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木蔦(キヅタ)
2021-02-08 16:26:06
4916文字
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神様がいる話【ちょぎくに】
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長義には顕現した頃からバグがあった。他の刀の周りに赤や青のもやもやが見えるバグだった。妖の類ではなさそうだし、ただの視覚の不調だけならばと放っておいた。
過ごしていくうちにそれが規則性を持っていることに気づいた。秋田はピンクやオレンジ、加州は赤や青、大典太は青や緑
…
刀によって取る色が違う。その内それはその刀の感情だと気づいた。しかしそれがわかっても、長義にはただのバグでしかなかった。
長義が顕現した本丸では、写しがそこを牛耳っていた。まんばの刷り込みによって、本丸の刀達はまんばを信頼して、慕っていた。
偽物のくせに、大きな顔をして、本丸を闊歩していた。
ある日遠征でまんばと一緒になった。
「今日は加州清光と一緒のはずだが?」
「代わった」
「なぜ?」
「
……
なんとなくだ」
まんばの感情は読めない。
「お前と一緒なんて反吐が出る」
「すまない、今日だけ我慢して欲しい」
大人ぶって謝罪する様を見て、それもまた癪に障る。
ちらりとまんばを見るとおかしなものが目に入った。まんばは無表情だが、少しの安堵の色が浮かんでいた。
(なんで??)
非番だったのに遠征に行くなんて疲れるのでは?気分転換したかった?遠征先に何か目的が?俺が嫌がったけど引き下がったからホッとしたのか?
なんだか引っかかった。
よくよく観察して見れば、おかしなことはいくつかあった。
まんばは突拍子もないことをよく言い出す。理論的ではないし根拠もない。
だけど必ず良いことが起こる。だから「隊長の言う通りにしておいてよかったねー」などとみんな口々に言う。誰も不思議に思わない。
失せ物をまんばが見つけたこともあった。そんなところ探さないだろうと言うところから出てきた。
「なぜそこにあると思った?」と長義が聞くと「勘だ」と返ってきた。
今までのことがすべて勘であるならでき過ぎている。長義はまんばの本性を暴こうと思った。
長義はまんばに近づき、それとなく探るが、何もわからない。ただたまに長義が話し掛けるとまんばが喜色に染まる。しかしすぐに悲しげな色に変化する。それがいつも不思議だった。
そして、まんばがただ本丸を牛耳っていたわけでなく、まんばの努力の末にみんなに慕われていることを知る。
まんばは周りの刀を様子をよく見て、誠実に接する。気づいたことや心配なことはちゃんと審神者に報告している。近侍としてとても真面目で、長義が考えていたのとは少し違った。
だからついまんばに絆されてしまった。決して号を名乗るのを許したわけではないが、自分くらいは写しを甘えさせてやってもいいのではないかと思ってしまった。
だから悲しく染まる理由を知りたかった。
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