木蔦(キヅタ)
2021-04-03 10:04:27
5514文字
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共犯者のちょぎくに【ちょぎくに】※バッドエンド寄りのメリバ


ちょぎくに
※さにんばあり(性行為表現あり)
※バッドエンド寄りのメリバ

まんばは時の政府で鍛刀された。

最近、歴史修正主義者と言うものが現れ、歴史を改変せんとしていた。それに対抗する術として、刀剣を戦わせようと政府は考えた。そして刀を人型に顕現させる力を持つ審神者を募った。

審神者には最初、一振り刀が与えられる。政府は適性を考え、その最初の刀を五振りに絞った。そこにまんばが選ばれた。

審神者に受け渡されるために政府で量産された。そのうちの一振りがその個体だった。


まんばは人に仕えるのは嫌だった。

刀だから強い敵と戦えるのは願ってもないことだ。しかし人如きの下につくのはごめんだった。

同位体達はまだ見ぬ主に期待や不安を抱いている。卑屈になりつつも認められたいと願うのが山姥切国広の特徴だからきっと審神者のために頑張るのだろう。

ただまんばにとっては絶望でしかない。同位体達を横目にため息。

「浮かない顔だけど、どうかしたのかな」

政府の休憩室で考え込んでいると、誰かに話しかけられた。自分の本歌だった。初めて話す。

「別に」

素っ気なく言うがニコニコと近づいてくる。

「そんなに人間がいやなの?」
「なそれをなんで」
「声に出てたよ」

まさか憂鬱すぎて独り言を呟いていたとは。

「ねぇ、審神者の力に興味ない?」
「は?」

突然何を言い出すのか。霊力は付喪神の方が上だ。

「人間なんかちっぽけだろ、人ができることなら俺たちだってできる」
「人しかできないことがいくつかある。物を励起する力もそのひとつだ。彼らは何かを生み出す力を持っている。俺たちにはない」


『すごい力を持ってるんだから審神者に仕えよう』と説得するつもりだろう。
例えそんな力を持ってようとも傅くつもりはない。

「それを奪おうと思う」
「は?」
「俺はお前と同じでこのプロジェクトは反対だ。だが、それはそれとして、そんな人間がいるというなら、その力を奪いたい。自分のものにしたい。」
「それは、どうやって……
「簡単だよ、審神者を抜け殻にして、霊力を奪い取ればいい」
「そ、それって」

犯罪では、と頭を掠める。
長義の顔からして、悪いことだとわかって言ってると察する。

「俺たちは人には縛られない。末端とはいえ神だよ」
「しかし本霊が許さないのでは」
「還らなければバレないよ」
「俺たちは破壊されればいずれ還る。」
「還ればまた分霊として生まれて人に仕えることになる。しかしその前にその力を手にすれば自由になれる。本霊に罰せられることもない」
「そんなことが可能なのか?」
長義はにっこりと微笑む。

「この戦いは長く続くだろう、長い時を人に仕えて、お前はその屈辱に耐えることができるかな」





長義からの指示はこうだった。
本丸に配属されたら人に従ってるフリをしろと。まず審神者の信頼を得る。十分に油断させろと。審神者の近侍として側にいることがまんばの最初の使命だった。

「お前の本丸が上手くいくようにこちらで調整するし、ヘマをしたら揉み消してやる」
「本歌は、どういうつもりだ」
「俺はいずれお前の本丸に配属される。その時計画を実行しよう。審神者の力は山分けだ。他は指示があるまで待機だ」

まんばは初期刀として本丸に顕現した。長義に言われた通り、審神者に忠実に従った。考えを刷り込む、というのがよくわからなかったが、意見を求められた時は素直に伝えた。

本丸の刀達もまんばを慕い、本丸はうまく回っていた。時折資材を使いすぎると政府から支援が届いた。長義の仕業だとすぐにわかった。





そして、4年の月日が経った。




「随分遅かったじゃないか」
「ん?お前に時間が必要だと思ったが、違ったかな」

長義が顕現し、人目を憚りこっそりと話す。まんばは資材を置きに蔵へ、長義は畑当番で通りかかった所。

「審神者から随分可愛がられてるようだね」
「はっ、反吐が出る。……それよりいつ動く。次は何をすれば良い」



その後は長義の指示で、まんばは動いていく。

本丸を掌握しやすくするために、外部との関わりを断つ。演練などに出ない、万屋にも行かない。

刀達と審神者を会わせないようにする。審神者としての威厳が、などと理由をつけて。

長義の言う通りに振る舞えば、面白いほど思い通りになっていった。

そして長義がとんでもないことを言い出す。

「審神者の寵愛を得て、通じろ」
「は!?」

通じる、は色んな意味がある。だけど話の前後からせっすすしろと言っているのはわかった。

「な、なんでだ!冗談じゃない!意味がわからないし、あんたにそんな事を指図されたくない!しかもあんな人間なんかと!」
「体で深く繋がることで霊力を交える。直接触れれば隷属させやすいだろう。計画のために必要なことだ」
「だからと言って、下賤の者に触れられるなど!」
「ふーん?お前は随分人間のような考え方なんだね。おぼこの娘みたいだ」
「な!」
「清らかな体を穢されたくないって考えてるんだろう。お前は人を下だと見ているくせに考え方は人らしくて笑ってしまうね
「違う!そんなんじゃない!」
「まあいいよ、お前がそう言うことに疎いってわかっていたし」
「違う!」

