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ガイベル
2024-07-20 22:30:29
4629文字
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お話
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過去とそれから
特に今日という日には関係のない小話2つ
(絵作業でヒーヒー言う間に謎にできたため…)
1
2
3
『色違いの』
軽快で楽しげなBGMがかかる、ここはおもちゃ屋。
フレンドリーな店主さんのいるこの店は、大きな娯楽施設があるわけでもないこの町で、こどもたちの流行りの発生源になったり、何ともなしに集まるような、そんな場所だ。今日はそこに2人の姿がある。
ぼくの隣にいるサニーくんが目の前の筐体にコインを入れて、ダイヤルを回す。ガチャンという音と共に、排出口から小さいカプセルが出てくる。取り出したカプセルの中心にある線を、両手で潰すようにして開けると中の景品が何だったのかがわかる。それは小さなフィギュアだったり、遊べるおもちゃだったり
……
ときどき、よくわからない何かだったりする。
出てきたそれが彼にとって当たりなのか外れなのかは、今のぼくには窺い知る事ができなかった。先程から続けて回していると言うことは、何か目当てでもあるのかな、と思うけど。無言で立て続けにガチャガチャしているものだから、ぼくがお節介を焼く余地もない。
……
もし自分が代わりに、サニーくんの欲しい物を出してあげられたら、喜んで貰えるかな?とか。そういう気持ちが、ほんのりあったりもして
……
、ずっと様子を見てはいるものの。
「何か欲しいものがあるの?」
と横から聞いてみても、うーん
…
という空返事が返ってくるだけだった。
ぼくが特に役に立たないまま、ガコン、とまた目の前の箱から音がして景品が落ちてくる。結局それからも何度か同じことを繰り返して、彼の両手と膝がいっぱいになる頃に、サニーくんはコインを入れるのをやめた。
そうして出てきた景品を見比べていたサニーくんは、手にしたその中の一つをぼくに差し出してくる。
「あげる」
ぼくは特に何も考えずにそれを受け取る。
「いいの?」
こくり、と頷きだけで肯定の意を示された。
まじまじとその景品と彼を見比べるように見る。なんでまた
……
と思ったけど、ふと彼の手の中にも、自分が今貰ったものと似たような形のものがある事がわかった。何回か回していたからダブったんだ、と思えば、いきなりのこのプレゼントも少し腑に落ちるところがある。
……
だから残念ながらサニーくんにとってお目当ての当たり、というわけではないんだろう。
……
でも、2つは必要ないと思われたものだとしても。サニーくんがこれをぼくにあげてもいいかなと思ってくれたことが、純粋に嬉しかった。
「ありがとう。
……
これ、サニーくんのとお揃いだね?」
なんて
……
へへ。別にわざわざ言わなくてもいいような言葉をつい言ってしまう。口にしてから、少し顔が熱くなったのを誤魔化すように笑った。
「
……
ん」
サニーくんは短い返事をして、ぼくにくれたものと似た景品を手に取り、こちらに向けて小さく笑った。
その時の彼の、はにかんだような表情ばかりをよく覚えている。
END.
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