからなどでは断じてない。
そこんとこ、勘違いしないよーに。
この年に一度の高熱が厄介なのは、原因がわからないことだった。
前日に深酒もしていないし、とりたてて依頼に追われていた訳でもない。
それにもかかわらず、40度近くまで熱が上がってしまうのだ。
多少の頭痛なら誤魔化しながら仕事もできるんだが、その日だけは無理だった。
寝転んでいるのに頭が割れそうなほど痛い。
水分をとってもとっても喉が乾く。愚痴りたくても声が出しづらい。
対策しにくいうえに症状が重いという、嫌らしさ満載なやつだった。
何年前から始まったのかも、正直よく覚えていない。
新八が来るようになった最初の年は、たしか二日酔いだと嘘をついて乗り切った。
だけど翌年はなぜかバレて、こんこんと説教された覚えがある。
おそらくバーさんの入れ知恵だろう。
それでも何度か経験するうちに、2点ほど気づいたことがある。
まず、ぶっ倒れる期間について。
かぶき町に流れ着いた当初は、3~4日くらい寝込んでいたと思う。
だがここ数年は1日休めば日常生活に戻れるようになった。
明らかに短く、楽になっている。たいへん良い傾向と言える。
続いて2点目は、倒れる前兆のようなものについて。
体調不良になる直前、決まって夢を見るんだ。
それも、とてつもなく嫌な夢を。
どんな内容なのか、説明できるほど具体的には覚えていない。
けれど、目を覚ますと冷や汗まみれで息は大荒れ。誰かさんとの長ーい試合を終えた直後かのように心臓が鳴り止まない、というのがお決まりのパターンだった。
それだけならまだマシなんだ。夜中の夢なんざ見飽きてるし、しばらくすれば自然と治まると知っているから。よゆーのよっちゃんってやつである。
しかしながらこの日の動悸は、そんな甘っちょろいモンではなかった。
大人しく寝ているのに鼓動は激しいまま、落ちつく素振りさえ見せやしない。
おまけに脳ミソを握り潰されているような激痛と、全身を覆いつくす倦怠感までセットときた。ほんと、毎度うちなんかにご足労いただき恐縮です。おもてなしする気ないんで、そのまま帰ってほしいんスけどね。
こうなると内心悪態をつくぐらいしかやる事がない。さみしい奴とか言うなよ。
かるく起き上がろうとする動きさえ億劫に感じて、さすがに焦りが湧いてくる。
普段なら無意識にできることが、力を込めてもできそうにない。
かと言って、助けを求められる相手なんて此処には居やしなかった。
───あ、俺このまま死ぬかも
ひとり万事屋だった頃は、否が応にもその可能性が頭をよぎった。
その度に余計に呼吸は乱れ、酸素が足りなくなって頭痛は悪化する。
これぞ悪循環、負のスパイラル。
吐き気まで連れてくるのは、マジで勘弁してほしかった。
それは今日も例外ではなく、今まさに激しい動悸・息切れ・不快感に襲われている真っ最中である。 そしてまたいつもの如く、久々によくわからない夢をみた。
どこか 高い場所にいる、ような気がする
見覚えがあるような、ないような
あたりを見渡そうにも、身体は思うように動かなかった
ピントがずれているらしく、視界がぼやけて定まらない
髪をゆらす風の音も、記憶を呼び起こすはずの匂いも、感じやしない
なにもない、だれもいない
しずかで、不気味な空間
ぼーっとしていると、なぜかガキんちょに戻ったみたいな、そんな気さえしてくる
なにか食わせろと鳴くはらのむしを黙らせるため、
死体のふところを漁って、食えるもんをかっぱらう
まだぬくいやつには要注意
急に喚きだしたり、足を掴まれ引きずり込まれたりする
死ぬ間際のいきものは頭がおかしくなるらしい
無理もない話だけれど、避けるに超したことはなかった
反対に、もう冷え切ってるやつは動きだす心配がない
だから あんぜん 気がらくだった
さっきまで動いていたやつが、動かなくなる
ぬくかった身体から、体温がきえていく
そんな変化を“ こわい ”と思ったのは、
一体いつからだっただろう
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