布んばに会う。今日も泣きそうな顔をしてるので、個室がある茶屋へ。やはりつらかったらしく話しているうちに、涙が混じる。
この子の側にいてあげたい。守ってあげたい。もう傷ついてほしくない。
自分がこの子の本歌ならよかったのに。
そう思う。こんな風に想われたらどんなに幸せだろうか。
「もう、いやだ
……っ、つらくて
……」
ひっく、ひっくとしゃくり上げる声を聞きながら、すべて忘れさせてあげたい、自分でいっぱいにしてそんなこと考えないようにしてあげたいという気持ちが溢れてくる。
「
……っ」
|||ω・`)暗転
本丸に帰る。
次の日も数時間だけだが会う約束をした。
長義が支度をしていると、極んばが出掛けるところを見かける。鯰尾が「あれ?お出かけですか?」と話しかけてる。
「デートだ」
嬉しそうに極んばは答える。その瞬間、長義は雷に打たれたような感覚がした。
極んばに恋刀がいる、そう考えるだけで胸が騒つく。不快感が湧いてくる。
極んばが出ていくので慌てて追いかけた。
「おい、偽物くん、どこいくんだ!」
本丸から出たところで、呼び止める。極んばは足を止めた。
「一体どこの誰と会うんだ
…!」
「な、ほ、本歌には関係ないだろ!」
「いいやあるね!」
口論になる。
「あんたの指図は受けない!俺はもう行くからな」
極んばが長義の拘束を振り解いて、無理に行こうとする。ぷつん、と長義の中で何かが切れた。
「行かせない
……!」
地べたに極んばを突き飛ばす。そして覆い被さった。
暗(´・ω・`)転
極んばの肌には情事の痕が残ってて、あそこも柔らかい。そこで男を受け入れたんだとわかる。嫉妬でイライラ。酷く抱く。
本丸のすぐそばなので、見つからないように極んばの口を塞いで、情事に耽る。
ある程度終わった時に我に返った。布んばとの約束の時間が過ぎてる。慌ててLINEを入れる。
既読は付かない。もしかしたら怒って帰ってるかもしれない。
極んばを見ると酷く傷ついた顔。困惑とも取れる。
「なんでだ
……」
「え?」
「なんで俺を抱いたんだ
…!」
「そ、それは
…」
長義自身もわからない。嫌いなはずの極んばをなぜ抱いたのか。嫌がらせか?
いやそうではなくて、自分が抱きたいから抱いたんだと気づく。本能のままに動いてた。誰かが極んばを抱いたと思うと虫唾が走り、その痕を塗り替えたいと思った。
(もしかして、俺は、嫉妬を
……?)
極んばを誰かに渡したくなくて、こんなことをしたとすると、長義は極んばが好きと言うことになる。
極んばがボロボロ泣き始める。いつも強気な極んばが泣くなんて、と目を見張った。息を呑むほど美しい。冒してはいけない神域のような清廉さを受けるのに、情事の痕の妖艶な雰囲気も相まって、倒錯的。
その姿がなぜか布んばとダブる。同位体だからかもしれない。
「ひどい
……」
片腕で目を覆い、表情が見えなくなってしまう。
恋刀がいるのに他の男に抱かれてショックを受けてるんだと思い当たる。しかし長義も極んばが好きだと気づいてしまった。他の男には渡したくない。
「希望なんて、持ってなかったのに
…。持たない方が楽だったのに
……。なんでこんなことするんだ、だってまるで、
……」
「お前のことが、好きだからだ」
そういうと極んばは覆っていた腕を外して、長義を見上げる。信じられないような怯えた顔。そしてショックを受けた様子で視線を逸らす。
「ああ、わかった、お前にとって嫌がらせとか遊びなんだな。俺が傷つくと思って」
「違う!本当に
…!」
「じゃあ他所の写しを抱いたのに、俺を好きだと言うのはなぜだ」
「
…!」
なぜ布んばのことを知ってる?まさか見られていたのか?と思う。
極んばは鼻で笑う。
「あんたの気まぐれで、俺は心乱される。一喜一憂してしまう。
…もうたくさんだ。放っておいてくれ」
極んばは長義を押し退け、ささっと身なりを整えると、去っていってしまう。
長義は追いかけることができない。追うべきだとわかっているが、何を言えばいいのか、何が言いたいのかわからない。
布んばとのことを知られていた。それは二股を掛けていると突きつけられたようなものだ。
そして極んばには好きだと言ったが、長義自身、どちらのことが好きなのかわからなくなっていた。
端末を見る。布んばへのメッセージは既読がついてない。待ち合わせの場所へ向かう。
他の刀を抱いた後に布んばに会うのは罪悪感が伴ったが、待ちぼうけを食らっている布んばのことを思えば、向かわざる得ない。
しかし布んばはいなかった。
それ以降、布んばとは連絡が取れなくなった。そして極んばからも避けられる。好きだと気づいた途端、嫌われる。悲しい。
同じ本丸なので極んばとはたまに会う。しかし目があった瞬間、顔を歪められ、そっぽ向かれる。そんな時は胸がズキッと痛む。
とにかくふたりに好意を持ってしまったので、許してもらえるかは置いておいて、どちらが好きなのか悩む。
そして極んばのことが好きだと言うことに気づく。話せなくて、会えなくてつらいのは極んば。嫉妬も極んばにしかしない。
布んばに対しては「こうあってほしいな」という理想だった。布んばの本歌との仲を気にしたことすらなかった。
布んばに謝ろうと思う。明言はしてないが恋仲な雰囲気になっていたので、恋愛感情はなかったと弁解しよう。
長義は謝りたいことがある、お願いだから最後に会って欲しいと頼む。しかし一向に反応はない。
