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スサ
2024-09-27 17:55:17
4488文字
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【現パロ鬼水】おめかし父達の話、合鍵の話他
シネコンパロというか楽団の同僚で親友の父達と息子、せがれが小さい頃から水大好きでいずれ陥落させられる話…の一部、短編3本です
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夜のドライブ
『みずきぃ〜〜〜!』
通話を押すなりいい年をした男の情けない泣き声が飛び出してきた。思わず携帯を自分から離す。
「なんだ、いったい。ろくでもないことなら切るぞ」
風呂上がりでまだ濡れている髪をがしがし拭きながら答えると、鬼太郎が
…
と聞こえたので真面目に聞くことにする。
「鬼太郎になにかあったのか?大丈夫か?おい、鬼太郎か奥さんにかわれ」
お前じゃらちがあかん、と気のおけない友人ならではの無遠慮さで言えば、電話先でガサガサ音がし、『こんばんは、夜分すみません』としっかり者の細君の声に代わる。
「こんばんは。あの、鬼太郎になにか
…
?」
友人の子、にするには過分な対応と愛情ではないか
…
いうことは水木も薄々気づいているのだが、まだ赤子の頃から懐いてくれていた子に愛情を注ぐなというのも無理な話であって。
しかし水木の心配をよそに、岩子はころころと笑った。どうやら深刻な事態ではないらしい
…
?
『うちの人が鬼太郎が残しておいたハート型のピノを食べてしまって』
「
…
?」
理解が追いつかず、水木は瞬きした。
『鬼太郎、水木さんにハートのをあげたくてそれだけ食べないで冷凍庫に入れておいたんですけど
…
』
妻の苦笑に、すまぬ鬼太郎〜と泣く夫の声が重なる。水木はといえば盛大にため息をついた。
「おい」
『なんとかしてくれ水木や〜、せがれが口をきいてくれんのじゃ
…
』
「おまえが悪い。謝ったのか?」
『当たり前じゃ!じゃが許してくれん
…
部屋から出てこん
…
』
めそめそ泣いているが、友人に酌量の余地はなさそうである。鬼太郎は優しい子なのでそのうち許してはくれるだろうが
…
。
はー、と水木はため息をつき、時計を見る。21時を回ろうかというところ。さて、幼子は早く寝るべきだが
…
。
「岩子さん、ご迷惑じゃなければ鬼太郎とドライブに行かせてもらえますか?」
『え?』
「なに、遠出はしません。そのへんのコンビニでアイスを買ってくるくらいです」
あら、と岩子の声が華やいだ。
『それはあの子喜びます。でも、お願いして大丈夫ですか?』
「はい、もちろん」
『みじゅき〜〜〜ありがとうのう〜〜〜〜!』
「ゲゲ郎は反省しろ!奥さん、鬼太郎に声かけておいてもらえますか。15分くらいで行けます。でも寝てたら寝させておいてくださ
…
」
最後まで言い切る前にバタバタとまた音がして、幼い声が
…
『みずきさん!?みずきさんくるの?!おとまり!?』
「
…………
まだ起きてるようだな」
ゲゲ郎のせがれや〜と謝る声も聞こえるが、鬼太郎からの返事はない。相当お冠のようだ。
「おとまりはしないけど、ドライブしないか鬼太郎」
『
…
!いくっ!ぼく、ぼく、遊園地いきたい!』
「遊園地はもう今日はおやすみかな。また今度な」
『
…
やくそく?こんど?』
「ああ、また今度。15分くらいしたら行くよ。時計の針が、そう。鬼太郎は賢いな。1から3になったら15分。学校入る前からすごいな!」
手放しで褒める。本心ではあるけれど、過剰なくらいに褒めてしまうのは一種の癖だ。電話の向こうでは鬼太郎がみずきさんとドライブと幼い声で繰り返す。それを聞いたら、何でもしてやりたくなってしまう。
「またな、鬼太郎。ちょっと待ってて。でも眠くなったら寝てていいぞ」
起きてるもん!という元気な声を聞く限り、水木が到着してもしっかり起きていそうだ。夜更かしさせてすみません、とだけはあとで鬼太郎の母たる人に謝っておかねば、と手早く着替えながら水木は思った。
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