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こꯓレ)ろ🌟🦄🌈🌟
2024-12-06 20:56:01
7901文字
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ひどいのはどっち?
妊娠失踪ネタです。コノチャ♀
1
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3
4
♦︎
妊娠がわかって、休暇のうちに病院に行き、産む決断をしたチャンドラはお腹が目立ち始めるギリギリまで働き、潔く退役する事にした。
周りからは随分引き止めてもらったが、一人で子どもを育てるとなると最低限命の危険が少ない仕事に転職しておくことは必須。
幸いにも軍にいる間に培った技能や知識があれば技術大国オーブでは仕事に困ることもない。フリーのエンジニアとして十分に仕事が得られるし、そもそもこれまでの給料も殆ど使わずに貯蓄してあるので数年は働かずに済む見込みだ。
ラミアスやフラガ、ノイマンからは辞める理由についてだいぶ問い詰められ心配をかけたが妊娠したことは言わないまま辞めた。退役し、ひと月ほど経ってからの報告にした。
ちょっとした手違いで父親のいない子を妊娠してしまったが、産みたいから辞めたと伝えれば概ね察してくれて、コノエとの関係はもちろん誰にも言っていなかったのでワンナイトの相手との子だと上手く勘違いしてくれている。
チャンドラの妊娠が八ヶ月に入った頃、軍の官舎を出て子育ての為に引っ越したアパートにノイマンが遊びに来た。
柄にもなく手土産にシュークリームを持って来てくれて、やけに気がきくじゃないかと問い詰めればラミアス大佐から持って行けと託けられたという。元上司からの手土産を二人で食べながら世間話をする。
ノイマンと話すのが久しぶりで楽しくて、軍を辞めて一人で過ごして随分と寂しかったのだなぁと自覚した。
それとなく心配してくれて、ラミアス大佐やフラガ大佐も気にかけてくれていると知って少しだけ目頭が熱くなる。
身勝手な理由で軍を離れても覚えていてくれているだけで嬉しいなんて。マタニティブルーってやつかな。と考えながらゆったりとした時間を過ごす。
流れで、コンパスの話になった。
「最近ミレニアムが変なんだ」
ノイマンがミレニアムの事を切り出して、ドキリとする。コノエの動向はチャンドラも気にならないと言えば嘘になる。もう関わらないと決めたし、聞き出す訳ではないが、ノイマンが勝手に話してくれる範囲なら不可抗力だろう。
「変って?」
「ハインライン大尉がイライラしてるって言うか」
「それはいつもでは?」
「うーん、そう言われてみればそうかも? いや、前にも増してイラついてる感じがする」
「そりゃまたどうして?」
ミレニアムの話だからと言ってコノエの話題が出る訳ではない。少しばかり彼の近況が聞けるかなと思ったがハインラインの話だったので期待してしまった自分の未練がましい心が情けなくなったし、同時に何もわからなくて安堵した。知れば恋しくなってしまうだろう。
腕組みして首を傾げるノイマンは続ける。
「コノエ大佐がやたらと休みを取るから、新兵器開発の為の予算申請を本部に上げてもらえないって散々愚痴られた」
「へぇ
…
」
ノイマンの口から彼の名前が出た瞬間、また心臓が高鳴って視線が泳いだ。
「コノエ大佐、年次休暇を使い尽くす勢いで休んでどこかに行ってるらしいんだよな」
「へぇ、どこ行ってんのかな」
「ハインライン大尉の話だとどうもオーブに降りて来てるっぽくて」
