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2024-06-20 21:51:45
13526文字
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蠱毒な夢術廻戦:pixivバックアップ
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連鎖
伏黒恵からみた彼の話。
この小説は【蠱毒な夢術廻戦】シリーズの番外編です。
時系列は『人生一年生、入学。そして任務。』と『E.1 原点と器』の間になります。
荒い部分が多いですが、勢いであげます。
どうして書くとシリアスに寄っていってしまうのか…?
あと乙骨先輩は、いつから海外行ってるんでしょうかね。
伏黒が知り合いみたいだし…この小説だと、五月辺りまでは居たんじゃないかと想定して書いてます。
【青嶺衛は金銭感覚バグってるのか?】
バグってるというか、大人感覚です。払いどころを迷わない感じ。
物に対する執着が薄いのもあります。
【なぜパンダ先輩は最終頁のとき呼ばれていなかったのか】
マジで部屋が狭くなるから。
あとしいて言えば、用があったのは乙骨先輩にだったから。
表紙は、かんたん表紙メーカーさんからお借りしました。
#オリ主 #伏黒恵 #狗巻棘 #禪院真希 #パンダ(呪術廻戦) #乙骨憂太 #夢術廻戦
2021年3月21日 21:46
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「家入さん
…
これ、マジで飲むんスか?」
結構ギリギリむしろアウトって感じ
…
と、ぼやいている青嶺の声が聞こえた。
休日の食堂。
別の場所へ向かう途中
…
通りすがったときに、そんな話し声が聞こえた。
なんとなく、開いていた扉から中を覗く。
「調べてみたが、まだ大丈夫みたいだし
…
何より勿体ないだろう」
そう話す
…
家入さんの手にはコーヒーサーバー。中にはおそらくコーヒーが入っている。
それに気づけば、中で漂っているコーヒーの匂いにも気がつく。
「通説じゃ飲めますし保存にも気を遣ってました。でも
…
」
家入さんと向かい合って話をしているのは青嶺だ。
何か意見で食い下がるような様子を見せている。
「良いから。こう言っちゃなんだけど、私にはこれで十分だよ」
「
…
」
「
…
否定してくれてもいいんだけど」
「
……
いや、その
…
。それが美味しいって思えるとしたら、ダメだと思います」
前に飲んだのと比べて考えてみてくださいよ
…
と、青嶺は諦めたように話す。
「はいはい。ありがとう、それじゃ貰っていくね」
青嶺をあしらうように、家入さんは彼の頭の上で手をを軽く弾ませた。
そして彼女はこちらを向いて、今気づいたといった表情を作った。
「伏黒か。おはよう、調子はどうだ?」
何事もなく、そう尋ねられたので
…
俺はたじろぎながら返事をする。
「何も問題ないです
…
」
「そうか。些細なことでも、気になることがあれば医務室に来てくれていいよ」
一応そういう役目も負ってるから
…
と彼女は話して、俺の横を通って去っていった。
後に残されたのは、微妙そうな顔をしている青嶺と、俺。
青嶺は俺のほうを見て、おはよう
…
と控えめに挨拶をした。
それに俺も控えめな声で返事をすれば、彼はふいっと別の方向を向く。
…
コーヒーを淹れたばかりなのだろう道具が、テーブルの上に乗っている。粛々とそれらを片付けていく青嶺。
先ほどの二人の話からして
…
俺はどう話しかけたものかと思いながら、ぼそりと呟くように声をかけた。
「
…
青嶺」
青嶺は作業の手を止めて、俺のほうを向いた。
「
…
なんだ?」
「それ」
俺が目線で道具を示せば、彼も同じようにそれへ視線を向ける。
「お前のか?」
「そうだが
…
」
それがどうかしたか?といった目を向けてくる。
「いや
…
コーヒー飲むんだな」
というか、何か飲み食いするイメージが薄い。
目の前で食事をとっているのを見てはいるものの
…
。
何かを好んで積極的に、というものがあったのか
…
といった感じだ。
青嶺は少し黙って
…
小さく口を開いた。
「
…
たぶん、もう飲まない」
「は?好きなんじゃないのか?」
俺は喫茶店でコーヒーを頼むし、たまに自分の部屋でも飲んでる。が、こいつの道具の揃え方は俺より本格的だ。
コーヒーミルがある時点で豆から淹れてるってことで
…
。
そういった店に寄っていたのは見ていたが、ここまで買っていたのは予想外だ。
「別に、俺は好きじゃない」
小さく首を横に振る青嶺。
「じゃあなんで
…
」
言いかけた言葉が途切れる。斜め下を向いた彼の顔、サングラスの下が少しだけ見えていた。
「お、おい
…
」
その表情に戸惑って、思わず上げた手を行き場もなくウロウロと彷徨わせてしまう。
「どうかしたか?」
彼は先ほどまでの表情とは裏腹に、どうもないといった声でこちらへ尋ねてくる。
そんな反応を返されて、俺は呆気にとられてしまう。
…
自覚なしか?
