木蔦(キヅタ)
2022-10-30 17:24:29
1904文字
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痴漢に遭うまんばの話【ちょぎくに】※現パロ




このネタで私の味付けで書いてと言われたので。

※等価交換のお約束をしてますので、後から同じネタでつゆりさんが書いてくださる☺️

ちょぎくに
※現パロ

国広が通学で使う電車でとてもイケメンの男性がいた。

銀髪で目はキリリとしていて、恐らくスーツを着ているから社会人。
いつも壁際の定位置で立っている。
国広は少し離れた、だけどその人の顔がよく見える位置に立って、気づかれないように眺めるのが日課だった。

いつも本を読んでいて、少しそれが気になった。同じものを読めば、彼と気持ちを共有できた気になるのではないか、と思った。

ある日電車が異様に混んでいる時があって、国広は押しつぶされそうになる。次の駅で引いたと思ったらそれ以上に入ってきた。ぎゅうぎゅうにされ、国広は鞄を抱え込み、なすがまま。隣の人にぶつかる。さらに押されて、体を押し付けてしまう。身動きなどできない。
「す、すみません……

謝った先にいたのは、いつも眺めてる銀髪のイケメンで、国広はボッ赤くなる。
イケメンに抱きつくように身を寄せる体勢になっていた。

「いや、構わない、こんなだからね」

初めて声を聞いたが、声までかっこいい。

初めて言葉を交わしてしまった。
こんな満員電車だからか、彼は本を持ってない。この距離だと中身が見えるかと思ったが残念。

あの人とこんなに密着してるだなんて

そう思うと恥ずかしかった。
そこからはずっと無言で、早く着け、いや着かないでくれ、と願うばかりだった。

翌日以降は混雑もぜずいつも通りの電車だった。
国広はまた遠くから眺める日々に戻る。

(あの時、良い匂いしたな)とか(結構がっしりしてたな)とか気づけばそんなことばかり考えていた。

あの時の近さを考えれば、本のタイトルを見るために近づくなんて楽勝に思えた。
国広は思い切って彼に近い場所に立ってみる。向こうは気づいていない。そっと本を盗み見る。

しかし入ってくる客が多く、まんばはどんっと後ろから押された。彼のすぐ隣へ。

先日は鮨詰め状態なら、今回は圧迫ないものの、他人と体が否が応にも触れ合うレベル。

(ちっか!)

隣同士密着してしまっている。
彼は本を仕舞わずにいまだに読んだまま。国広的には有難い。

(このまま本見えるかな

その時国広に触れる手があった。
「!」

最初はただそこに偶然触れてしまっただけだと思った。しかしそれが明確な意思を持って動き始めたため確信した。