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木蔦(キヅタ)
2020-11-08 17:14:20
8193文字
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王子様的存在のまんば♀が恋を知る話【ちょぎくに】※女体化注意
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それなのに長義の行動が理解できない。納得できなくて、訝しげに見てたら長義がさらに続ける。
「同じ本丸の仲間なんだから、助けるのは当然だろ
…
」
仲間
…
!?
まんばはびっくりする。長義がまんばをそんな風に思ってるなんて思いもしなかった。対等に見てくれてたなんて、と思う。あんな風に嫌がらせするから、そんな風に思われてるなんて思わなかった。女性扱いでも、見下されてもいない。対等に思ってくれてる。
「なら尚のこと、次からは手助け不要だ」
まんばはそう告げると、長義は変な顔をしていた。
長義に助けられてから、なんだかおかしい。あの時のことを思い出すといてもたってもいられなくなる。思わず本丸の庭を全速力で駆ける。
「あ〜〜!失敗した!」
なんであの時上手く立ち回れなかったのか。自分が不甲斐ない。その失敗を何度も思い出してモヤモヤしてるのも自分らしくない。
走ったけど、どうにも吹っ切れなくて頭から水を被る。物理的に頭を冷やした。
「ちょ、まんば何やってるの!風邪ひくよ!着替えて着替えて!」
他の刀がびしょ濡れのまんばに気づき、部屋に引っ張っていく。
「長義さん、今度デートしようよ〜〜!」
「いいよ、どこにでも」
「やった♡」
部屋に向かう途中そんな会話を偶然聞いてしまう。デートとは?確か恋仲の者が出掛けることでは。
ここには女性しかいないから忘れてたが、長義は男性だし、そういうことだってあり得るのか、と思い至る。長義に恋刀がいる、そう思うとなんだか不可思議な感じ。
「ほーらー!まんば、突っ立ってないで風呂行くよ!」
ぐいぐい引っ張られていく。
「
……
」
まんばはじっと顔を見つめる。
「加州はかわいいな?」
「は!?いきなり何!」
「俺とデートしないか?」
「いきなりどうしたの。お前となら喜んで行くけど」
「俺だと喜んでなのか?」
「女の子同士で着せ替えとかして楽しーじゃん。デコらせてよ。」
「すまない、やっぱりやめておく」
「なにさーもう!」
加州の言うお出掛けはデートではなさそうだ。かわいい女の子とのデートは行きたいかもと思ったが、自分には恋愛は無理かもしれないと思う。
そして案の定まんばは風邪をひいてしまう。
風邪ひくなんて情けない
…
と寝込んでいると長義がやってくる。情けない姿を見にきたのか、意地クソ悪いなと思った。
熱や症状を根掘り葉掘り聞いてくる。弱みを見せるみたいで嫌で、黙っていると「喋れないほど辛いんだな」と甲斐甲斐しく看病してくれる。
長義なんかに看病されても嬉しくない。
デートは行ったんだろうか、それともまだなのか、そう考えると胸がシクシクする。恐らく長義には恋刀がいるのに、自分にはいないから負けた気分になってる。
熱で頭がぼんやりしてて、思わず口から出てしまう。
「デート、行ったのか
…
?」
長義はきょとんとしてる。
そこで説明されてようやく、揶揄してデートと言っただけだと知る。恋仲でもなんでもなかった。
「女の子一人で出掛けるのは危険だとごきょうだいからも頼まれていてね」
納得。確かにかわいいから一人歩きは危険な気がした。
「お前も、出掛ける時は俺を誘うんだよ?」
「なんでだっ
…
!」
女の子扱いにプンスカ。
まんばはどこからどう見てもイケメンだし、女性らしさはどこにもない。男の山姥切国広よりも少し小柄な程度だが、それでも165cmはあるので、負けてないと思う。
「お前は大丈夫だって思ってるだろうけど、俺が心配なんだ。頼むから俺のためだと思って、ここは許容してほしい」
まんばはぼんやりした頭で、懇願する長義を見る。いつもマウント取ってくる彼がまんばに乞いてる。なんだか弱みを握った気分になる。
今日は長義の態度がいつもと違う気がするが、弱みを握っていたからかと思う。
「お前がそこまで言うならいいぞ」
よく考えずにそう答える。
「うん、ありがと」
まんばはすぐに元気になる。
病み上がりだからとすぐ出陣編成には入らなかったが、遠征や内番。
その日は買い出しを頼まれる。
「おい、俺を誘えと言っただろ。何ひとりで行こうとしてるんだ」
「は?」
ああ、そういえばそんなことも言ったなぁと思い出す。
「準備してくるから待ってろ。ついでに何か外で食べよう」
まんばはなぜそんなことに??と思いながら長義を待つ。すると戦闘着ではなく私服で来た。
「なんでその格好
…
??」
ひとりでいるところを遡行軍に狙われると危ないから誘えと聞いたんだが??帯刀してるとはいえ、なぜ防御力の低い私服なのか??
「なんでお前はその格好なの?お出掛け用の服は?」
「え?なんで?」
「だってデートだろ」
「デート!?」
(精神的に)男同士でデートはない。まんばは驚くが、言葉のあやかと気づく。大袈裟なリアクションをしてしまった。
「
………
。まあいいや、現地調達で。行こ」
手を握られる。
「え、なんで??」
「迷子になったら困るだろ」
「お前、方向音痴の気でもあるのか?」
「うーん、まあ、そうかもね
…
」
そして服屋へ。いろいろ着せられる。
「なんでだ、女性同士は着せ替えするって聞いたが、なんでお前まで
…
。男だろ」
「男でも着飾る楽しさはあるよ。お前がファッションに興味なさすぎるだけ。うんうん、それ合うね。これ買うよ」
加州はお互いコーディネートしたがってた。ということは?
