akinoshiroihana
2024-08-12 22:21:53
1969文字
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隼人の日




(25.8.10 浦上天主堂80年ぶりに二つの鐘戻る)


立秋が告げられた後のまだまだ灼熱のさなかを、早乙女博士と夫人が研究所職員の早めの盆参りに忙しくする頃を、その分彼等しかいない早乙女邸の居間において、ただの語呂合わせで今日はお前の日だ隼人の日だと勝手に決めてにこにこするのは流竜馬だ。ああそうかいよかったじゃねえかとだけ流すのが神隼人だ。

ふとテレビが昨日の世界の裏側の事などを映して報じる。四半世紀前の日本の出来事について、教会で祈りを上げる人々の姿があるのに、うん、と隼人が首をかしげて胸元に手を遣った。

長い坂と眩しい緑
白い長いレース地の手袋に手を引かれていたような、抱かれていたような
鐘の音
昔は二つの鐘が鳴っていたのよ
でもお空から降って来た  が―――
青い空を見上げたまま建物の薄闇のひやりとした中に入って行く
頬が黒く焼けたままの、聖なる母

ああ
何年も前の昨日、母さんは俺を連れてあそこに祈りに行っていたんだ
母さんがそうしたなら、ガキの俺もきっとその隣で、素直に本気でお願いしただろうな、神様に。

ヘイワを。

ほんの少しの何かといっしょに、二人だけの勝手な記念日を祝おうとしたというのに、たまに隼人はとんでもないものを選ぶんだ、と竜馬は肩をすくめ、野の青い花を背中に隠し、いいさ一緒に手に入れようぜ共同作業だとにこり笑った。

部屋に入ってきたミチルに「あら結婚式みたいだわよと言われて彼が盛大に冷茶を吹いたのはまた別のはなし




↓単独キャラ絵ばかり出てたので、ヤベッとカプ臭を消して出した当日バージョン