「オーブに
…
」
チャンドラは声が震えないように細心の注意を払って相槌をうつ。膨らんできた腹を撫でていた手が止まる。
「確かにかなり休んでるっぽいんだよ。ラミアス艦長が連絡してもいつもトライン少佐が代理で出てくる」
「まさか体調悪いとか? コーディネイターって病気しないんじゃ
…
」
流石にそれは心配になって問い詰めるとノイマンはじっとりとした視線を向けてくる。
「な、何だよ」
「お前が辞めてすぐの頃さ、艦長のところに何回もコノエ大佐が連絡してきてた。お前と連絡取りたいって事だったんだけど」
「え」
動揺してピシリと固まる身体。まさか、バレた
…
? 緊張のあまり額にぶわっと汗が滲んだのがわかる。
「退役したって伝えたらどこにいるか教えて欲しいって言われたらしいけど、お前は予備役登録もしてないし、退役後の情報は有事の際以外には原則非公開希望だっただろ? コノエ大佐はザフトからの出向だし艦長は教えられないって突っぱねたんだけど色々理由つけて相当喰い下がってきたらしい」
「へ、へぇ
…
」
最早ノイマンの方が見れない。なんか、バレてるような。
「コノエ大佐がなんて言ってたのか聞かないのか?」
「いや
…
別に興味ないし
…
」
「ふぅん、お前のお腹の子の父親は誰かわからないんだっけ?」
びし。と指をさして問い詰められチャンドラは返答に困った。付き合いが長いノイマンに嘘を重ねて誤魔化せる気がしない。
「うっ
…
」
「いつまでも隠し通せると思うなよ」
ノイマンの口ぶりは厳しい。確かに言う通り、オーブから出るつもりも無く、ラミアスやノイマン達との親交を断つつもりもない。まして生まれた子があの人にそっくりだったら。遺伝子検査を求められたら。
…
バレるのは時間の問題と思われる。
それでも無事に生むまでは、誰からも責められたり怒られたりしたくなくて逃げていた。
それもここまでか、と観念してチャンドラは正直に話すことにした。
「実は
…
一年くらい前からその、たまに
…
こう、二人でプライベートで会うことがあって。うん
…
」
「付き合ってたのか?」
「いや、断じてそんな大層な関係ではない! そりゃ、こっちは好きだったけど大佐の方はあくまで遊びの範疇だからさ」
「はぁ? じゃあ子どもは何で」
「不慮の事故? みたいな?」
「待てよ。おかしいだろ」
「まぁ、途中から何となく避妊しなくなって、でも何にも言わないしコーディネイターだから妊娠なんかするはずないんだろうなって
…
こっちも生理不順だったんで、ピルとか飲んでなくて」
ずっと俯いて喋っていたが、ノイマンが何も言わなくなったのでチラリと視線を向けると呆然としている。
だらしない女と思われてるなぁ、とショックを受けつつも、責任を取る心算はあると主張しておく。
「確かにお腹の子の父親はコノエ大佐だけど向こうはプラントに妻子ある人だし、あの人の家庭を壊してまで貫くのは申し訳ないしこうなった以上消えた方がいいと思わないか? 別に認知して欲しいとか言わないし金にも困ってないし子どもと二人で生きていけると思うからさ! な、という事でサッパリ別れたの!」
できるだけ深刻にならないように明るく言ったつもりだったが、ノイマンの眉間の皺が深くなった。
「じゃあなんでコノエ大佐はお前を死に物狂いで探してるんだよ」
「そんな事知るかよ
…
別にお金とか借りたりしてないけど?」
多分、借金とか無かったはず。ホテル代はいつもコノエが払ってくれていたが半額出すと言ってもいつも断られていたし。
色々とプレゼントされたものを返してないから回収したいとか?