二の句が継げないでいる俺を、不思議そうに見てくる青嶺。
その視線に耐えかねて、苦し紛れに言葉を紡ぐ。
「
…
俺はコーヒー、いつも飲んでる」
「そう、なのか
…
」
それに対して、青嶺はどこか困ったように返答をした。
この気まずさをどうにかするため、俺は必死に頭を動かす。
「
……
さっきは、なんで家入さんに?」
そこには色々な意味が含まれていたが
…
彼は何かに気がついたように、頷いて話し出す。
「
…
ああ、コーヒーか。買ったはいいが俺は飲まねぇし、豆ももう古いから捨てようとしたんだが
…
」
家入さんがな
…
と、青嶺は疲れたように、ため息交じりで言った。
「勿体ないし、淹れるのが上手いから是非淹れてくれって。別に俺、上手くはないと思うんだが
…
」
あれに比べたら誰だって上手いだろ。
…
そんな辛口なことまで言い出す始末だ。
「お前、コーヒー淹れるようになってどれくらいなんだ?」
話し口からして、飲みはしないが淹れられはするって感じなんだろう。そう思ってした質問だった。
「
…
俺は、この間
…
出掛けた日。伏黒と途中で会っただろ、その日から」
「
…
形から入るタイプか?」
初めてでここまで道具揃えるとか
…
。
そして、あれから三週間くらい経っている。それは確かに豆も古くなる頃合いだ。
そんなこと考えながら彼を見た。
「そうとも言えるな
…
でも、もう使わねぇと思う」
あっけらかんとして、道具どうすっかな
…
と呟いている。
「おい待て、なんでだよ!しかもお前の財布のヒモどうなってんだ、もう使わない気か
…
!?」
じゃあなんで買ったんだコイツ!?
高くはないが、かといって安いわけでもないはずだ。
マジで金銭感覚ヤバいだろ、五条先生か
…
!?
桁が違うものの、感覚としてはそれに近いものを感じる。
俺の剣幕に引いた感じで、青嶺は身をすくめた。
「いやだって、俺はもういいし
…
要るか?」
あぁでもいつも飲んでんなら持ってるか
…
と話す青嶺。
簡単に言うな
…
と、俺は呆れを通り越して頭痛がしてきそうだった。
「淹れるの上手いんなら、道具を持っとくくらいはいいんじゃねぇか
…
」
なんか機会あるかもしれないだろ。と、説得を試みる。
だが青嶺は顔をしかめると、その顔の前で手を振って否定をしてくる。
「家入さんはコーヒーについて信用ならねぇからな、マジで」
めちゃくちゃ真剣な声色だ。
…
そういえばこの前、医務室でヤバイ味のコーヒー飲まされたな。なんか関係あるのか?
「正直、これで淹れるの上手いって言われても納得できねぇんだよな
…
だいぶ適当だし
…
」
そうぼやきながら目線を向けるのは、使用済みの豆の入ったドリッパー。
別に何か変わった様子もない。ごく普通の感じだが
…
。
「逆にどうだったら納得できるんだ
…
?」
どう説明したものか
…
という風に、彼は口をまごつかせた。
「
…
伏黒も、飲んでみれば
…
たぶんわかる」
数分後。
俺の手元には一杯のコーヒーがあった。
当然ながら、彼がそれを淹れたのだが
…
その様子は、コーヒーに触れ始めたばかりとは思えない。
慣れてるというほどではないが、淹れ方の手順をちゃんと把握しているといった感じだ。
淹れ終わった彼は、何も言わずにこちらを見てくる。
…
プレッシャーがすごい。
その視線から逃れられないまま、俺はぎこちなくカップを手に取って、コーヒーを口に運ぶ。
…
。
「
…
普通じゃないか?」
確かに、少し雑味らしきものはあるだろう。だが気になるほどでもない。
それを聞いた彼は、納得できないと言わんばかりに顔をしかめた。
「買ったその日のを飲んでないからだろ
…
それに、もっとマシな淹れ方がある」
納得できてねぇな、コイツ
…
。
俺は白けた目で青嶺を見ながら、また一口コーヒーを飲んだ。
…
豆から淹れてあるせいか、自分がいつも部屋で飲んでいるものより旨く感じた。
それを言えば、彼から凄い目で見られそうなので
…
黙っておくことにしたが。
ちなみに、納得のいかなかった青嶺は、新たな豆と道具を買うために外出することにしたようで。
それには俺も同行した
……
のだが
…
。
「100g千円!?」
買い物に着いていった先で、俺は驚きの声をあげるはめになる。
青嶺はなんでもなさそうに話した。
「一杯10gなら100円で、缶コーヒーと同じだろ」
それはそうだが
…
。
逆に考えてみろ
…
と、一般的な感覚に目を向けさせることにした。
「でも、1キロだと一万するからな」
「
…
あっ」
…
そこで気づけるのなら、まだマシなのかもしれない。
これ以来、俺は定期的に彼のコーヒーを飲むことになった。
なぜか、と問われると
…
言葉にし難い。
ムキになったのだろう青嶺が、きっかりと淹れたそれに、舌が慣れてしまったせい
…
なのだろう。
「なんで豆持参で来るんだ
…
?」
不思議そうにする青嶺から、そっと目を逸らした。
さすがにタカる気はなかったが
……
コイツ、淹れるの上手いんだよな。
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