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木蔦(キヅタ)
2020-07-29 09:54:57
9727文字
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妊娠逃亡【ちょぎくに、みかんば】※現パロ ※女体化・妊娠表現あり
1
2
3
あの子は、俺の子ども
…
?
頭が真っ白になる。
続いて、先程の子どもと自分の似ている所を探す。嫉妬ばかり心が占めていた所為でちゃんと見えてなかった。上手く思い出せない。
ただ瞳の色だけが印象的で、「ああ、そう言えば俺の目と同じ色だ」と思い至る。
次に思い出したのは、当時のまんばの様子。何か長義に言いたそうにしていた。あれは文句か何かだと思ったが、子どもができたと父親である長義に打ち明けようとしていたのかと気づく。
だけど長義はまんばに言わせなかった。話を聞こうとしなかった。それはまんばを虐げてたのと同じようなもの。
だからまんばは逃げたんだと、そこでようやく気づく。
長義のまんばの扱いが、回り回ってこんな事態を引き起こした。もしかしたら今頃親子3人で幸せに暮らしてたかもしれないのに。
今は他の男とまんばは一緒になり、どこからどう見ても、本当の親子のよう。
長義は愕然とする。
「その、えっと
…
」
上手く言葉が出て来ない。もう一度やり直したいとどの面下げて言えるのか。まんばはもう家庭を持って幸せそうにしているのに、それを割って入るなどできない。
何度も口を開いては閉じを繰り返す。どれくらい時間が経ったのかわからない。
三日月がいつの間にか来て、まんばに言う。子どもも一緒。三日月が肩車している。しかしそちらには目も向けられない。
「もう済んだか?」
まんばは長義の方をちらりと見つつ、コクンと頷く。
「じゃあ帰ろう」
もう会えない、と咄嗟に思う。
連絡先も聞いてない、このショッピングモールという手がかりしかない中別れたら再会できる確率なんて低い。
長義はほぼ条件反射でまんばを引き留める。
「え
……
」
まんばはすごく驚いてる。長義はまんばの手を引いてしまった自分に驚いてて、あわあわしてる。
「えーっと
…
」
「長義
…
?」
「まだ何か?」
ずいっと三日月が前に出る。威圧感。
長義は今、結婚相手によってマウント取られてると悟る。
まんばは夫とずっと一緒にいて、愛し愛され、子どもと共に、仲良く暮らしていくのか、と思うと、急に胸に火がつく。嫉妬心。
まんばを奪われたくないと思う。もうまんばの気持ちは三日月に奪われてるけど、取り戻したいと強く思う。
「待って欲しい!お前と、やり直したい!」
「へ?」
「俺に愛想尽かして消えたのは、なんとなく察した!だから、挽回するチャンスがほしい
…
!お前のことが好きなんだ
…
!」
「え!?」
まんばはびっくりしてあわあわしてる、三日月は笑顔だけど静かに怒気が湧き上がってる、子どもだけが状況をわかっておらずパチパチ手を叩いて喜んでる。(ドラマの中の告白シーンだ〜!って思ってる)
まんばはチラッと三日月達を見た後、答える。
「俺一人の問題じゃないから、あんたの気持ちには応えられない」
長義は絶望に突き落とされる。
だけど、理由を考えて、思い直す。
「それは、現状を維持したいから応えられないってことか?」
「え?えと、そう、かな
…
.?」
「お前の気持ちはどうなんだ
…
?」
「俺の、気持ち
…
?」
まんばは黙ってしまう。
まだ怒気怒気してる三日月が声を掛ける。
「国広や、構わず素直に答えてやるといい。これまでの事は考えずに、お前が望む方を選べばいいぞ」
「えっと
…
?」
「俺はお前と一緒にいたい、これからもずっと。お前のことを愛してる」
「え!?」
突然の告白劇にまんばは戸惑う。長義は知ってたという顔。というかなぜまんばが驚いてるのかわからない。三日月と両想いで結婚したんじゃないのか?と疑問。
まんばはさらにあわあわ。子どもはさらに盛り上がって「わー!」と手を叩いてる。
「いや!急に言われても!?」
「伝えてなかっただけでずっと前からだ」
「俺だってずっと前からだ!」
バチバチ。
「きゅ、急にそんなこと言われても
……
」
まんばは真っ赤で困ってる。さっきまでちょっと弱気だったけど、長義は三日月に負けたくなくて、少し強引に言う。
「あの頃!お前は俺を好きだったはずだ!気持ちが変わってないなら、戻ってきて欲しい!」
