澄ひろえ
2020-04-09 17:23:31
2032文字
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嘘と友と真実と

ククゼシエイプリルフール三部作(TLにあげたもの)を加筆・修正したものです。
すれ違い編・リカバリー編・決着編にてお送りします。

エイプリルフールククゼシすれ違い編
「何なの、話って」
 リーザス村の外れに呼び出されたゼシカは首を傾げる。
「ゼシカ・・・結婚してくれ!」
 指輪の入った小箱を差し出しながら俺は言い切った。
 が、ゼシカはみるみる眦がつり上がっていく。
「アンタねぇ、もうちょっとましな嘘は吐けないわけ!?」

「は?」
 俺の思考は一瞬止まる。が、すぐに脳が急速回転し始める。
 今日・・・4月1日、エイプリルフールだ!
 俺、何で、こんな日に大切な事・・・。
 ・・・・・・。
「・・・ああ、嘘だよ。ゼシカと結婚したいなんて嘘だから」
「・・・そう、よね」
 今度はゼシカの顔が悲しそうに歪む。

「・・・もう、いいわよね。じゃ・・・」
 ゼシカは、俺の顔を見ないように、俺の横を通り過ぎて去って行った。
「・・・やれやれ、どうして気付かないかねぇ・・・」
 指輪の入った小箱に目を落として、俺はため息をつく。
『ゼシカと結婚したいなんて嘘だから』
 この言葉が『嘘』だって事に。