著者: 雷歌/らいと
2018-11-29 16:02:55
3435文字
Public バンやろ
 

【bnyr / 宗翼宗】11月29日の小説用お題ったー。より

らいとの宗翼宗へのお題は『誰も知らない二人だけの秘密・罪なのか、それとも・好きだと言わせてみろよ』です。
https://shindanmaker.com/67048

※時系列は別。

1.誰も知らない二人だけの秘密

 時折、何かを考えすぎるのだろう。
 ライブ後の、いつもの二人だけの秘密な行為の後、翼はそんな時に必ず言う。
「もう、これで最後にしない?」
 どうせいつものように考えすぎて頭がぐるぐるになって暗い未来しか想像できなくなったに違いない。その結果、この関係性を終えれば宗介──俺は、将来迷わずにすむ、とか考えているのだろう。
 俺の考えが行きつかない先の先まで考えてしまう翼は、頼りになるしすごいと思っている――本人には言わないが――のだが、だからこそネガティブなことにすぐにとらわれてしまう。
 ため息をつけば、翼は肩をびくりと揺らした。
 だから俺はいつも通り、翼の胸倉をつかんで引っ張り上げるのだ。暗いところから、ステージのライトがあたるところまで。
 乱暴に、口と口をつけるだけのキスをする。驚いたように目を見開くのを見て、してやったりとほくそ笑んだ。
「てめえが、これを拒むようになったらやめてやる」
 そんな日はこないだろう、という確信はしている。悔しそうな顔でこちらを見る顔に、いい加減に腐った考えをするのはやめればいいと視線を返した。
 やがて頭を振って、しょうがないなあ宗介は、なんてことを抜かしやがる。
「ああ?」
「俺のテクニックに病み付きなんだろ? まあ俺って器用だからさ」
 いつもの調子で茶化すように言う翼に少しだけイラッと来て。だからもう一度、イラついた勢いそのままで胸ぐらをつかんで引っ張った。



……なんすか、二人とも口切ってますけど」
「うるせえ」
「ただの喧嘩」
 調子づく口を塞ごうと、もう一度口付けようとして失敗した。勢い付き過ぎた結果、唇を挟んで歯同士をぶつけ合ってしまったのだ。
 ひりつく口に、軽く舌打ちをする。
 こんな格好悪い話は、永遠に二人だけの秘密だ。

end.