そうだとしたら今更言われても困る。指輪や腕時計など誕生日だとか何だとかで貰ったが軍を辞めたときに今後の生活の足しになるかもと全て売り払った後だ。
「はぁ
…
なんかこれ複雑な話のような、単純な勘違いのような
…
とにかく今からラミアス艦長に連絡して来てもらうからな」
「え、なんで艦長?」
「ラミアス艦長がどんだけお前のこと心配してると思ってんだ! このバカ!」
「ば、バカはひどくない?」
「酷いのはどっちだろうな!」
ノイマンが端末を取り出してラミアスに連絡をとり始めた。怒られそうな予感がする。チャンドラはとりあえずシュークリームを齧った。
小一時間して、チャンドラのアパートにラミアスとフラガがやって来た。どうやら今日は全員休みだったらしい。
狭い1DKのアパートに四人もいると流石に狭いな
…
という感想を抱きつつ、おもたせで貰ったシュークリームを皿に盛って出そうとしたらラミアスに止められた。
「チャンドラ中尉、それはいいからひとまず座って」
「ハイ
…
」
家には二人用のダイニングテーブルしか無い。片方の席にラミアスが、もう片方の席にチャンドラが座った。
フラガ大佐とノイマンはラミアスの後ろに立ってチャンドラを見ている。
久しぶりに会えて嬉しいが今から上司との不倫関係について問い詰められると思うと気が重い。
「あなたね、コノエ大佐と付き合ってたんですって?」
「いや、あの、付き合っては無い? ような
…
」
「コノエ大佐が既婚者だと思ってたんですって?」
「
…
ん? はい」
「はぁ
…
」
ラミアスは深いため息をついて頭を抱えた。無計画な妊娠をしてしまったのは悪かったと思うが、もう関係は綺麗さっぱり清算したし二度と連絡を取るつもりもないのでそんなに怒らないで欲しい。
「もう会うことも無いですし、子どもの事は誰にも迷惑かけませんので
…
その、そんなに怒らないで欲しいと言いますか
…
」
「そういうことを言ってるんじゃ無いのよ!」
「ひっ」
怒鳴られてびくんと身体が震えた。
「マリュー、落ち着いて」
フラガがラミアスの肩に手を置いて宥めてくれて、大変心強かった。が、ラミアスの声のボリュームは一向に下がることはなかった。
ドン。と拳がテーブルを叩いてから言われる。
「コノエ大佐は独身です!」
「え?」
「結婚歴もありません」
「は?」
「どうしてそんな大事なことを確認しないで付き合い始めるの! しかも流されて避妊しないセックスを許すなんてダメでしょう!」
「えぇ
…
?」
俄かに信じられずに首を傾げる。
「あんな素敵で落ち着いた人が独身? そんなわけあります?」
「本当よ。コンパスに登録されている個人情報を見せましょうか? 家族構成もわかるわよ」
「そりゃ個人情報漏洩ですよ。遠慮します」
「もっと知りたがってあげて
…
ここまでくるとコノエ大佐が不憫になってきたわ」
こめかみを抑えながらラミアスが呟く。
そんな事言われても理解できない。どう考えても自分と釣り合うような人ではない。あちらは選び放題、ましてコーディネイターにはチャンドラより容姿の優れた有能な人間も沢山いるはずだ。
「よしんば独身だとして自分のようなチビ眼鏡モブナチュラルアラサー女、お気軽にヤりたい以外の需要あります? むこうは白服のエリートですよ?」
チャンドラは胸の下で腕を組み、逆にラミアスに問いかけた。すると、フラガが唇の端を引き攣らせて呟く。
「なんかコノエ大佐、むごい事になってないか
…
」
「むごいなんて話じゃないわね。ここまで気持ちが通じて無いなんて
…
」
「流石に引く」
ラミアスもノイマンまで信じられないものを見るような目を向けてくる。
「彼はちゃんと告白して結婚を前提に付き合ってたって言ってたけど?」
「結婚? 誰と?」
「あなたとよ」
チャンドラは驚いて聞き返してしまった。ラミアスの表情から見るに冗談を言っているようにも見えない。
フラガもノイマンも真顔だ。
「
……
ということは、なんか会うたびにやたら好きとか愛してるって言ってたの、もしかして冗談じゃなかった
…
ってことッスか?」
チャンドラの言葉に全員が息をのんだ。
「結婚しようって、渡された指輪も?」
三ヶ月前に売り飛ばした指輪のことを思い出してぽつりと呟くと、それはもうこんなに怒られる事があるのかと思うくらいこっ酷く怒られたチャンドラだった。
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