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朝見草
2024-11-04 20:11:51
Public
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フタバカゲロウのゆめ
参加企画 君のゆめ、春のうつつ(@haruutututl)様
Special Thanks ヤヨイさん
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めざめ
やけに明確に、鮮やかな朝焼けの色が目に残っていた。ガタンゴトンと揺られるがままに座るこれの名前が、列車であると知っている。手に握るこの紙は確か定期券と言って、列車に乗るために必要なものだ。
そこまで思って、いったい自分はいつこんな知識を得たのかと疑問が浮かぶ。手には指が五本あり、二つの瞳で物を見て、同じく五本の指の付いた足は地面を踏みしめる事無く揺れている。この姿は人間と似ているらしい。それも元は持っていなかった知識だった。まだ寒い頃に飛び立ち、同類に会えぬまま凍えてた自分を、人間はカゲロウと呼ぶようだ。届いた『入学式の御案内』の文字が理解できることに違和感を抱くも、きっとどんな者にも読めるものなのだと思うことにした。
「
……
ァ、あ。あー
……
」
慣れぬ声帯。朝焼けと夕焼けの違いなどわからないのに、よく答えられたものである。その後駅員に渡された『旅のしおり』には、ぽつんと花が咲いている。桜という、春の花だ。自分は見たことなどないけれど、綺麗なものだと思う。いつか満開に咲いたところが見れたらいい。緩やかな揺れに誘われ、カゲロウは目を閉じ意識を手放した。
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