蘇芳
2022-12-18 14:46:37
4773文字
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診断メーカーと短文のまとめ2

軌跡のクロリン。診断メーカーと1000文字以下の短文をまとめたものです


 診断メーカーのまとめ

貴方は蘇芳のクロリンで『御馳走様でした。』をお題にして140文字SSを書いてください。
#shindanmaker
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 ソファに座っているリィンが何とも言えない微妙な表情を浮かべていた。緊急性は感じられないため軽い口調で何事かと訊ねてみれば買い物をして、おまけで貰った飴を食べたら不味くはないんだが、とリィンにしては歯切れの悪い返答。
 口に合わないなら出したらどうだと言えばそこまでじゃない、らしいが微妙なんだよなとリィンが眉を寄せる。
 なんだか逆に味が気になり俺にもひとつくれと手を出すも、ひとつしか貰っていないから無いとのこと。無いのか。無いと分かると余計に味が気になる。
 リィンの隣に座り、ちょいちょいと指で俺はリィンの口を指し示す。ぱちぱちと目を瞬かせ、きょとんと可愛いらしい顔で俺を見るリィンの顎に手を添える。
 からっと音を立てて、俺はリィンから頂戴した飴を口の中で転がした。
…………ホントだな。すっげぇ、微妙」
「言うことは、それだけか?」


※※※


貴方は蘇芳のクロリンで『言ったもの勝ち』をお題にして140文字SSを書いてください。
#shindanmaker
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「クロウが作ったフィッシュバーガーが食べたい」
 朝食後の珈琲を飲みながら一息ついていたところで、不安を隠すように両手で持ったカップで口元を隠しながら上目で紡がれたリィンの言葉に目を瞬かせたクロウは直後に、ゆるゆる目元を緩ませ「もちろん、いいぜ」と甘さが乗った音を言葉にした。
 必要なもんを買って魚は釣りに行くか? とんとん拍子に決まる今日の2人の予定にリィンは嬉しそうに微笑んだ。


※※※


貴方は蘇芳のクロリンで『ご機嫌取りも楽しみのひとつ』をお題にして140文字SSを書いてください。
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 不機嫌です、と表情や態度に隠さず表すリィンは貴重だ。そもそも機嫌、という己の気分ひとつを取っても誰かを慮ることが先立ち、滅多に己の負の感情を表に出さないリィンがクロウの前ではこれである。
 ぱちぱち、じゅわじゅわ。そんな音がキッチンに響き、香ばしい匂いが鼻に届く。リィンご所望のクロウ特製フィッシュバーガーが作られていく音だ。魚につけた衣が綺麗に色づき食べごろだな、と油から上げる。余分な油をキッチンペーパーが吸っている間にバンズや付け合わせを用意して、あとはフィッシュフライをのせるだけ。
 そわそわした気配を感じたクロウは皿にフィッシュバーガーを盛り付けながら、にやにやとだらしないと言われても仕方がない顔を、リィンに見られる前に何とか引き締める。
 不機嫌なリィンも、そのリィンを宥めるのも甘やかすのも。機嫌が直って気恥ずかしそうに頬を染めるのも。おずおずと、更に甘えてくるのも全て、クロウだけが見られるものだから。


※※※


貴方は蘇芳のクロリンで『全部全部、君のせい』をお題にして140文字SSを書いてください。
#shindanmaker
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 すっかり肌寒い季節になり厚手の毛布なしでは眠れなくなってきた。
 冷たいシーツのベッドに横たわると体の熱を奪われて、じわりじわりとシーツが温まるが、それは自分の体が触れた部分のみ。ほんの少し動くだけで冷々としたシーツがそこにはあった。
……寒い」
 毛布を鼻先まで上げて、思わずぽつりと零れた言葉。
 寒いのは寒いのだが、リィンはそこまで寒さに弱くない。寧ろ強いほうだと自負している。それなのに妙に寒くて寒くて。
 理由なんて考えなくてもわかっているのだけど。
 いつもより広いベッド。リィンの隣には人、ひとり分の空間。
「ひとりだと寒いじゃないか」
 それに寂しい。素直な言葉がぽろり。
 帰りは遅くなるから先に寝てろよ、と言われベッドに入ったのはいいが果たして眠れるのか。溜め息を吐き出したリィンは常ならそこにいる人を思いながら、ころりと横を向いた。
 一緒に住むようになり、同じベッドで眠るようになって最初の頃は、いたたまれなさが強かったのに。今では隣にいないと落ち着かない。
 ひとりで眠るのを、難しく思うなんて考えもしなかった。だから早く帰ってこい、クロウ。


※※※


貴方は蘇芳のクロリンで『長く一緒にいた影響』をお題にして140文字SSを書いてください。
#shindanmaker
ttps://shindanmaker.com/375517

