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木蔦(キヅタ)
2022-10-30 17:17:38
4063文字
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本霊に託された分霊まんばの話【ちょぎくに】
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ちょぎくに
まんばは顕現する前に、本霊の所にいた。本霊は分霊まんばに言う。
「最近俺の力が侵されている。力を取り戻すために、お前に一縷の望みを託す」
そんな大層な役は荷が重いと分霊まんばは辞退するが、無理に押しつけられる。何をすればいいのか尋ねた所、答えが
「神気を侵されるな、純潔を保て。」
とのこと。
具体的にどうすべきか聞こうとしたところで、視界が遮られる。気づいたらある本丸にいた。
神気を侵されるとは?審神者が神を操ろうと侵食してくるのだろうか?しかし付喪神とは言え人間如きがどうこうできるものではない。
幸いにもまんばの審神者は良い人で、まんばのことも大事に扱ってくれる。気を遣ってくれて居心地がいい。神を操ろうとなどとは考えもしてないようだ。
(このまま人の身として過ごしているだけで本霊の望みは叶うのだろうか)
詳しいことは何も言われてないが、神気を少しでも蓄えるべく修行した。
しばらくして演練で本科に声を掛けられる。
その瞬間、なんとも言えない感覚に陥った。
ここからすぐ離れなければと警笛が鳴る。
しかし長義に見つめられると身動きが取れない。長義の整った顔に思わず見惚れてしまう。
「国広」
そう呼ばれた瞬間、甘い感覚が身体を走った。
力が抜け、胸が高鳴った。
これが恋だと自覚するまで、そう時間は掛からなかった。
長義からも求められ、ふたりは恋仲になった。別の本丸なので会える時間は限られていたが、何とか時間を合わせて、逢瀬を繰り返した。
ある日まんばは気づく。
これこそ本霊が危惧していたことだと。
長義に口付けされた時、神気が流れてきた。それはじわじわとまんばに混じり、溶けていった。
「
……
っ」
長義の胸を押し返した。
「
…
嫌だった?」
ふるふると首を振る。だけどこれ以上はしてはいけないとまんばはわかった。
神気を侵すのは審神者じゃなく、同じ付喪神だった。
まんばは長義を避けるようになる。
本霊との約束を違えるわけにはいかない。
本丸が違うので、なんやかんや理由をつけて避けるのは簡単だった。
しかしついに長義に捕まってしまう。
壁に縫い留めるように押し付けられ、すべてを奪い取るようなキスをされる。
それは思わず使命を忘れてしまうほど甘美で気持ちよかった。だからそのまま流されそうになった。
まんばは抵抗する。
長義になぜ拒否するのか問われ、何も言えずに押し黙る。
「仕方ない」
まんばは強引に個室に連れ込まれる。
「お前のことが好きなんだ。一つになりたい」
そんなストレートで愛を告げられ、まんばは揺らぐ。まんばだって長義のことが好きだ。しかしこれ以上神気を混ぜるわけにはいかない。
「だ、ダメだ
…
!」
「嫌じゃないんだ?」
「
……
っ」
「嫌なら本気で抵抗して」
暗(`・ω-)▄︻┻┳══━一転
長義に絆され、身体を許してしまった。キスなんて比較にならないくらい神気が混ざり合ってしまった。
本霊に心の中で詫びる。
でもまんばも長義が好きで好きで仕方なかった。だから申し訳なかったと思いつつも、これで良かったと思う自分もいた。
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