2 ラ・ビブリオテカ・デ・バベル


朝、目覚めたら知らないベッドの上に居た。
仕事の書類や食べかけのナチョスや読みかけのコミックが置かれた狭い寮の簡易ベッドじゃなく、だだっ広い部屋のダブルベッドで目覚めたんだ。

僕は昨日、ヴェスパー基地内にある自室にいた筈。
夜中に部屋に帰って、料理を作るのも億劫だから、トルティーヤチップスにチリコンカンの缶詰をぶっかけて食べてた。
途中で眠くなってソファーに腰掛けたままウトウトしてたのは覚えてる。

しかしここにはソファーも無ければ食べかけのナチョスも無い。
ここはどこなのか。
ベッドから起き上がったその瞬間、僕の脳内のマイクロチップが僕の記憶を掘り起こす。
ここが僕の今の住まいであることを思い出す。
僕が病気で、ヴェスパーを辞めさせられたことも思い出す。

ナチョスを食べて寝落ちたのは半年も前だ。

また記憶がおかしくなっている。
病院に行かなきゃ。