マイ・リトル・スネイル“裏”

番外編 バベル本編が始まる少し前のお話です。

“お会い出来て光栄です”
“本社にラボを建てて下さるなんて……なんとお礼を申し上げれば……
“スネイル、こっちに来て挨拶して?お母さんとお父さんの恩人よ”

今でも鮮明に覚えている。
あの子と初めて会った日の事を。

君は私と初めて会った時、私が怖くてお母さんのスカートにしがみついていたね。
小さな手をしろくなるまで握りしめて、ちぢこまっていたことを私はよおく覚えているよ。

「坊や、林檎は好きかい?」

私が庭で育てた林檎を見て、キラキラと目を輝かせてくれたこと。
赤い林檎に赤い頬を寄せて、美味しそうに頬張って、林檎を食べたあの瞬間は私の宝物だ。

「おじさん、名前はなんていうの?」
「おじさんの名前はねーー」