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木蔦(キヅタ)
2021-09-12 15:22:29
3709文字
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赤い糸の話【ちょぎくに】
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ちょぎくに
赤い糸の話
まんばはある日突然赤い糸が見えるようになった。
糸というより毛糸。太い。まんばの小指から糸が伸びてる。
自分の先が気になるが、それより気になるのは長義のこと。まんばは長義の事が好きだった。
まんばはすぐに確認したくて、長義の元へ。
途中、ふたり組の刀を見かける。ふたりの小指は赤い糸で繋がってて、本人たちの様子も仲睦まじい。何組かとすれ違ったがいずれも同じ感じ。
(あのふたりは恋仲だったのか
…
)とか(意外な組み合わせだ
…
!)とか思いながら、まんばは敢えて深入りせず通り過ぎる。
長義の元へ行く。
「あの、本歌
…
」
長義の部屋は他の刀の気配があった。呼びかけてから気付いた。(あ、やばい
…
)と思うが後に引けない。
長義が障子を開けて顔だけ出す。
「おや偽物くん、何か用かな」
「いや、その、来客中にすまない、大した用事は
…
」
まんばは目を見張る。
チラッと見た長義の小指にはたくさんの赤い糸が付いていた。部屋の中へ伸びてる。
「
…
っ!!」
「大した用事じゃないなら後で良いかな、今取り込んでてね」
もしかして仲にいるのは恋刀か!?こんなに糸が多いのはその刀と強固に結ばれているからか、それとも独占欲の強さか
…
まんばはショックを受ける。
長義に振られた。いや結ばれるのは自分だとは思ってなかったし、期待もしてなかったが、彼の相手は別にいると見せつけられたのはショックでしかない。
つらい。
頭をガツンと殴られた感じがする。
「わ、わかった
…
」
ふらふらと踵を返す。
「に、偽物くん
…
?」
「あ、待って!長義さん!」
乱の声が部屋から聞こえた。相手は乱なのか。
「今出ちゃ駄目ですよ!」
続いて秋田の声がした。
待て、複数いるのか??だから何本も付いてたのか?
「あー!絡まった!!」
「包丁!引っ張ると余計
…
!」
粟田口の短刀の声がする。もしかして長義は幼児趣味で
…
?
ギャーギャーと騒がしい。
「あーほら喧嘩しないで」
長義が中に向かって声を掛ける。まんばもつられて覗き込んだ。
中では粟田口数振りがワイワイ
…
。
手には赤い毛糸。しかも絡まったのを直そうとしている。
(あいつらも赤い糸が見えるのか
…
?そしてさわれる
…
??)
「一回切ってやり直そ!」
「切る!?切ったら縁が
…
!」
「もうここまで絡まってたら駄目ですね」
「え
…
!?え!?」
「手出して」
はさみでチョキチョキ切ってる。
まんばは状況が掴めずあわあわ。
「な、なんてことを
…
」
いや長義の運命の相手がいなくなって良かったのか??
「国広さんも繋ぎますか?糸」
「は?」
「今赤い糸ごっこをやってるんです」
どうやら乱が何かの本でそういう話を読んだらしい。それをみんなに話したら包丁がやりたいと言い出して、いろんな刀の小指を繋いでいるんだとか。
「それで長義は
…
」
「長義さんは誰と繋がりたいか聞いたら誰でもいいよって言うからみんなで繋ごうって話になったんです。」
「ああ、なるほど
…
?」
ようやく状況がわかった。
恐らくすれ違った刀達は包丁の遊びに付き合ってあげてただけなんだな。仲睦まじく見えたのは、粟田口の事を微笑ましく話してたとかだろう。
まんばの指に付いてたのも、昼寝してたまんばにこっそりつけたに違いない。
「まんばちゃんは長義の写しなんだから、長義と繋ごうよ~」
「は!?」
「誰が偽物くんなんかと。こいつを選ぶくらいなら猫殺しくんを呼ぶよ」
「えー!!」
長義の悪態にちょっとショック。だけどこれが長義の通常運転だから問題ない。
「それにしても起きたら赤い糸があってびっくりした」
「へ?まんばちゃんお昼寝してたんだ」
「??そうだが」
「他の人達にやってあげたの見たんだね」
「え、他のって、俺にも
…
」
ちらっと見ると長義の小指にまた1つ糸が巻き付いている。あれ?絡まったから全部切ったのでは?
「ほら、俺達は続きをするから、お前は出て行って」
まんばは部屋から追い出された。
(えっと、これは、
…
?)
自分の糸に触れようとするが、そこに見えるはずなのに触れられない。まるでCGのよう。
まんばは糸の先を辿る。先ほどまでいた部屋に伸びていた。そこには今たくさんの刀がいる。
(
……
まさかな??)
ちょぎくにエンド~~!
短い時間でしたがお付き合いありがとうございました!お疲れ様でした!
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