「待て、お前の分なんか選べないぞ!」
女の子がいっちばんかわいくなる服なら選べるかもしれないが、男は専門外。
「俺はもう私服だから」
「ああ、そうか
…
」
元々着てた戦闘着は紙袋に入れてもらう。なぜか長義が持つ。
「俺が持てるが??」
「お前は俺の手握っててもらわないと、迷子になりかねないだろ」
「でも右手が空いてるし」
「刀たるもの、利き手を塞いでどうする」
「ああそうか」
でも長義はいいのか??と思う。
その後審神者の頼まれ物を済まし、ご飯を食べる。まんばから食べたい物があるか聞くと、すぐにこっちの店が美味いと案内してくれる。
ソファをまんばに座らせ、自分は向かいの椅子。
注文も長義が店員に伝えてくれる。
「なんか、アレだな」
「なに?」
「これ、俺が女だったらエスコート完璧だな」
長義が机にガンッと頭を打ち付ける。
「これはデートだって言っただろ
……
」
「ああ、デート(冗談)な」
なんだか長義がブツブツ呟いてる。
「俺もデートの時参考にするな!」
「いやしなくていいから」
ライバルに塩を送りたくない系
……
?
本丸に帰る。
他の刀に話しかけられる。
「ねえねえ、まんば、長義とデートしたの?」
「え?ああ、デート(ジョーク)な」
「なんかデートの後に不穏な言葉が聞こえた気がするけど」
「それがどうしたんだ??」
「長義と付き合ってるの?」
「まさか!俺は加州みたいなのがタイプだ」
「嬉しいこと言ってくれるじゃん。王子様のお相手に選ばれるなんて光栄だよ」
「あと乱も好きだ。宗三も。ああ、蜂須賀も歌仙も
……
」
「随分好みが広いね??」
「女の子はみんなかわいい」
「
…
わからなくはないけど。長義は好きじゃないんだ??」
「あいつ男だろ」
「まあそうだけど、俺たちに性別なんて関係ないじゃん??男女で身体能力は色々あるけど、恋愛はどっちでも良くない?まんばは本丸のみんなを好きって言ってるのに、長義だけ違うんだって思って。あんなに長義に親切にしてもらってるのに」
まんばはきょとん。
「嫌がらせの間違いだろ?他のみんなには優しいけど」
「みんなに優しいけど、まんばだけ特別扱いじゃん。みんなには困ってるとこを察して声かけてくれるんだけど、まんばは
……
なんて言うか、絡むチャンスがあれば声掛けてるみたいな感じがある」
「は!?どこが!?めっちゃライバル視してくるんだが!?」
「ナイナイ気のせい。いつものお前の思い込み」
「まるで俺が長義の特別みたいじゃないか」
「そうなんじゃない?」
「俺が写しだからか」
「出た、久々」
「ああ!俺が写しだからか!!」
自分の写しだから特別扱いしてくれてるのか!と閃く。
「何考えてるかわかるけど、違うと思うよ
…
?」
「よくわかった!加州ありがとう!」
「ワカッテナイ
…
」
それからも長義が絡んでくることは多々あった。最初は警戒していたものの、仕事を手伝ってくれるため、加州の言う通り親切だっていうことがわかった。理由がわかれば安心するもので、警戒する必要はないなと徐々に打ち解けていった。
同じ顔ふたりのイケメン(自覚はある、綺麗とかいうな)が並んでるとキャーキャー言われるとかそういうのもあるんだろうなと思っていた。きっと長義はモテたいに違いない。
夜、長義が訪ねてくる。男同士の親友レベルになったと思ってるまんばは当然招き入れる。
「ねぇ、そろそろいいよね?」
何がいいのかわからない。きょとんとする。わかってないのを察した長義が続ける。
「俺、お前のことが好きなんだけど」
「!?お前、ホモなのか
…
!?」
「話聞いてた??」
「俺のことが好きなんだろ?」
「わかってるじゃないか」
「つまり長義は男が好き」
「お前は女だろ!大体俺は女だからとか男だからとかで好きになったりしない!」
「???ちょっと理論がわからない」
「もう少しわかりやすく言ってやる!お前が女であろうと男であろうと好きだ」
( ´ ω ` )???
「えええ!?」
まんばはボッと真っ赤になる。あり得ないほどドッドッドッと心臓が鳴ってて、あわあわ。
ぎゅっと手を握られたため、少しでも距離を取るため仰け反る。これ以上近づくと心臓に悪い。
「お前の気持ちが知りたい」
「待て待て
…
!俺はこんなナリをしてるが、心は男で
…
!」
女の子が好きだから、長義の恋刀にはなれないと告げる。
「女の子が好きなの?」
「ああ」
「女の子とこういうことする?」
「え
…
っ!?な、そ、そんなことしない!!お前、女性にそんなことしようと思ってるのか!!はれんちだぞ!!」
「は、はれんち
…
。まあいいや
…
。やりたいとは思わないんだ?俺とは?嫌じゃない?」
「え?長義は親友だからそんなとこ触られても別にぃぃぃ!?ちょっと待て!!」
「嫌じゃないならよかった」
はい、暗転暗転。
ちょぎくにハッピーエンド〜〜!お疲れ様でした!
まんばが全然いうこと聞かなかったので、わんもあちゃんす!!
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