和泉 小夜
2019-09-09 22:26:06
1470文字
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さだふど(切ないのシリアス風味)

とりあえずもう一個はまだ書いてませんが思い浮かんではいるので明日以降に投稿します。


「不動はさ、犬なんだよ。」
『犬?不動って犬ってほど、犬か……?』
「忠誠心は犬の如くだと思うが、そういう意味ではなく、ね?」
「ライラプスやティンダロスの猟犬、送り犬のように。」
「狩りが上手くて、狙った獲物を外さない。」
「規則さえ正しく利用すれば守って呉れるが、破ると即座に喰われる。」
「俺は、其れが堪らなく怖いんだ。」

……戦場での話か?お前も割と似てると思うけどなぁ。

「戦場ではないからね。」
見透かされた。うーん、じゃあ何だ?

「獲物はね、俺なの。彼れは常に俺を狙っていて。」
「追い掛けて来るの、いつまでも。」
「ライラプスはテウメッソスの狐と、終わらぬ鬼事を、ずうっとしていた。」
「テウメッソスが捕まることも、ライラプスが獲物を逃すことも。」
「何方も運命に反するからと、石にされて終ったそうだよ。」

「しかし、俺はテウメッソスではないし、不動もライラプスではない。」
「俺が逃げ切るか、不動が捕まえるか。ふたつにひとつしかない。」
「だったら最後まで足掻いて、逃げ切ってやろうと思わない?」

……あー、なるほどな。
ライラプスは何でも捕まえる犬で、テウメッソスは絶対に捕まらない狐か。
希臘神話だっけか。確か乱や信濃から聞いたことあるな。

「不動には黙っていてね、知られたくないから。」
「逃げている理由が恋心だなんて。恥ずかしいじゃない。」
「だから。内緒にしてね?」