木蔦(キヅタ)
2021-03-29 12:15:54
7353文字
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乙女ゲームの世界に取り込まれてしまった長義くんの話【ちょぎくに】





長義さんに!勝利を!(某とくびのラッキーボーイ脇差より)

ちょぎくに

※ツイッター広告の漫画の展開を一部パク……オマージュしました。
※審神者が出てきてしゃべります。


審神者が長義達の事を知って駄々こねた。

「ずるいずるい〜〜!みんなばっかり!リアル乙女ゲーしてずるいー!私もしたかったー!」
「これは巻き込まれたんであって俺たちは遊んでたわけじゃない!」
「事故にしろその状況は羨ましすぎるー!」

長義が近侍の時にあの時のことを聞かれ、話した。
審神者はそんな反応。長義はとても心外。ふたりに塩対応されて、殴られただけ。

「はぁ、乙女ゲーな体験してみたい……
「主も年頃なんだからすればいいじゃないか、れんあ
「それよ!やりたきゃすればいいじゃない!リアル乙女ゲー!」

審神者は名案とばかりに立ち上がり、何かをやった。
良くわからないが、審神者の強大な力を使った。

「これでよし!」
「あ、主?何を
「主、失礼する」

現れたのは布んば。返事も待たずに部屋に入ってくる。

「おま!主に失礼だろ!仮にも女性なんだから許可を得てから入れ!」
「仮にも」

布んばの頭に数字が浮かび上がってる。
数字は10と書かれてる。

「主?これはデス/の残りの寿命が見えるやつか??」

死神の目を使えば、人間達の残りの寿命が数字になって見えるはずだ。死神がそいつを狩れば寿命が自分に加算される。

「違うって。乙女ゲーで寿命見えてどうするの。好感度よ好感度!」

好感度!!

「長義の好感度を可視化したの。私と長義しか見えないよ」
「待て、なんで俺の好感度を」
「刀さには地雷です」
「だからって巻き込むな!俺で遊ぶつもりか……!?」
「さっきから本歌達は何を話してるんだ?」

布んばを見る。変わらず10という数字。少し嬉しい。
「10なんて高いじゃないか!俺はかなり好かれていたのか……!」
「え、長義、これは」
「主君〜!おやつの時間ですよ!」

短刀が現れる。頭には70の数字。

「」
「ドンマイ」

10がMAXじゃないのか……

落ち込んだ。




みんなを観察しててわかったことがある。

0〜20 好きじゃない(ソフトな表現)
20〜50 あまり好きじゃない
50〜70 好き
70〜99 大好き

くらいだろうかと思う。実際人の心は覗けないので、合ってるか確かめようがないが、態度を見る限りこんな感じかなと思う。

(偽物くんの好感度が、気になる!)

まだ会ってない。一体どれくらいなのか。50程度あれば良い方では。あの態度からしてあまり多くは望めないが、それでも期待してしまう。

「長義」
(偽物くんキター!!)

背後から呼び止められる。ドキドキしながら振り向く。

「主がどこにいるか知ってるか?部屋にいないんだが」

出陣から帰ったばかりの極んばがいた。
頭上には「01」の文字。

(終わった……




暗転(気絶)





極んばからは嫌われていた。まさかの1。つまり大嫌い……。嫌われていた。わかっていたが目の当たりにするとつらい……

布団で目が覚める。

傍には極んば。頭上には相変わらずの「01」の数字……

「大丈夫か?いきなり倒れたんだぞ」
「いや、大丈夫だ。偽物くん悪かったね……俺なんかの世話をさせて
「長義?なんか卑屈入ってないか?」

嫌いなのに部屋まで運んでくれたのか。その優しさがちょっとつらい。

「気分が悪いなら主を呼んでこようか?」
「いやいいから、今はひとりにしてくれないか」
……?わかった、でも無理はするな」

極んばは出て行く。

長義は落ち込んだ。どん底だった。深い闇の中、沈みに沈んだ。

しかし長義は元より自分に自信がある性格だった。自分はできる!自分は完璧!自分には魅力がある!

(嫌われてるなら振り向かせればいいだけじゃないか!)

立ち直りは凄まじく早かった。

(今は数値化されてるんだ!どんなことで偽物くんの好感度があがるか確認しやすいはずだ!これはチャンスだと思って、試行錯誤してみよう!)