「えぇ!?な、なんで知って
…
!?」
話には関係ないけど、喫茶店内でそんな話を大声でしてるもんだから、店内は大注目してる。三日月に至っては子ども肩車して、立ったままだし、長義くんも中腰。
だけど3人は会話の内容に夢中で店内の様子には気づいてない。
ほらやっぱり!と思うが、三日月が言う。
「国広、今までお前と子どもを大事にしてきたつもりだが、俺は至らない夫だったか?」
「そんなことは
…
!」
「xxにとっても良き父だっただろう?」
そう言われて、子どもに目がいく。
キラキラした瞳でこちらを見ている。ようやくじっくり見る。
髪は金髪だし、一見まんば似だが、よく見ると目元や唇は自分に似てると思う。自分の分身、とまではいかないが、まんばとは違う括りの自分の大事な存在、半身のように思う。
この子が大きくなったらどうなるんだろうか、どういう性格になるのか、どんな人生を過ごすのか、見守りたいと思う。
視線に気づいたのか、子どもも長義を見つめ返す。
「俺はこの子をそばで見ていたい」
ぽろっと本音が漏れる。今はまんばをどっちがどれだけ愛してるか張り合っていたはずだが、つい子どものことを口にしてしまう。
「え
…
!なんで?」
「な、なんでって、だって俺の子だろ?この子がどんな風に成長するのか、見たい。」
考えてみたら、赤ん坊の頃からここまで成長するのも見逃してる。生まれたばかりは猿みたいだと聞く。どんな風だっただろうか。
泣いた姿は、初めて立った時は、喋った言葉は、
……
「長義は子どもとか、嫌いそうって思ってたんだが
…
」
「嫌いだけど、自分の子は別だろ
…
」
自分の血を半分受け継いでるってだけで、特別。不思議と愛おしいと思う。泣いてたら宥めてあげたいし、笑わせてあげたいとも思う。
逆に他人の子をここまで育てられた三日月を疑問に思う。
「なんで、そんな風に父親をやれたんだ?」
三日月はきょとんとして、当然かのように答える。
「愛する国広の子が愛おしくないわけないだろう」
長義は例えまんばの子だとしても、他人の子は育てられないなと思う。逆にまったく知らない子なら良かったかもしれない。
まんばの子ならつい嫉妬してしまう可能性がある。
まんばが自分以外と作った子だと考えると嫉妬で狂いそうになる。そんな風に優しくできないかもしれない。
「俺はそこまで人間できてない。自分の子じゃない子をそこまで親身になって育てられない。俺は身をひこう。親子団欒してる中に割り込んで悪かったな」
支払いの金を置いて、立ち上がる。
「待ってくれ」
急にまんばに引き留められる。
「あんたから、逃げたのは悪いと思ってる」
「それは聞いたし、事情はわかったからもういいよ」
「そうじゃなくて
…
!それはあんたの気持ちを知らなかったから
…
、俺を好きだなんて、あんた言ったことなかったから
…
!俺はセフレで召使い扱いされてるんだと思って
…
!」
当時を振り返る。確かに家に呼びつけたし、ご飯も作らせたし、想いを告げずに抱いたりもした。それはまんばに伝わってるという前提の行為だったが、伝わってなければそう思われても仕方ない。
何も言わなかった長義が悪かった。
「だから相談もせず逃げた。もう一度あんたとやり直せたらって思うけど、もうそれは俺一人の問題じゃない」
チラッとまんばが子どもを見る。
子どもの幸せを考えるとこのままでと言う意味だと長義は理解する。
まんばから振られる言葉を聞くのはつらい。話を遮って店を出ようと思った。が。
「だけど、あんたと一緒にいたいと思う俺は母親失格だろうか
…
?」
まんばが瞳にいっぱい涙を溜めて、絞り出すように言う。長義はびっくりする。
それはつまりまだ長義の事を想ってるといつこと。今までの生活を壊してでも共にいたいと願ってくれてると言うこと。
「俺の方が、父親失格、というか、恋人失格だった。お前は何も悪くない、俺がもっとちゃんと言葉にしていれば、お前が傷つくこともなかった。すまなかった。できればお前とやり直したい
…
!」
こうして、ちょぎくには再び一緒になった。
ちょぎくにハピエン〜!!長い間お付き合いありがとうございました!見切り発車だったので、どっちとくっつけようか散々悩みましたし、決めた後も全然そんな雰囲気にならずに四苦八苦しましたが、ようやくくっつきました!おめでとう!おめでとう!
お疲れ様でした!読んで頂きありがとうございました!
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