 クロウがリィンと共に暮らすようになって、幾年の時が流れた。一緒に住むようになるまでに仲間を巻き込んだすったもんだがありもしたが、それも今ではいい思い出のひとつになっている。まあ、この話をするとリィンは今だに顔を赤く染めるのだが。
 生活する場が同じになった最初の頃は、互いに気を使いすぎて衝突したこともあった。ぶつかり合い言葉を重ねて生活する場が自分の、自分達の家になっていく過程はもう二度と味わえない、尊いものだったと今ならわかる。
 一緒に暮らしていれば役割分担ができるものだ。得意不得意や時間の都合、これも話して決めたり気づいたほうが手を出したり。
 そこで今日のクロウは風呂当番だ。そろそろ浴槽に湯を張らなくては、と浴室に向かったクロウは口笛を吹きながら温度を調節して蛇口を捻る。勢いよく出てきた湯を確認してから浴室を後にしたクロウは、ここ最近で一番気に入った入浴剤を、開けた戸棚に並んだ青と赤の入れ物の、青いほうから取り出して手にした。


※※※


貴方は蘇芳のクロリンで『君という名の』をお題にして140文字SSを書いてください。
#shindanmaker
ttps://shindanmaker.com/375517

 日がすっかりと落ちた星が瞬く空を背景に、目的地に向かってクロウはバイクを走らせた。
 早く辿り着きたいとバイクの速度を限界まで上げたくなるが、いくら己しか走っていないからといって最近ではバイクも車も一般に流通するようになって、いきなり横路から出てこないとも限らない。グリップを強く捻りそうになるのを、ぐっと堪える。
 普段から安全運転は必須だとクロウに、自身にも口をすっぱくして言う相手がいるところに向かうのだから、身も引き締まるというものだ。バイクをぶっ飛ばそうものなら観の目で確実に見抜かれるので。
 偶然にも出先が重なり、デアフリンガー号が停車した演習地の入り口の前でバイクを停止させ、クロウは手でバイクを押しながら入り、リィンや生徒達が乗るバイクが並んでいる場所に停める。
 夕飯を終えて寝るまでの自由時間も過ぎ、生徒達は割り当てられた部屋に引き上げているようで静寂が満ちていた。その演習地を突き進み、クロウは迷うことなく教官陣の部屋がある車両に入る。そして、これも迷わずリィンが使用している部屋のドアを開く。ありがたいことに、クロウが訪れるとになった時にリィンの部屋に泊まれるよう取り計らってもらえたからだ。
 ドアを開けた先は、どこまでもクロウにとって心地よい気配で満たされた空間。
 クロウの姿をみとめたリィンの目が、甘く緩む。
「おかえり、クロウ」
 穏やかで愛しい声音が、クロウの耳をくすぐる。家ではないから、いらっしゃいが正しいのか? でもクロウにはおかえりって言いたかったから。ふわり、と顔をほころばせたリィンを目の前にして、ふっ、とクロウの肩から最後まで残っていた力が抜けた。
 ああ、ここがどこだろうと。リィンこそが。
「おう、ただいま」
 なにより、この言葉を音にする在り処。


※※※


【33】クロウに寝かしつけられると素直に眠るリィン。そしてその寝顔を眺めている内に隣で寝てしまうクロウ。二人とも可愛いね。
#お題ガチャ #とにかく平和な推しカプ ttps://odaibako.net/gacha/4167?share=tw

 誘いて夢を結ぶ

 忙しい時期になり睡眠時間を削り始めたリィンをまだ日が高い時間に捕まえたクロウは、引きずるようにリィンを自宅に連れ帰り、コートとベストを剥ぎ取って上半身をシャツだけの姿にして、ベッドに押し込んだ。
 リィンをの服の剥ぎ取りに慣れているクロウの手に掛かれば、ズボンも容易いがそこに手を出すと、リィンの本気の抵抗を受けるとわかりきっているので下半身はそのままにして。
 開きかけたリィンの口を己の唇で塞いだクロウは、すかさず上着を脱いで放り投げ、ベッドに押し込んだリィンの隣に自身を横たえ、適度な力強さでリィンを抱き込む。
「30分したら起こしてやるから、寝ちまえ」
……クロウは、ず、るい……おれがこの、あったか、いのに、よわいの……しって」
 肩から余計な力が抜けるよう頭から首筋。肩に背中と撫でながら、クロウはリィンの顔中にふわりと、羽が触れるような口づけを落とす。
「褒め言葉だな。──おやすみ、リィン」
「んぅ、ぉ、や……み」
 完全に閉じたリィンの瞼にも、クロウは柔い口づけを降らせた。
 抱き込んで、ふたりの間に隙間なんてない距離でやっと聞こえるリィンの寝息に安らかな寝顔。触れ合った体から感じ取れるリィンの鼓動にクロウの瞼もまた、ゆっくりと閉じられた。