「俺が試験してあげようか」

気づいた時には押し倒されてた。
察しの悪いまんばでもこれから何をしようとしてるのかわかる。

「い、いらない!」
「お前がここぞという時に尻込みしたら困るし」
「そんなことはしない!」
「いいか、俺だって好きでやってるわけじゃない。お互いの目的のためだ。失敗するわけにはいかない」

ふたりの間に愛はない。ただの共犯者。それを証明するように長義の目は冷たい。

「お前の感じ入る演技が下手な所為であのおっさんが萎えることだってある。俺がちゃんと指導してやるよ」


暗(∩^o^)⊃━☆゜.*転



長義とは最後までしなかった。

散々触られ、まんばだけイかされ、後ろだって解されたけど使わなかった。頭がおかしくなりそうなほどの快楽だった。

ひとりで喘いで、よくなって、後からとても恥ずかしかった。

終わった後がさらに酷くて、長義から「声は我慢するな、その方がやつが好きそうだ」とか「妖艶な演技はやめろ、お前下手そうだし」とか指導が入った。

「まずはちょっとした時に触れ合いをもて」

と長義から指示された。審神者の部屋に行った時、ふとした瞬間に手に触れたり、肩に触れたり、ボディタッチするようにした。

それ以来長義からそういう指導が入るようになった。


相変わらず長義とは最後までしてない。まんばばかりがいっぱいいっぱいで、ぐったりして部屋に戻る。

している時の長義は妙に色っぽくて、まんばは思わずドキドキしてしまう。

恋をしてるわけではない。ただ欲にまみれてるだけだ。
お互いを思いやるなんて関係でもない。


最近審神者のまんばを見る目が変わってきた気がする。ギラギラしている。

いや気のせいかもしれないと思うが、長義に意見を求めることはできない。
審神者は最近部屋から出てこず、会っているのはまんばだけ。

審神者との性交の件を了承したわけではない。
しかしこのままの長義の指示通りに従えばいずれそうなると予測できた。審神者にその気がなくても薬などを使って決行させそうだ。





そして、それはやってきた。

審神者が興奮した様子で突然覆い被さってきてそのまま……




随分と冷静だったと思う。長義の所為かもしれない。頭で考えているよりずっと心の準備はできているようだった。

ああ、抱かれるんだな、と。他人事のように考えた。


暗( ´ - ` )転






初めて挿入されたこともあり、翌日は痛かったり、気怠かったりした。ただ身体は審神者の霊力で満たされていた。

「順調みたいだね」
……

今は長義の顔を見たくない。まんばは無視しようとするが、無理矢理引かれ、壁に押し付けられる。

「独り占めは良くないよ。約束だろ?」
口付けされる。
「ん……っ」
徐々に深くなっていき、頭がぼんやりしてくる。気持ちいい。審神者の時と全然違う。

そう思って、まんばはハッとなる。咄嗟に跳ね除けた。

……っ、や、やめろ……!触るな!」

長義はしつこく迫るかと思ったが、まあいいよ、と去っていった。まんばはずるずるその場にしゃがみ込む。

「なんで、こんなに

利害の一致でこういう関係になってるだ。それ以上でも以下でもない。

いやそもそもまんばは無理矢理やらされてるだけ。審神者の力なんて欲しくない。ただ人の下にいることが苦痛なだけ。それを長義に利用されてる。

しかし自分の目的は人から解放されること。それまであと少し。それにここまで来たのだから引き返せない。

だから目的のために、心を殺すことにした。
その目的だけは達成せねば。何を犠牲にしてでも。



それ以降たびたび審神者に抱かれることはあった。

しかし長義は触れてこなかった。それについては別に何とも思わない。
ああ、練習が不要になったんだな程度。

そしてついに長義が切り出す。

「今夜、決行しよう」

それは審神者の力を根こそぎ奪い、ほぼ死んだ状態にするという意味だった。
審神者を殺してしまったら取り返しが付かない。まんばは今になって尻込みする。

「なんだ、情でも湧いたのか?」
「そんなんじゃない」

審神者を殺すことには何とも思わない。だけど、ざわざわする。何とも言えない、不安に近い感情。

そしてその日まんばとセッに及んでた審神者に長義が呪術を施し、審神者のすべての霊力を奪い取った。
審神者は身体は生きているが、意思すらない。体温のあるしたいのようだった。

それを見ても何の情も湧かなかった。数年仕えてきたが、やはり自分は人間をカスとしか見てないんだな、と。
ぼんやり見ていたら後ろから抱きしめられる。


「長義?」
「        」

押し倒される。さっきまで審神者としていた布団の上。

ギラギラした目で見下ろされ、まんばの体にも熱が灯る。欲しい、求められたい、と本能が叫ぶ。

そのまま貪るような口づけをした。そして、

( ͡° ͜ʖ ͡°)<暗転