布んばとの仲を清算してから、極んばに改めて告白しようと考えていたが、難しそうだと思う。
しかし気が変わったのか、いきなり既読が付いた。びっくりする。そして返事も。
『わかった』
時間と場所を指定しただけの淡々とした返事。
それでも急になぜ、と思いつつ、了承の返事を送る。
待ち合わせ場所に行く。
内容が内容なだけに、布んばと茶屋の個室へ。
長義はこの前約束をすっぽかしたことを謝る。
「理由なら知ってる」
ぎょっとする。もしかしたら布んばはあの日情事を見てたのかもしれないと思い至る。
それで傷ついて、LINEにも応じなかったのかもしれない。
「い、言いにくいんだが、俺は、好きなやつが出来てしまって
…。もしかしてお前は、俺がそいつと一緒にいるところを見たのかな
…?」
「認めるのか?写しを弄んでいたと」
「も、弄んだわけじゃない!」
「遊びだったんだろ」
「遊びじゃ
…!」
「じゃあなんで、本丸の写しも抱いたんだ」
息を呑む。
「そら、バレないと思って、内心笑ってたんだろ」
自重気味に布んばが笑う。
「ちが
…!」
「ちょうどいい、俺も謝りたいことがある」
ぱさっと布んばが布を取る。
「俺は、お前の本丸の山姥切国広だ」
その言葉に驚きのあまり、固まった。
じゃあすべて知っていて、近づいたのかと思う。同一人物とは言え、極んばを抱いた時に二股認定された。
「騙しててすまなかったな」
謝罪の言葉とは裏腹に、視線は冷たい。
「嫌ってたはずの俺に惚れた腫れたなんて、どうかしてる。
……だけど納得した。あんたにとって写しは体の良い遊び相手だったんだな。可愛がってたはずの布の俺を簡単に捨てるんだ。大方、関係を続けるのが面倒にやったから切るつもりだったんだろ?元々本丸の俺とは不仲だから、縋ってくるはずはないと思って、本丸の俺を選んだふりをした。」
「ちがう!!」
堪らず声を張り上げる。確かに自分の行動はそう取られても仕方ないが、自分の意見を無視されるのはつらかった。
まんばは大声にびくっと肩を揺らす。
「本当にお前のことが好きなんだ
…!お前に対してのみ、ドロドロとした嫉妬をしてしまう。他の刀には抱かない感情だ!お前が他の刀と仲良くしてるとイライラして、つい八つ当たりをしてしまう
…!そ、それに関しては、お前に辛い思いをさせて、その、すまないと思ってる
……。が!俺の気持ちは否定しないで欲しい
…!確かにお前と他所の写しの間で心揺れたが、こんな気持ちになるのはお前だけだ
…!」
長義はまんばを押し倒す。
「な、ちょ
…!まだ話は終わってない
……!」
「信じてもらえないなら、態度で示すだけだ」
「はぁ!?」
「この前は酷くしてすまなかった。お前に恋刀がいると思って嫉妬してしまった。アレは俺のことって、思っていいよね?俺の勘違いの所為でお前は良くなかっただろうから、今度はもういやってくらい気持ちよくしてあげるから
…」
「待て!そんなこと頼んでない!」
「お前だって俺のことを好いてくれているだろう?」
布んばから相談を受けていたことがすべて長義のことなら、極んばは少なからず長義を想ってる。
ぐぅ、とまんばが口を噤んだ。
「愛してる、俺の気持ちを信じて欲しい」
暗₍₍ ◝( ゚∀ ゚ )◟ ⁾⁾転
ちょぎくにハッピーエンド〜〜!フゥゥゥゥゥ!!
お疲れ様でした!分岐にお付き合い頂きありがとうございました!
本来こっちが本編になる予定でしたが、長義くんがなかなか暗転せず予定が狂いました!(笑)
どうでもいい設定
・布んばを抱いたことは、極んばはそこまでショック受けてない。
そもそも自分は長義に嫌われてて見込みがない。諦め切ってる。せめて普通の関係になりたいというのが望み。
それに布んばの性格も演じてるわけではなく素なので、布んばが好かれることは嬉しい。
どちらかというとその後極んばが抱かれたことがショック。
長義から嫌われてると思ってたから諦めてた。だけど抱かれたことで僅かな希望を持ってしまった。長義は自分など好きではないと律しても、羨ましい・自分も優しくされたい・自分を見て欲しいという感情が湧いてきて辛かった。嫉妬。
・本編でも分岐でも長義⇒布んばの感情は同情・妥協・庇護欲。
恋愛ではない。
長義⇒極んばはどす黒い独占欲・情欲・もやもやするような(長義はイライラと表現)恋心。こちらは恋。
・本編/分岐の違い。ふたりの心情が大きく違う。
鯰尾に聞かれるシーン
本編:長義とのデートで鯰尾に「秘密だ」と言ったのはデートという認識がない。長義に会えることは嬉しいのでうきうき。
分岐:長義と暗転した後なので、鯰尾にはデートと回答。恋仲だと思ってる。騙してる罪悪感はあるけど、それは考えないようにしてる。
告白シーン
本編:極んばはまったく長義に期待感を持ってない。外で襲われたのも殴られそうになったと思い込んでる。
だから告白されても簡単に信じられない。
分岐:抱かれたことで極んばは期待感を持ってしまう。かなり冷たく理詰めしたが、心の中では信じたいと揺れ動いてる。愛されたい。
長義くんの恋心自覚
本編:まったく気づかず。
分岐:暗転をキッカケに気づく。
↓グラさんが別の分岐を書いてくれました!
木蔦さんのお祈り話の分岐を書いてみた
https://privatter.net/p/7323830
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