Privatter+
Font
Serif
Sans Serif
Color
Light
Dark
auto
Font size
Large
Medium
Small
Language
Japanese
English
Sign in with Google
Sign in with ID and password
Account ID
Password
Sign in
Forgot password?
Create account
木蔦(キヅタ)
2020-07-29 09:54:57
9727文字
Public
Clear cache
妊娠逃亡【ちょぎくに、みかんば】※現パロ ※女体化・妊娠表現あり
1
2
3
まんばは長義のことが好きだった。だけど当の長義はまんばのことなどなんとも思ってない。ただの腐れ縁。ただの幼馴染。
ある日、そういう雰囲気になって、長義と暗転してしまう。どういう顔をしていいかわからない。恥ずかしい。まさか長義と両想いだったなんて、と思うが、なんだか様子がおかしい。
終わった後も平然としている。普通ここで「実はお前のことが好きだったから抱いてしまった」とかいう話をするのでは?なんだか拍子抜け。そこでまんばは察する。これがセフレというやつか、と。
そう思うと納得できた。
例えばまんばはたまに長義の家に呼びつけられる。ご飯を作らされる。大抵評価は「まあまあだね」。「美味しい」と一度も言われたことがない。料理するのが面倒だから作らせてるに違いない。
長義はまんばの都合なんて関係なしにいつでも呼びつける。まんばが疲れてたり、忙しかったり、私用があったりしても関係ない。気付かないし聞きもしない。
長義からセフレ兼召使い扱いされてることに気づいてしまった。都合がいい人間だと思われている。だけどまんばは長義の事が好きで、抗えない。
まんばはある日吐き気を催す。なんだが違和感。そういえば最近生理不順で体調が悪いのかもしれない。そう思って病院に行くと妊娠してると発覚する。
どうしよう、堕すべきか、いや産みたい、折角の長義との子だ、育てたい、でも絶対に反対される、だって長義とはただのセフレだから
……
、もし産むなら仕事も辞めないといけない、やめてどうするか、実家に帰るか?兄弟達はきっと暖かく迎えてくれる、しかしおんぶにだっこの状態になるのは嫌だ
…
。
まんばは悩みに悩む。悩みすぎてつい会社の同僚に漏らしてしまう。
「お主、辞めるのか?」
「辞めたくないけどな」
「結婚するのか?」
「いや結婚はしない。一人で産んで育てる」
同僚は少し考え込む。
「なら俺と結婚しないか?」
「三日月と?」
「一人で産んで育てるのは大変だろう。ほれ、俺なら金も持ってるし、世帯というものに憧れていた。子どももほしい」
「あんたならもっと良い女性が見つかるだろ。何も子持ちじゃなくても」
「それがな、女運がないのか、よく騙される。その点お前は安心だ、お互いをよく知ってるから、お前はそんなことしないとわかる!」
「うーん??」
まんばは三日月が恋愛結婚を望んでないということか?と思う。こんなにいいやつなのに、良い女性が現れないのはもったいない。
「良い友人を紹介するが?」
「じゃあ良い女性が見つかるまで、俺の世話にならんか?」
「どうしてそうなる」
「言っただろう、家族に憧れてると」
「すぐじゃなくて良いだろ」
「ちょうどお前が困ってる。お互いwin-winだと思わんか」
「でもあんたの世話になるわけには
…
」
「いや俺は生活能力がないからな、お前が来てくれると嬉しい」
その時は考えさせてくれと言ったが、結局三日月に押しに押され、その提案を受け入れることにする。
三日月との生活は快適だった。身の回りのことは何もできない、という割に妊婦の世話を忙しなくしてくれる。機械音痴や世間知らずなど、欠点も多々あったが、仕事では完璧な同僚も同じ人間なんだと思えて、むしろ好感が持てた。不器用なりにご飯を作ったり、洗濯物を干したり。これでは迷惑かけっぱなしだなとまんばは思った。それを言うたびに、三日月は「子どもが生まれるのが楽しみだから、今お前はそれを第一に考えておくれ」と言う。なんだか申し訳ない。
出産時、三日月はわざわざ仕事を休んでついていてくれた。そばで手を握って励ましてくれた。
生まれた時、父親でもないのに本当に嬉しそうな顔をして喜んでいて、まんばは「ああ、この人と本当に夫婦になれたらな」と思う。
血は繋がってないのに、赤ん坊を抱く姿は父親そのもの。
それからも三日月はまんば達に良くしてくれる。三日月といることが自然になっていく。そばにいると落ち着く。
生まれた子どもは長義に似ていた。髪色はまんばを継いだようで、金色。しかし顔立ちや瞳の色は幼い頃の長義そのまま。
産んでよかったと思う一方で、この状況は本当に正しいのだろうか、とも思う。血の繋がりはない父親、本当の父親は何も知らずに別のところにいる。
三日月とは戸籍上は籍を入れてるが、ただ単に利害が一致しているだけで、夫婦の関係ではない。
そんなビジネスパートナーみたいな関係なのに、三日月はまんばに慈愛をくれる。優しい。まるで本当に愛されてるかのよう。
長義のことを愛していたけど、愛されなかった。いつも焦燥感というか悲壮感に苛まれていた。
嘘だとしても、三日月から与えられるものは心地がいい。まんばが求めていたのはこういう関係だったんだなと思う。
三日月が望んでいる本当の家族を与えてあげたい、その思うようになる。
こんな夫だったら幸せだろうなと思う。優しい。子どもとも本当の親子みたい。一緒に遊んでくれて、悪いことをしたら叱ってくれて、まんばのことも大事にしてくれる。
だからこのままずっと一緒にいれたら、と思っていた。
しかし転機が訪れる。
家族で訪れたショッピングモールで子どもが迷子になってしまう。慌てて探すと、三日月が男性と話していることに気づく。何かあったのか、と声をかけると、子どもも一緒で、ホッとしたと同時にびっくりした。
そこには父親である幼馴染みの長義がいた。
長義には何も話さず逃げたという後ろめたさがある。いくらまんばが長義の態度を嫌がっていたとは言え、それを一言も彼に伝えたことはなかった。何も話さずに消えるなど、怒ってるに違いない。それは当たっていて、長義から言及を受ける。
三日月の提案で事情を話すことになるが、話しにくい。
子どもの目の色について触れられ、バレたと思った。瞳の色は長義そのものだ。
仕方なく洗いざらい話すことにする。しかし彼と話が噛み合わない。
ようやく勘違いが起こっていることに気づく。
「だから!父親には相談したんだろ!」
「相談してない!!父親はあんただ!!」
今に至る。
1
2
3
Reaction
If you make a mistake, you can cancel it by pressing the reaction.
Custom color
Reset color
広告非表示プランのご案内