木蔦(キヅタ)
2020-09-19 02:15:16
2201文字
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オメガバ強化週間⑥発情したαがΩを求めて彷徨う話【ちょぎくに】


オメガバ強化週間⑥
ちょぎくに

「あー!くそくそくそ!」
長義はαだった。ちょっとした事件に巻き込まれたせいで、今日は政府に赴いたのだが、そこでΩの発情期に遭遇してしまった。
たくさんのαでΩを奪い合ったのだが、結局手中に収めたのは、そのΩと最初に喧嘩していたαだった。

他のαは悔しそうにくそくそ言いながら帰った。

しかしΩに煽られた身体はムラムラしててなかなか治らない。

Ωが抱きたい。しかし自本丸のまんばはβだし、恋仲ではない。

仕方なく体を鎮めるため、花街へ向かう。

「すみません、生憎ですが今日、山姥切国広は全員他の客を取ってまして
「くそくそくそ!」
「他の刀なら空いてるんですが
「今は彼を抱きたい気分なんだ!」

性欲を持て余したまま帰る。仕方ないから自分で処理するか、と帰城した時だった。
不貞寝したいから、先に風呂に入るかとタオルを持ってウロウロ。タオルどこだとか、風呂の前に先に処理するかとか。

そんなことをしていたら、微かに良い香りが漂ってくる。
「???」
Ωの発情期の匂い。しかしほんのわずか。





まんばはΩだった。しかしβと偽って過ごしていた。

幸いなことに初期から抑制剤を服用していたこともあり、症状は完全に抑えられていた。
症状が軽いうちに服用すると弱い薬でも十分な効果を得られる。逆に飲み損ねたりすると強い薬をいくら服用しても効きが悪い。

まんばはその辺りきっちりした性格で、そろそろかなと思うと早めに飲むのが常だった。

さらにまんばは規則正しい生活を送っており、発情期も定期的だった。予測日ぴったりにくる。まさに健康体そのものだった。

本丸内にαが何振りか顕現している。しかし彼らに気取られたことなどない。恐らくまんばのことをβだと信じ切っていることだろう。

まんばはつい先週、ヒートが終わったばかりだった。次は3ヶ月後。その間に薬をもらいに行かなければならない。

強めの薬はまだあるが、弱い薬がほとんどない。酷い症状に見舞われることは滅多にないので、強い薬はかなり余っている。



まんばは突然目眩がした。思わず膝をついた。
「国広くんどうかした?」
「あ、いや……
心配をかけまいとすぐに立ち上がる。しかしやはり立っていられなくなって、その場にしゃがみ込んだ。

身体が妙に火照ってる。まるで薬を飲まなかった時の発情期のようだ。

しかし発情期は終わったばかりだからあり得ない。だから風邪かとも考えたが、違うような気がする。

何か好ましい香りがする。その匂いは徐々に近づいてきていると感じた。

(もしかしてヒートなのか……?いや、これはもしかして……

まんばは他の刀に大丈夫だと告げて、自室に戻る。
まんばは強めの薬を飲む。すぐには効かないとわかっているが、徐々に熱くなる身体に焦ってしまう。雄を欲して濡れていると触ってもないのにわかってしまうほどに、悪化していた。

「っはぁっはぁっはぁ……

横になり、薬が効くのをじっと耐える。こんなに酷いのは初めてだ。

まんばは動かない頭で必死に考える。

これは恐らくラット(αの発情期)だ。それにまんばは引きずられてしまって発情期でもないのにこんな状態になっているに違いない。
つまり本丸内に発情したαがいるはずだ。誰だと何振りかのαが頭を掠める。

もしかしたらここにいたら危ないかもしれない。まんばはαを呼ぶフェロモンが少なからず出ているだろう。ラットのαがそれを嗅ぎつけないわけがない。

(ここは危険だ、外へ……、いや、こんな状態で外に出たら、無差別にαを誘うことになる……ダメだ……。主に進言して、結界を張ってもらって……

スススス……と障子が開く。まんばはハッとした。

「Ωはここか……
「ひっ……!」
まんばは現れた本歌に驚いた。部屋は本歌の匂いでいっぱいになり、まんばは一層目眩がする。

意識がαに引き摺られる。















Ωの偽物くんが抱きたいと願ったら本当に叶った。

帰城しムラムラを持て余してたら、良い香りがしてきた。それを辿ると初期刀であり己の写しの部屋についた。
障子を開けると、そこには既に食べてと言わんばかりに発情し切っている写しが横になっていた。

「ほ、ほんかぁ

物欲しげな目で見上げてくる。苦しげな表情で、目が潤んでいて、どこからどう見てもαに抱かれたがっている。

この本丸の写しはβだったはずだが、長義の願いが届いたらしい。彼はΩ以外何者でもない。

「すぐに楽にしてあげるからね」






暗 ☆=(ゝω・)/ 転












まんばは状況がイマイチつかめなかった。
首には咬み跡がある。長義によって身体が作り変えられてしまった。これからは長義のフェロモンにしか反応しない。

まんばは頭を抱えた。
どうしてこうなった。

βの初期刀が実はΩで、さらに番ったと本丸中に知れ渡った。



お付き合いありがとうございました!お粗末様でした!





どうでもいい設定
・長義くんは正確にはラットではない。他のΩのフェロモンにあてられて、発情していただけ。
・長義くんは初期刀のまんばのことが無自覚で好きだった。
・大体③のΩんばが悪い。