和泉 小夜
2017-08-09 15:35:08
2127文字
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共依存(燭へし)

お題箱より「お互いのことが好きすぎる共依存燭へし」。お題は「ひとでなしの遺言。(http://deichunohana.web.fc2.com/)」様からお借りしました。


へし切は燭台切と懇ろらしい。
道理で、味が混ざっていたわけだ。

へし切は金平糖のような、燭台切は飴玉のような、それぞれ上品で甘い味だったのに。
二人が懇ろになってしまってからは、味が混ざってしまった。

無理を言って薬研に付き合ってもらい、へし切の部屋に向かった。
其処には燭台切も居た。

「なぁ、へし切。アンタは燭台切がすきなんだよな?」
……何を莫迦なことを言っている。当然だろう」
「それと、俺の事は長谷部と呼べ」
そう言い切ったへし切の声には、燭台切の味も混ざっていた。

「何だ、お前等も燭台切が欲しいのか」
「いや別に、要らないから大丈夫」
「そうか」
……長谷部は、燭台切の旦那の、何処に惚れたんだ」
「何処だろうな」

べつに別れて欲しいわけじゃないけれど、もう遅いような気がする。
へし切は燭台切に執着を始めている、

「総て晒して見せて呉れる処、かな」
「どの感情も、俺だけが独占できる」
「此奴の弱いところも、涙も悲しみも怠惰も、あいも、」
「総て全て、俺だけに見せて呉れる」
「縁の在る刀剣男士よりも、俺を大切にしてくれる」
「そんな所が、堪らなく愛しいんだ」

へし切がそう云い終えると、燭台切は俺達に下卑た笑いを向けた。

「そうか。長谷部が幸せなら、俺も不動も口を出したりはしない」
「だが、何か在ったらいつでも聞くからな。いつでも言ってくれ」
「それじゃあ、邪魔したな。不動、帰るぞ」

薬研はそういうと、俺の腕を引いて部屋を出てしまった。
そして早々に、「もうアレとは関わるな」と、俺の顔を見ずに云った。