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木蔦(キヅタ)
2021-04-19 07:36:58
10495文字
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本丸の極んばが気になるのに、他所の布んばも気になる長義の話【ちょぎくに】
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3
ちょぎくに
※サンド
※毎回似たような話ですまん。
長義の本丸のまんばは極。回想もバッチリやって仲は険悪。
ある日長義は極んばに喧嘩をふっかけられ、むしゃくしゃしていた。クソナマイキナウツシ
…
本丸にいたくなくて町へ。そこで布んばに出会う。布んばは少し困っていた様子だったので、長義から声を掛けた。
どうやら布んばも自分の本丸の本歌と上手くいかず悩んでいたらしい。
「本歌を怒らせてしまった、詫びたいのだがどうしたらいいかわからない
……
」
涙ながらにそう語る布んばに心打たれる。こんなに素直な写しに酷い態度を取る同位体はどうかしてると思った。
「教えて欲しい。本歌に何か贈ると喜ぶだろうか。それともやはり写しからの物なんて受け取ってもらえないだろうか」
「うーん
……
個体と状況によるかな
…
何とも言えない」
同位体が意地を張っていたらきっと受け取らない。だけどそんなことを布んばに告げるのは酷だ。
「あんたなら、どんな物をもらったら喜ぶ?同位体ならわかるだろう?」
「俺か
……
」
ふと極んばの姿が頭をよぎる。極んばから何かをもらうと思うと、言いようのない苛立ちが湧いてきた。
「いや、俺は与えられるより与えたい派だから
……
、参考にならないかな
……
」
「そうか
……
」
しょんぼりしてしまった布んばを見て、可哀想になる。
気晴らしにお茶に誘う。長義と世間話をしているとようやく布んばは笑ってくれた。かわいい。
「あんたの写しが俺ならよかったのに」
そう悲しく微笑む。
布んばと別れて、帰路に着く。
戻って早々、極んばと顔を合わせる。極んばは長義を見て顔を歪める。
「なんだその顔は」
「別に」
「何か文句でもあるのかな」
「ないと言ってるだろ」
「いーや、俺に言いたいことがあると顔に書いてある!」
「しつこいな!陰湿にねちねち聞いてくるな!」
結局極んばとは喧嘩してしまう。
また町へ行くとまた布んばと会う。長義がお茶に誘って、楽しくおしゃべり。
「俺は、本歌とこういう風に話せないから、この状況が羨ましい、かな」
布んばが苦笑する。
「そういえばそっちの俺とは仲直りできたの?」
「いや、結局言い出せなくて
……
」
しょんぼりした顔。そんな顔はさせたくない。
「ごめんね、余計なこと聞いたね」
「いや
……
」
まんばがこんなことを言い出す。
「あの、うちの本歌を茶に誘ってみようと思うんだ。す、好きな茶請けはなんだろうか
…
?あんたの好みを教えてほしい、参考にしたい」
「そうだな、甘すぎる物は苦手かな。だから適度な
……
例えば団子とかなら好きかな」
「!そうか、団子を買って帰る!」
健気だなと思う。極んばもこんなに可愛らしかったら、自分の本丸ももっと上手く行ったかもしれない。
ふたりで団子を選んで帰る。
帰ると極んばが他の刀と仲良さそうに話してる。なんだかイライラした。長義には絶対に見せない笑顔をその刀には惜しげもなく見せてる。カチンとした。
「偽物くん、こんなところにいたら邪魔だよ。目障りだからとっとと消えてくれないかな」
怒気を含んだ言葉は相手に伝わったらしく、ムッとしてる。
いくら鈍くてもこんなにストレートな物言いなら長義の感情は正確に伝わったのだろう。
「うるさいな、イチイチ突っかかってこないでくれないか」
「うるさいのはどっちなんだか」
「あんただろ」
布んばの健気さと比べてしまう。なんて可愛くない。
「今後俺の視界に入るな!」
次の非番の日に町に出る。また偶然にも布んばに会う。
「実は本歌に嫌われてしまって
……
いや、元々嫌われてたんだが、もう決定的に
……
」
話しているうちに目が潤んでくる。
「場所を変えよう」
個室の茶屋。長義は布んばの話を聞く。
「そうか、大変だったね」
話しているうちにポロポロと涙が溢れる。
ああ、この子を救ってあげたいな
…
。この子の本歌になれるなら、自分がなってあげたい。
そう思う。
思わずぎゅっと抱きしめる。背を撫でてやれば、布んばが硬直したように固まった。それを解すように何度も撫でる。
(ここまで想われているこの子の本歌が羨ましい。)
「そうだ、連絡先を交換しないか」
「連絡先
…
?」
「ここで何度も会うのは何かの縁だ。またいくらでも話を聞いてあげるよ。会いたい時に連絡してくればいい」
「で、でも
…
こんなに相談に乗ってもらって、さらになんて
…
」
「お前のことが心配だし、ひとりで泣かせたくない。困ったことがあれば、俺に頼って欲しい。お前のことが放って置けないんだ」
布んばは少し逡巡した後、連絡先を教えてくれた。
「いつでも連絡して」
「あ、ありがとう
……
」
少し照れながらそう言う布んばは可愛らしくて、庇護欲が掻き立てられた。
本丸に帰る。
最近極んばからは避けられてる。この前の喧嘩以降、お互い顔も合わせたくなくて、口も聞いてない。
今日は廊下でばったり会ってしまって、顔を歪ませた。そしてプイッと顔を背けると、通り過ぎる。
「本歌、その
…
」
「お前と話すことなんてないね」
それだけ言うとすぐさまその場を離れた。
その後しばらくして布んばから連絡が来る。簡素なメッセージだが所々寂しさが伺えて、何とかしてあげたいなと思う。また泣いてるかもしれない。会って、抱きしめて、撫でてあげたい。
彼には自分がいないとダメだ。
布んばに会う約束を取り付ける。
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