いろいろ実験的にやってみる。

①仕事を手伝う
「そんなにチマチマやってるのか?俺に任せてみなよ」
書類仕事を奪い、ササっと終わらす。
1が0になった。

②贈り物をする
「これが試作品で配られててね、俺は甘いものが好きじゃないから偽物くんあげるよ」
お菓子をプレゼントした。
0から2になった。

③褒める
「毎日毎日、主の犬のように言うこと聞いて働いて、お前には感心するよ」
2から40になった。


③の作戦がいいらしい!掴みは上々!
嬉しくなる。

「長義、今誰攻略してるの?プレイ状況教えてよ」
「そりゃ偽物く……いや、秘密だよ!」
「いや殆ど聞こえたよ。国広?なんで国広を?」
…………いやその、えっと、ほ、本丸の中で1番好感度が低いんだよ
「へ?」
「ほ、ほら、本歌が写しに好かれてないのはプライドが許さないだろ?初期は1だったし、0にもなったし、散々だよ。今は40にまで上がったけどさ
「え?おかしいよ、だって数値化しなくても、国広が長義のことどう思ってるかなんて。あ
「?」


「長義、今日は畑当番じゃないのか」


極んばが現れる。20になってる。折角40まで上げたのにサボりで減らされたら堪らない。

「い、いや、サボったわけじゃない!だから戻って!」
「戻るのはお前だろ!さっさと行け!」
「あ、いや、戻る!戻るよ!」
「えい!」

審神者が何かやった。
その途端、極んばの数値に変化が起こる。
「20」と書かれた左側に「5」と言う数字。

「は!?」
「ほら、さっさと行け」
「え、いや、待って?それ」
「どれだ」
「待って待って……

70というかなり高得点の短刀だと、笑顔で「長義さーん♥」とぎゅっと抱きついてくれる。
70は結構好かれているレベルだ。

「それ、5.20とかでは……?」
「5.20?何の小数だ」
「20分の5とかでもなく?」
「約分した方がいいんじゃないか?」
「まさか、ごひゃくにじゅうですか……!?」
「なんでいきなり敬語」

三度見する。信じられない。

「いや最近まで301だったんだけど、いつのまにかあがってたね〜」
「天元突破しすぎでは」
「嬉しいくせに♥」
「いや嬉しいけど……

嫌われてたと思ってたので戸惑う。

極んばは長義のことが大好き。
70の短刀が嬉しそうに抱きついてきたのだから、520のまんばなんて長義にくっつきたくてうずうずしてるだろう。
その推測にニヤニヤしてしまう。

「どうした、顔がおかしいぞ」
「同じ顔だろ!」
言い方!と突っ込んだがそれを上回るニヤニヤ。

「いや別に?欲しいものを我慢するなんて微笑ましいなって思っただけだよ?ほら、偽物くん、お前が望むならぎゅってしてあげるよ。俺は求められたら与える派だからね。胸に飛び込んでおいで。」
「は?何言ってんだ」
「自分からは甘えられない意地っ張りさんなのかな?じゃあ俺から抱きしめてあげよう。今日は特別だよ?」

極んばを優しく抱きしめようと近づく。

「気持ち悪い!」

気がついたら布団に寝かされていた。


ラッキーボーイ脇差の加護を持ってしてでも、長義くんにハッピエンドは訪れなかった。

お疲れ様でした!お読み頂きありがとうございました!


↓の出オチをパクっ使っただけです。(主人公の魔法レベルが1002なのに、2桁しか計測されないからレベル02だと勘違いされるネタ)
https://sp.seiga.nicovideo.jp/comic/40386

■好感度の変化
①仕事を手伝う301→400
②贈り物をする400→502
③褒める502→440
畑当番をサボった440→520(サボった事実は許し難いが、話すきっかけができて嬉しい&世話を焼くのは好きなので、無意識に上昇している)

■どうでもいい設定
・70の短刀は秋田くん。
・布んばは思春期の娘バリに長義くんが嫌い。
・審神者は自分が主人公になって乙女ゲーをするのに憧れてたのではなく、登場人物(例えば友人とか)になって間近で主人公の恋が見たかった。だから長義のことも間近で観察してて「好感度高い国広に対して何やってるんだ??」程度に思ってた。
・本丸全員が長義と極んばの気持ちを知っている。