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Hizuki
2020-08-24 21:28:57
2773文字
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FF14
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この景色を共に
【FF14】公光。紅蓮祭の花火を第一世界に持ち込んだヒカセンの話。一部5.3メインクエのネタバレありなので注意。一緒に見たいもの。
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彼女から手紙が届いたのは昼過ぎ頃だったと思う。
それを星見の間まで持ってきてくれた衛兵の話によると、すぐに中を見てほしい、とのことだった。
何か問題事でもあったのだろうかと、言われた通りに封を切れば、夜の指定の時刻にペンダント居住館の自室に来てほしいと、彼女の文字で綴られていた。
書かれていたのは本当にそれだけ。
理由は分からないが、彼女がそう言うからには何かがあるのだろう。
その時間までにやるべきことを済ませ、ペンダント居住館へ向かった。
「彼女に来るよう言われたんだが、何か聞いているだろうか?」
「特には何も聞いてはいませんが、私にも手が空くようなら外を見てほしいとは言っていましたね」
管理人に訪ねてみるも、答えは見えない。
どこで落としちゃうか分からないから、といつも預けて行っているという彼女の部屋の鍵を受け取り、そこに足を踏み入れた。
そしてテーブルの上のメモに気付いてそれを手に取った。
『窓の外を見ててね』
首を傾げながら、言われた通りに窓に近付く。
彼女が取り戻してくれたノルヴラントの闇。
月が輝き、星が瞬く夜空。
危険を省みず、本当に大事なものを彼女は取り戻してくれた。
そんな空に突然光が弾けた。
続くのは破裂音。
まるで空に咲いた光の花。
何色もの色が空を彩っていく。
クリスタリウムの皆も見ているのだろう、少し離れたところからも歓声が聞こえる。
5分ほど続いた後に一際大きな光が咲き、空に静寂が戻った。
まずは彼女の話を聞かないことには何も分からない。
とはいえ彼女のことだから、みんなを楽しませたいという純粋な厚意なのだろうと予測はつく。
ひとまずはここに帰ってくる彼女の帰りを待つことにした。
先程の光を思い返していると、ぱたぱたと聞こえてくる足音。
彼女の部屋なのだから当然といえば当然なのだが、ノックをすることもなく扉が開かれた。
「おかえり」
「ただいまー!」
走って戻ってきたのか呼吸が少し荒い。
棚に置かれていたコップを二つ取り、水差しからそれらに注ぐ。
そのうちの一つを私の前に置くと、入れたばかりの中身を勢いよく飲み干した。
「さっきのは一体どうしたんだ?」
窓の向こうを指してそう問えば、彼女はコップをテーブルに置いて楽しそうに笑った。
「夜が戻ったんだからこういうのもありかなぁと思って、紅蓮祭実行委員会に掛け合ってちょっと分けてもらったんだ」
「なるほど」
置かれたコップに口をつけた。
程よく冷えた水がさらりと落ちていく。
唯一彼女だけが原初世界と第一世界を行き来できる。
そして先日街中で大きな荷物を持っている彼女をライナが見かけたようで。
きっとそれは今回のための用意のものだったのだろう。
打ち上げるにあたってはアルフィノやアリゼーにも協力してもらったらしい。
どこでやれば部屋から見えるのかという計算と場所選び、そして実際の打ち上げまで。
「どうだった?」
私の隣に立ち、今度は彼女が問う。
「ああ、とても綺麗だったよ。ありがとう」
彼女や暁の賢人達を原初世界へ戻す方法はまだ完全ではない。
煮詰まらないよう気分転換に連れ出してくれたのだということは何となく察していた。
「
…
本当はさ、二人で見たかったんだ」
私から顔を逸らして彼女は言った。
二人で。
視線は窓の外に向けられている。
「ほら、今回は打ち上げる方だったから。割と思い付きだったから私達でやったんだけど、こっちの職人さん達に方法が伝わったら一緒に見られるかな、とか思うわけで
…
」
少し恥ずかしそうに続けた。
だんだん声は小さくなっていき、手を組んで指先をくるくるとしながら、様子をうかがうようにちらりとこちらを見る。
普段の勢いはすっかり隠れてしまっていて、まるで彼女なのに彼女じゃないように見えてとても可愛らしく見えた。
思わず口元が緩んでしまう。
「なら、約束しよう」
それは、今の私が彼女に残せる数少ないもの。
工芸館の職人達の力を合わせれば、きっと花火自体は作れるはず。
「約束?」
「ああ、いつか二人で花火を見よう」
それこそこちらで原初世界のような祭りごとをしてもいいかもしれない。
人々の息抜きや娯楽にもなる。
あとはその機会さえあれば。
「
…
うん、約束だよ」
二人で、というのがどういう形になるのかは分からない。
約束とは言ったものの、本当に叶うのかどうかも分からない。
それでも、彼女が私と共に見たいと願ってくれたことが嬉しくて、約束の小指を絡めた。
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