せつが
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11/24伊剣ワンドロワンライお題「ローファー」

学パロです。宮本伊織先生と生徒ヤマトタケル。
宮本先生の懊悩、というお話。
セイバーの性別はどちらでもですが、今回は女子制服を着ています。ミヤセン呼びはみなさんのポストから。
ローファーはほんのフレーバーにしかなりませんでした。学パロをやる口実でしかない程度。
生徒に懸想する部分を書いたらシンプルに「みやもといおりはくそやろう」になったのでご注意ください。
創作ですお話です、良心の自由はあるよねって思っていても、くそやろうなことには変わりはなかったな……



 
 背後に伊織の声がかかる。
 でもタケルは、その声が届いても振り返らなかった。振り返れなかった。
 どうしていいのかわからなくなって、なぜだかこのままではよくない気がして、伊織の前から飛び出した。
 さっきから心臓がどくどくと警告音を鳴らしていて、頭の中はその音に塗りつぶされている。
 きっとこれは、走っているせいだ――
 
 脚を取られた。
 先生の、イオリの、筋っぽくて骨ばった大きな手が、私の脚に触れた。
 長い指でくるぶしを握られ上履きをはかされた。呆れた口調で諭されてしおれていたところを褒められて、ちょっとだけ嬉しくなって……そうしたら、脚を。
 驚いてしまった。
 いままでこんなふうに体に触れることなんてなかったのに、どうして。
 思わず息を飲んだ。呼吸が止まった。触れられたところからびりりと電流が駆けたようだった。ちっとも頭が働かなくなった。
 きっと特別な意味なんてなくて、ただはしたない足をしまえと、それだけでしかないんだろう。
 それでも、口調とは裏腹に大切なものに触れるように、宝物を扱うように、どこまでも優しい手つきだったものだから。


 ――優しいままじゃないか。

 
 全速力で駆けて息が上がり、ぜえぜえと大きく肩で息をする。やっと下駄箱が見えてきた。
 ろくでなし? ろくでなしでおおいに結構。
 
「私にだけ! ろくでなしになってもいいのにっ、な!」
 
 タケルはひと言吠えると、ローファーにはき替えた足で今度は外へと駆け出した。
 外はすっかり夜になり、落ち葉を巻き上げる風が吹くものの、外気の冷たさなどちっともわからなかった。
 行き場のない衝動だけがタケルを走らせている。

 触れられたくるぶしが熱を持ち、むず痒くてたまらなかった。